本校ではかねてより食育の日である毎月19日 に「北海道大好き献立」を企画し、道内の食材 や料理を紹介。これをもとに3年前から給食の写真を地図に貼る学習が始まりました。2年前からは職員や生徒による対象地域の紹介と、感想発表の掲示「食のバトン」がスタート。地理的環境や郷土の文化・生活に対する興味関心を広げてきました。さらに昨年からは「日本の献立」 に幅を広げ、日本各地の郷土料理を日本地図で学ぶ活動を開始。立ち返って「北海道大好き献立」では伝えきれなかった郷土料理と地場産物に焦点を当てた「北海道に伝わる料理」を月1回実施するようになりました。今回は、多くの道産野菜が収穫期を迎える10月の献立です。

特別支援学校である本校には自閉症を併せ持つ児童生徒も多く、障害特性として感覚の過敏差を踏まえた食育が重要です。たとえば、「札幌黄のかき揚げ丼」に使われた「札幌黄」は明治時代から栽培される地元特産のたまねぎ。肉厚でやわらかく加熱後の甘味が強いのが特徴ですが、香りの強い野菜が苦手な子が少なくありません。しかし、揚げ物であれば食欲が高まることから、かき揚げにしました。「こまつなのごまあえ」には道内有数の生産量を誇る地場野菜こまつなを使用。独特のクセを消すためにキャベツとあわせ、練りごま風味にしました。五目汁に使った旬の野菜・鶏肉・豆腐は、見つけやすくつまみやすいように、大きめに切る工夫をしています。地元で栽培されるりんごは、噛む力が弱い児童生徒が多いことから皮をむいています。