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  • 2021年 第16回大会
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16th contest第16回大会について

  • 審査講評長島美保子 全国学校給食甲子園審査副委員長(映像出演)

    優勝・準優勝・特別賞並びに食育授業最優秀賞を始め、数々の賞及び、調理員特別賞を受賞された皆様、おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
    今年度も、長引くコロナ禍の中、学校給食の運営も大変なご苦労があったことと存じますが、そんな状況を乗り越えて、全国各地から、例年と変わらないたくさんの応募をいただきました。本日この場に立たれた皆様は、実に1355校の中から第1次から第4次まで絞り込まれ、さらに最終審査で数々の賞を選定されました。
    1次審査では、この度の学校給食摂取基準でさらにハードルが高くなりました。それに加えて次のような審査基準を組み合わせました。
    ・学校給食として実施したもの
    ・栄養量や分量が適切なもの
    ・地場産物を活用しその特色を生かしたもの
    こうして基準も加味して審査をした結果、247校が選ばれました。
    2次審査では都道府県代表を決定しました。応募数が都道府県により格差がありますので、60件以上の応募数では2校(施設)、100件以上では3校(同)を選び、合計52校(同)が2次審査を通過しました。
    2次審査から4次審査にかけては、地場産物の学校給食への効果的な活用・子供が喜び郷土愛を育む献立、学校における食育の教材となる給食、美味しさを感じさせる献立・衛生管理や、彩りへの配慮等も踏まえて選びました。ここでは、アピールシートの書き込みも重要になります。
    第4次審査では、優劣つけがたい給食献立がそろい、審査員泣かせとなりましたが、激戦を制して本日の12校のみなさんが選ばれました。
    茨城県ひたちなか市美乃浜学園は、主食・主菜・副菜・しるものの組み合わせがバランスよく整った献立で、食育の教材として効果的な内容でした。豊かな地場産物を使い、いろどりも美しく、児童が考案したアイディア料理を取り入れるなど、優勝献立にふさわしい内容でした。
    さて、審査の過程で課題として感じていることを申し上げたいと思います。まず摂取基準に基づいた献立作成をし、基準に満たない場合あるいはオーバーした場合、見直しをして過不足のところを工夫していただきたいと思います。1次審査は、基準値による選定だからです。そして、汁物や煮物に使う水の量も記入していただきたい。水の量によって、仕上がり・味は異なります。調理現場に指示をするように、応募献立の中にも明記していただきたいと思います。
    また既製品のデザート使用は、摂取基準を満たした献立でも最終的に不利になります。栄養士会や学校給食会考案の地場産物を活用したものであれば、アピールシートにしっかり記述してください。
    次に、食育授業コンテスト最優秀賞の福井県立南越特別支援学校の櫻川朗江先生おめでとうございました。5分間の短時間指導で子供たちに何を伝えたいか的を絞ったぶれない指導でした。丁寧に用意された教材、理解しやすい内容で、指導の進め方も適切であったと思いました。何よりも子供たちを引き込む、明るい語りかけで、子供たちの興味関心をかきたてる食育授業でした。
    今年の食育コンテストでは、電子黒板・タブレット・スライド・動画など、ICTを駆使した指導が多くなり、新たな日常における食育の方法として、大変参考になります。広く全国で活用されることを願っています。
    食育授業コンテストは、単に給食献立の紹介に終始するのではなく、給食を教材として、伝えたいテーマに沿って、コンパクトに、欲張らない教材と伝えたいことをしっかりおさえた内容が、決め手になると思いました。
    今年もまた、全国各地をオンラインでつないだ決勝大会となりましたが、各地では、子供たちをはじめ、保護者、同僚の皆様、先生方、地域の皆様、そしてご家族の方など、多くの方と直接的に感動を分かち合うことができていることと思います。改めて、皆様、おめでとうございました。

  • 閉会挨拶馬場錬成 認定NPO法人21世紀構想研究会理事長
    (優勝校の茨城県ひたちなか市立美乃浜学園から映像出演)

    コロナ禍の影響で、応募献立の書類審査とオンライン表彰式という変則開催が2年続けて行われました。コロナ禍と日夜闘っている全国の学校給食の現場からは、今年も1355人の学校栄養士の先生方から応募がありました。食育指導も熱を帯びて展開されていることを知り、たいへん感銘を受けました。
    今年は茨城県の美乃浜学園が優勝しましたので、優勝旗と優勝カップを東京のセンター会場から運んで来て、いま授与したところであります。全国から応募された献立はどれも素晴らしい内容であり、学校栄養士の先生方の積極的な取り組みを感じました。決勝戦に残った12代表の審査では、全員が一線になってゴールに入ってきたような感じであり、ほんのわずかな差で幸運にも茨城県ひたちなか市立美乃浜学園が優勝したということであります。優勝献立は素晴らしい内容でしたが、惜しくも優勝を逸した献立にあっても、どれもこれも地場産物の有効的な利用と美味しさを求めた献立であり、甲乙つけがたく審査委員を悩ませました。どうぞ胸を張って堂々と競い合ったことを子どもたちに報告してください。
    食育授業コンテストも、先生方の授業のスキルが一段とアップしてきたように感じました。食育活動を視野に入れた授業は、聞いていても楽しくためになるものばかりでした。
    子どもたちへの食育の啓発、地産地消の奨励、地域活性化を担う学校給食は、世界に類のないものであり、日本のソフトパワーを示すものです。私たちは誇りをもって、食育と学校給食のいっそうの充実と普及に努めたいと考えています。
    1355人の先生方に作成していただいた応募書類は、電子書類になっており、貴重なビッグデータとして保管しています。私たちはこのデータをさまざまな角度から分析し、結果を日本食育学会で発表しています。このデータは年を経てより価値が出てくるでしょうし、世界に発信することもできるようになるでしょう。
    全国学校給食甲子園だけでなく、食育シンポジウム、夏休みの食育ワークショップなど多角的な活動を展開して食育推進に尽力したいと考えております。
    コロナが終息に向かい、来年こそは実際に調理する正常の大会になるように祈念しております。大会の実施に当たり、後援団体、協賛社、行政関係者、保護者、生産者、メディアなど多くの方々のご支援をいただきました。この場から感謝の気持ちをお伝えして閉会の挨拶とします。ありがとうございました。