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  • 2021年 第16回大会
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16th contest第16回大会について

  • 優勝(株式会社日本一賞)は茨城県ひたちなか市立美乃浜学園保立貴博・栄養教諭6回目の挑戦でついに優勝旗もぎ取る

    優勝の発表の瞬間、会場は一瞬沈み込み、そこから一気に喜びが爆発しました。初めての決勝戦出場で初優勝、しかも保立栄養教諭は今回6回目の応募であり、ついに執念が実って頂点に立ちました。
    大勢の応援団が駆けつけた茨城県サテライト会場では、優勝が発表されると大歓声があがり、くす玉が割られ、たいへん盛り上がりました。表彰式では、主催者代表として会場に駆けつけた、認定NPO法人・21世紀構想研究会の馬場錬成理事長、渡部政博理事が、優勝旗と優勝カップ、副賞を授与、関係者と喜びを分かち合いました。

    発表の瞬間喜びにわく応援団
    大谷明市長(左端)、朝比奈校長(右端)野沢恵子教育長(右から2人目)に囲まれて喜びの表情の保立、關山さん

    新設したばかりの小中一貫義務教育校に華を添えた大優勝旗

    美乃浜学園(朝比奈泰浩校長)は、阿字ケ浦小学校,磯崎小学校,平磯小学校,阿字ケ浦中学校,平磯中学校の5校が、一つの小中一貫義務教育学校となり、2021年4月1日に開校したばかり。田園地帯のど真ん中に建てられたピッカピカの校舎です。この日は、審査結果を期待しながら集まってきたものですが、まさか優勝するとは思わなかったという喜びで会場は包まれました。

    食の恵みあふれる農業県をアピール

    茨城県は、農業産出額が全国で第3位の農業県です。この日、オンラインで表彰式に参加した現地の会場にも、県産の名産品が並んでいました。ところが昔から、地味で堅実な風土のせいか、魅力度ランキングでは低い評価になっていました。
    そこで今年31歳の若い栄養教諭、保立貴博先生が、魅力ある郷土の食材をふんだんに使った学校給食を子どもたちに提供し、健康で元気で郷土愛を持った児童・生徒になることを祈ってこの献立を応募しました。それがなんと、1355応募献立の頂点に立ったのです。茨城県の代表はこれまで決勝戦に4回出場していましたが、決勝での受賞履歴はありませんでした。茨城県勢としては今回が初の決勝進出そして初優勝になります。

    保立先生は、全国学校給食甲子園に過去5回応募していましたが、いずれも一次審査を通過できず、県代表にも残れませんでした。それが6回目の今回は、順調に審査委員会を通過して決勝戦に進み、ついに頂点に立ちました。保立先生は「一次審査を通過しないときもありましたが、献立の工夫に挑戦して、ついに優勝まで勝ち取りました。努力が報われました」と語っています。
    茨城県は学校給食に熱心な学校栄養士が多く、ベテランのある学校栄養士は「茨城県の次世代の栄養教諭のリーダーになる先生です。ずっと期待していました。とても嬉しいです」と語りました。

    保立貴博先生の喜びの声

    驚きとうれしさと、なにより感謝の気持ちでいっぱいです。私自身はもちろん、美乃浜学園として、茨城県として初めて賞をいただけたことを、なによりもうれしく思います。ひたちなか市には、おいしいものがたくさんあるということを、みなさんに知っていただけたのではないでしょうか。これからも地場産物をふんだんに使った給食を提供し、ふるさとを誇りに思い大切にできる子どもたちを育てていきたいと思います。本当にありがとうございました。

  • 大応援団の期待に応えた郷土の料理準優勝(野口医学研究所賞)は佐賀県白石町学校給食センタ-

    発表の瞬間、待機していた応援団から、はじけるように歓喜の声が爆発、佐賀県の喜びの様子が、センター会場にも画面を通して伝わってきました。
    さっそく浅野嘉久・米国財団法人野口医学研究所創立者・名誉理事から準優勝の賞状が授与されました。この日に備えて東京から現地入りしていた審査委員の椋周二・21世紀構想研究会理事から準優勝カップと副賞が授与されました。白石町のゆるキャラみのりちゃんも、喜び一杯の動作で受賞者のそばに付き添って会場を和ませ、感動の様子がオンラインで日本中に運ばれていきました。

    郷土料理法を活かした給食献立

    川田孝子栄養教諭、古賀綾子調理員のペアで調理した学校給食は、コロナ禍で実際には見ることができませんでしたが、審査委員会では、色彩に富んだ子どもたちの食欲をそそるものとして評価されていました。さらに地場産物をふんだんに使っており、郷土料理の料理法を活かした献立であり、使用食材の種類も多く変化に富んだ献立と評価されました。センター給食では意欲的なものであり、調理場から子どもたちへメッセージを伝えようとする意欲を感じたとして、準優勝授与が満場一致で決まったものでした。

    佐賀県は食材に恵まれているだけでなく、学校給食に対し教育関係者・保護者・生産者らが一体となって取り組んでいる県です。今大会でも公式ホームページの応援コーナーでも見られたように、校長先生たちをはじめとして、みなさんが大応援団を組んで熱心に声援を送ってくれました。

    佐賀県代表はこれまで、決勝戦に10回出場と最多出場しており、第1回女子栄養大学特別賞(小城・百武裕美)、第12回子供審査員特別賞(神埼・阿部香理)、第13回優秀賞(嬉野・尾形 有紀)、第15回21世紀構想研究会特別賞(佐賀・百武裕美)とつづいており、今回ついに準優勝まで上ってきました。次は悲願の大優勝旗を九州に是非とも持って行きますように祈っております。
    祝辞を述べた浅野名誉理事は「昔の給食は、進駐軍から供給された脱脂粉乳と、トウモロコシのパン、そしてひじきでした。川田先生はそのひじきや有明の海苔を使って、おいしく、子供たちに野菜が食べやすいような味付けを工夫している。今は海外に旅行に行けないが、佐賀県の白石町に出かけて川田先生の給食が食べたいと思いました」と語って楽しませてくれました。

    受賞された川田先生は、「名前がなかなか呼ばれないので、ドキドキしていましたが、こんなに大きな賞がもらえるなんて・・・・・・。白石町の子供たちがずっと応援していてくれていたので、明日良いお知らせができるのが嬉しいです」と喜びの言葉を語りました。

  • 大村智特別賞は福井県の県立南越特別支援学校大村博士からメッセージ
    「世界に誇るソフトパワー 心から食育・学校給食を応援しています」

    食育発祥の地として学校給食にも熱心に取り組んでいる福井県ですが、準優勝に次ぐ大村智特別賞が福井県立南越特別支援学校に授与されました。栄養教諭の櫻川朗江先生は、食育授業コンテストでも最優秀賞に輝いており、食育・福井県の存在感を全国に広げました。

    21世紀構想研究会アドバイザーで、荒井寿光・元特許庁長官から、賞状が授与されました。また、大村先生からメッセージが寄せられ、会場で披露されました。
    「学校給食は、日本が世界に誇るソフトパワーの代表的なものです。これを支える栄養士の先生方と教員の皆さん、調理員の皆さん、生産者・保護者の皆さん、そして行政の支援があって初めて、子どもの健康と成長が順調に進みます。
    学校給食は未来にかけた素晴らしい食育であり、心から支援しております。食育発祥の地の福井県代表にこの賞を授与できることを喜んでおります。皆さん、おめでとうございます」

    荒井寿光アドバイザーは「給食で実際におにぎりを作る体験をして、児童・生徒が自分で作る喜びと、地元の特産品の「もみワカメ」に「じゃこ」を合わせるなどして食べる喜びと、両方があって素晴らしかった」と、講評を述べました。
    現地会場では、福井のマスコットキャラクターはぴりゅうとたべりゅうも大喜びで受賞者に寄り添い、喜びを分かち合いました。
    福井県代表はこれまで、決勝戦に6回出場しています。第9回は21世紀構想研究会特別賞(福井市・田中 範子)、第13回にも21世紀構想研究会特別賞と食育授業最優秀賞(坂井・越桐由紀子)、第14回にも21世紀構想研究会特別賞(福井大学附属特別支援・尾﨑 由美)を授与されています。21世紀構想研究会特別賞を3回も受賞しているのは偶然ですが、授与する方の主催者側も喜んでいます。

  • 21世紀構想研究会特別賞は
    長崎県大村市中学校給食センター佐田マキ栄養教諭4回出場も涙飲む

    主催者の認定NPO法人・21世紀構想研究会の特別賞は、昨年に引き続いて決勝大会へ出場した、長崎県大村市中学校給食センター佐田マキ・栄養教諭に授与されました。永野博・21世紀構想研究会副理事長と長谷川芳樹・同理事から、賞状とトロフィーが授与されました。
    受賞の発表と同時に大村市のサテライト会場ではくす玉が割られ、クラッカーが鳴り響くなど、大きな盛り上がりでした。

    賞状を授与したのは、認定NPO法人・21世紀構想研究会副理事長の永野博さんで、審査委員でもあります。
    「佐田先生は先ほど、食育授業で極めて上位にランクされ、また岩永調理員は調理員特別賞(中野麗子賞)に輝くということは、大村中学校給食センターは給食についての鉄壁のコンビですね」とほめたたえました。
    さらに「6中学校、3150人の生徒さんを対象としながら、玖島中学校の生徒さんの作ったバジルを使い、メニューも生徒のアイデアを入れるなど、工夫がたくさんあります。しかし、それだけでなく、私が強調したいのは食育授業の内容です。それはSDGsの説明なのですが、バジルの種から種へ、ということを取り上げSDGsの第2目標である持続可能な食糧生産の説明を上手にされるとともに、地産地消の意義を食材の運送にかかわる二酸化炭素排出の軽減と結びつけSDGs第13目標の気候変動の抑制の説明に結びつけている。私はこれまでSDGsの話は何度も聞いてきましたが、このように分かりやすく、気持ちに響く説明は初めて聞きました。先生の給食を基盤とした教育面での活躍がより発展することを心より願っています」とコメントをしました。

    生徒の献立考案などセンター給食への工夫が評価

    3150人の給食をまかなう大きなセンターにもかかわらず、手作り感のある温かな献立が印象的でした。SDGsと関連付け、地場産物を使うことによる二酸化炭素を削減、気候変動を防ぐというコンセプトが優れていました。甲子園応募を生徒に知らせることで興味を持たせ、地産への興味と理解を深めたことから、生徒の献立考案、夏休み試作、生徒栽培バジルの料理など、教育活動と深く関わった食育を展開しました。生徒考案メニューの提供など、センター給食の工夫が素晴らしい生徒による献立の考案、生徒が自ら栽培したバジルの献立への使用など、実体験と深くリンクさせた食育の展開が、たいへん素晴らしいと評価されました。

    佐田先生は4回目の出場

    長崎県代表はこれまで、決勝戦に7回出場しており、九州では強豪県になっています。これまで第8回大会で優秀賞(平戸・石田美穂)を受賞していましたが、今回初めて特別賞を受賞しました。また佐田先生は、4回目の決勝戦出場であり、全国の学校栄養士の中でも抜き出た実績を誇っています。

  • 兵庫県芦屋市立精道中学校に女子栄養大学特別賞
    栄養素・バランス・彩り豊かを評価

    見た目美味しそうが大事

    審査副委員長の香川明夫・女子栄養大学学長が、表彰状を読み上げ、授与されました。香川先生は「栄養素やバランスはもとより、とにかく彩り豊かでおいしそうでした。見ておいしそうなのは、とても大切です」と献立内容を称えました。また副賞は、審査委員の三好恵子・女子栄養大学短期大学部教授から授与されました。
    芦屋市の現地会場では、発表と同時にくす玉が割れて「おめでとう」のメッセージが現れ、校長先生より、クリスタルカップの授与が行われました。

    生徒会とのコラボによる食育活動を評価

    審査委員会でも「兵庫5国の歴史に触れ、知的関心を生み、食材はどの国からかなどの食育ストーリーが、良かったです。生徒会とのコラボによる料理ウイークは5日間続く取り組みで、生徒の食への興味理解が深まるでしょう。アピール度も良く、地元とのつながりを食育に活かしていました。また、鶏肉の部位の味比べや、地元のみそやバジル、ニンニクを使った味付けなどにも工夫がこらされていました」と高く評価されました。

    連続優勝するなど兵庫県の輝く実績

    兵庫県代表はこれまで、決勝戦に6回出場しています。第9回大会では牛乳・乳製品部門賞(朝来・須田絢子)、第12回大会は優秀賞(武蔵エンジニアリング賞)(芦屋・奥瑞恵)、第13回で初優勝(養父・井口留美)、第14回大会で連続優勝と食育最優コンテスト最優秀賞(丹波篠山・田端廣美)を獲得、第15回大会でも優秀賞(教職員生涯福祉財団賞)(丹波篠山・岡田恵美)を受賞しています。奥先生は第12回に続き2回目の決勝戦出場でした。

  • 優れた調理技術・模範調理員に中野麗子賞を授与
    新潟県梅内百合子さんと長崎県の岩永慎也さん

    優れた調理技術と、模範となる調理員の業務を務めている調理員に授与される調理員特別賞(中野麗子賞)は、新潟県と長崎県の二人の調理員に授与されました。これまでの大会を通して、応募数が多い新潟県と長崎県の教育委員会から推薦を受けて、審査委員会で決定して表彰したものです。
    賞を創設した中野麗子さんは、全国に先駆けて学校給食の委託業務を開拓された方で、特に調理員の役割は、縁の下の力持ちとして欠かせない重要な役割であるとして、この賞が設けられました。

    授与されたのは、新潟県柏崎市西部地区学校給食共同調理場調理員の梅内百合子さん、長崎県大村市中学校給食センター調理員の岩永慎也さんの2人です。
    梅内さんは、業務委託先の業務責務者として長年に渡り調理場の運営に携わっており、経験豊富で周囲からの信頼が厚い調理員です。子供たちのためにと、出来る限り手切りや手作りにこだわり、栄養教諭等とのコミュニケーションを積極的にとり、丁寧かつ迅速に作業を行う技術力があります。柏崎市の地産地消への取り組みを理解し責任感・謙虚な姿勢をもちあわせた調理員でもあり、新人の調理員への指導力なども評価されました。
    岩永さんは、責任感・謙虚な姿勢をもちあわせた調理員として評価されてきました。現在の職場は新センターであり、新人の調理員も随時入社していますが、一人一人の作業を見て、その場で調理・衛生について的確に指示し、その作業を見ながら、その場で調理・衛生について指示・指導をしてきました。社員も統括責任者に迅速に報告するという連絡管理体制をしっかり築き、安全安心な学校給食の実施に努めていることが高く評価されました。
    賞状は、株式会社藤江取締役の三宅郁子さんが読み上げ、現地では、それぞれの県の教育長から、トロフィーの授与が行われました。

    この写真は、第13回大会で中野麗子賞が創設され、授賞式に出席して自ら賞状を授与する中野麗子さんです。

  • 優秀賞(藤江賞)は島根県江津市立桜江学校給食センター

    特に地場産物を活かした献立の工夫が認められた学校・施設に、株式会社藤江から送られる賞です。
    受賞が発表されると、サテライト会場に詰めかけハッピを着た応援団は、うちわを大きく振って受賞の喜びを表現していました。株式会社藤江・代表取締役社長の益子純子さんから賞状と副賞が授与されました。

    プレゼンターの株式会社藤江の代表取締役社長、益子純子さんから次のようなお祝いのコメントがありました。
    「地場産物のあじの焼き魚を、丸ごと箸を上手に使って食べさせる給食指導が素晴らしかったです。焼き魚を好まず、箸も苦手な子どもの実践教育の場となっています。地域のお宝食材として炒り大豆ごはん、えごまあえ、桜江ごぼねっこ汁、桑茶豆乳くずもちなどの食育に取り入れて、学年別教科別など、多角的な視点で学習に取り組んでいました」と評価する言葉でした。

    また、学年別教科別など多角的な視点で取り組んでおり、11月開催の給食集会で、各学年の学習内容を全校に伝える食育指導を行っています。

    島根県のこれまでの実績

    島根県代表はこれまで、決勝戦に4回出場しています。第3回大会では学校給食研究改善協会賞(松江・長島 美保子)、第10回大会では21世紀構想研究会特別賞(江津・山田 菜穂子)が授与されています。

  • 優秀賞(武蔵エンジニアリング賞)は
    静岡県立富士特別支援学校

    特に栄養のバランスの優れた献立として認められた学校施設に授与される優秀賞(武蔵エンジニアリング賞)は、静岡県立富士特別支援学校の滝浪永梨学校栄養職員、金子由紀子調理員のペアでした。
    受賞が発表されるとサテライト会場からは大きな歓声が上がり、キャラクターのふじっぴーも飛び跳ねて、全身で受賞の喜びを表現していました。特別支援学校は、障害のあるお子さんたちを教育・指導する学校であり、学校給食にも工夫が必要です。日々の努力の蓄積をしながら子どもたちの栄養、健康、成長に取り組む先生方の取り組みが、献立にも出ていました。
    文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課・学校給食調査官で、審査委員の齊藤るみ先生から賞状と副賞を授与されました。

    齊藤るみ審査委員は受賞理由を次のように語りました。
    「オーガニック週間のイベント的給食で、ニジマスや桜エビといった静岡県の地場産物を豊かに使用し、地産地消の楽しさがうかがえる豪華で、たいへん楽しいメニューでした。特別支援学校ならではの丁寧な説明が行われており、作り方や味つけにも安定感がありました。食育は計画的に実施し、生産者とのつながりSDGsなどの取り組みも給食を効果的に活用していました」

    また審査委員会の講評では「しらすご飯はおいしそう。見た目は地味ですが、地元の食材を効果的に使っていて、作り方も味つけも安定感があります。食育を計画的に実施して、生産者とのつながりやSDGsなどの取り組みにも、給食を効果的に活用しています」評価されました。

    静岡県のこれまでの実績

    静岡県代表はこれまで、決勝戦に3回出場しています。学校給食に熱心に取り組んでいる県にしては、少ないように感じます。決勝戦での受賞履歴がないことも意外でしたが、今回は期待に応えて初めて優秀賞(武蔵エンジニアリング賞)を受賞しました。

  • 優秀賞(教職員生涯福祉財団賞)は
    青森県おいらせ町立学校給食センター

    昨年、日本一に輝いて全国から注目を集めた青森県は、今年も決勝戦に進出してきました。塩分の取り過ぎを指摘されてきた食生活の改善は学校給食から始まるという使命を帯びて、学校給食現場では献立の工夫と子どもたちから保護者まで生活習慣病予防のために意識を高める活動をしてきました。
    こうした食育活動の一貫の中で取り組んできたおいらせ町立学校給食センターの大坊未世子栄養教諭と種市良子調理員に教職員生涯福祉財団賞が授与されました。

    特に栄養のバランスの優れた献立として認められたもので、発表と同時に現地のサテライト会場から、ゆるキャラおいら君も一緒になって歓声が上がりました。
    審査委員の関川幸枝・野口医学研究所・企画開発部部長から賞状が授与されました。関川委員は受賞した献立に関して、次のような講評を発表しました。
    「寒い地域だと、どうしても味の濃いもの、塩分の強い食事が好まれますが、塩分を抑えた中でも味付けを工夫したり、地場の根菜を使って薄味でもおいしく、栄養価の高い食事を提供することで、学校給食で覚えた味は児童・生徒の記憶に残ると思います。青魚を食べやすくするよう、工夫したソースを使ったり、塩分控えめに留意したあおもり型献立について詳しく説明されていたのも、よかったと思います」

    日本の平均寿命を下回っている青森県は、塩分過多になりすぎとの指摘を受けてきたためか、献立にも塩分過多対策を意識した工夫が見られました。給食センターが主催するレシピコンテストで、児童が考えたレシピを活用するなど、地元食材をアピールした献立の工夫と食育活動の実践がみられたことも評価を高くしていました。

    全国優勝も果たした実績

    青森県代表はこれまで、決勝戦に6回出場しています。2009年の第4回大会では、青森市の長沼裕美子栄養教諭が21世紀構想研究会特別賞、第9回では同じく長沼裕美子先生が牛乳・乳製品部門賞を受賞しました。昨年の第15回大会では、ついに長沼裕美子先生(外ヶ浜町)が3回目の決勝出場で優勝旗を青森県に初めて持っていきました。

  • 優秀賞に4県代表が受賞

    岩手県 奥州市立胆沢学校給食センター 菊地万里子

    埼玉県 草加市立高砂小学校 今井ゆかり

    新潟県 五泉市立五泉南小学校 佐久間卓恵

    愛媛県 西条市立玉津小学校 井上彩

    献立内容が優秀であると認められた4学校・施設に「優秀賞」が贈られました。
    全国のサテライト会場から送られてくる映像では、受賞者とその応援団、かわいらしいキャラクターの着ぐるみなど、みんなで大喜びの様子でした。

    講評・岩手県(プレゼンター・長谷川芳樹審査委員)

    姉妹都市である、静岡県掛川市から送られてきた茶葉を使用した郷土料理「はっと」を作成。姉妹都市との食材交流を通じて、相手都市の産物を取り入れ、郷土料理に活用していました。児童へのアンケート調査では、岩手県で採れる農水産物や伝統・郷土料理を知らない児童が約3割いたことから、それらを給食に積極的に取り入れる方針とのことです。

    岩手県のこれまでの実績

    岩手県代表はこれまで、決勝戦に7回出場しました。第7回は女子栄養大学特別賞(岩手大附属特別支援・斉藤洋子)、第13回は優秀賞(水沢南・小野寺真由美)、第14回は野口医学研究所賞(胆沢・菊地万里子)が授与されました。菊地先生は第14回に続き2回目の出場です。

    講評・埼玉県(プレゼンター・齊藤るみ審査委員)

    県内産の野菜と果物が豊富な献立でした。「海なし県」と呼ばれる埼玉ですが、魚が苦手な児童にも食べやすい工夫が、なされていました。特産の青ナスと一般のナスの食べ比べをするなど、地場野菜の興味を深める工夫があります。総合学習で子どもが栽培した枝豆を使った枝豆ごはんなどは、献立への思い入れが児童と共有されていました。「オリ・パラ」出場のコロンビア選手を歓迎するためコロンビア料理に挑戦、給食に出して食育の教材にするなど、児童の興味をひく食育授業を展開しています。

    埼玉県のこれまでの実績

    埼玉県代表はこれまで決勝戦に7回出場しました。第11回には子供審査員特別賞(毛呂山・石井知子)、第12回大会は優勝(越生・小林洋介)、第14回大会は藤江賞(草加・今井ゆかり)、第15回大会は準優勝(新座・山崎芳江)でした。今井ゆかり先生は第14回に続き2回目の出場です。

    講評・新潟県(プレゼンター・清久利和審査委員)

    地場産物の使用と指導に工夫がみられたバランスのよい献立でした。子どもたちが様々な授業で学んだ五泉の食文化や地域食材を、給食の献立に活用して効果的に使うことで、実体験として食の理解が深まる工夫がされていました。普段の献立の中にひと工夫が感じられ、学習とのつながりを考えて献立作成されていました。

    新潟県のこれまでの実績

    新潟県代表はこれまで、決勝戦に7回出場しています。第4回大会では優勝(上越・宮澤富美子)、第12回大会は船昌賞(新潟市・金永雅美)を授与されています。

    講評・愛媛県(プレゼンター・三好恵子審査委員)

    防災教育の視点から、災害時にも非常食として提供できるという狙いで作られたテーマ性に優れた献立でした。非常食に関しての食育も、昼の放送、電子黒板、教室指導などが、きめ細やかでした。地元食材を豊富に使った献立は繊維質が多く、だしの水も記入されていました。炊き込みご飯やホイル焼きなど魚の調理を工夫しながら、非常食を学べる献立としていました。

    愛媛県のこれまでの実績

    愛媛県代表はこれまで、決勝戦に6回出場しています。第8回大会は牛乳・乳製品部門賞(新居浜・武方和宏)、第12回大会は藤江賞(西条・武方美由紀)、第14回大会は女子栄養大学特別賞(西条・神谷智寿子)、第15回大会は藤江賞と食育授業最優秀賞(西条・茨木仁美)を授与されています。