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15th contest 第15回大会について

公益社団法人全国学校栄養士協議会会長
長島美保子審査副委員長・講評(映像出演)

〔講評〕

第15回と言う記念すべき大会にあたり、優勝、準優勝、食育授業最優秀賞、コロナ禍対策特別賞、調理員特別賞・模範賞などを授与されたみなさま、本当におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
今年は新型コロナウィルス感染拡大の中で、学校給食の現場も大変な苦労がありました。それを乗り越える原動力となったのは、子供たちの給食を待ち望んでくれる姿です。コロナ禍の中で成長期の子供たちにとっていかに学校給食が大切であるかを改めて実感したところでもあります。「このような状況下だからこそ大会を開きたい」という事務局の熱い思いのなかで公募がはじまり、ほぼ昨年並みの応募がありました。厳密な書類審査をへて、審査はオンラインで進めていきました。応募献立1412校の中から決勝に進まれたみなさまは、その頂点に立たれ、栄えある賞を受賞されたことになります。

一次審査では学校給食摂取基準を遵守していること、学校給食として実際に実施されたものであること、栄養量や分量が適切であること、地場産物を活用しその特色を生かしていること、といった点を重視し、220校を選びました。 二次審査では都道府県代表を決定いたしました。各都道府県によって応募数に差がありましたので、60校以上の応募があった県からは2校、100校以上の応募があった県では3校を選び、56校が二次審査を通過しました。

二次審査から四次審査にかけては、地場産物の学校給食への効果的な活用、子供がよろこび郷土愛を育む献立、学校における食育の教材となる給食、おいしさを感じさせる献立、衛生管理や彩りへの配慮といった点を踏まえて審査を行いました。
四次審査にもなると優劣のつけがたい給食献立が揃い、審査員泣かせとなりましたが、最終的に本日決勝に進出された12校のみなさまが選ばれました。

その中から、本日献立部門の頂点、最優秀賞を受賞されたのが、青森県外ヶ浜町給食センターです。豊かな地場産物を使い、一つ一つの料理のネーミングも子供たちの給食への期待感をいっそうかきたてる、彩りの大変美しい献立でした。本日試食ができないのが、とても残念です。応募献立にもとづく食育指導もしっかり行われていることが、応募いただいた書類からもうかがえました。
キッコーマン食育授業最優秀賞を受賞された愛媛県西条市立大町小学校の茨城仁美先生、おめでとうございます。5分間の短時間指導で給食を待っている子どもたちになにを伝えるのか。一貫して的を絞った、ぶれない指導でありました。単に地場産物の紹介だけに終わらず、ここでは食品ロスをテーマとされていましたが、そこには食育の視点がしっかりと押さえられた授業展開でした。また今後、withコロナの中での給食時間の授業として、その指導方法もみなさんに大変参考になるのではと思いました。

優勝、準優勝に続くたくさんの栄えある賞を受賞されたみなさまにも、改めまして心よりお祝いを申し上げます。
コロナ禍の中にあって、例年のように臨場感のある決勝大会とはなりませんでしたが、全国各地をオンラインでつないでデジタル化した、いわゆる時代を踏まえて進化した決勝大会となったのではないかと思います。

各地で、子どもたちをはじめ、保護者や同僚の先生方、地域のみなさま、そしてご家族など、多くの方々と受賞の喜びを分かち合っていただきたいと思います。主催者である21世紀構想研究会のみなさま、支えてくださいました協賛各社、各団体のみなさまに御礼申し上げまして、講評の締めくくりといたします。ありがとうございました。

公益社団法人
全国学校栄養士協議会会長
長島美保子審査副委員長

閉会の挨拶

認定NPO法人・21世紀構想研究会理事長 馬場錬成

第15回学校給食甲子園全国大会はコロナ禍での異例ずくめの大会となりましたが、数々の感動と感激のシーンをみなさまとリアルタイムで共有することができ、たいへん嬉しく思っております。
今年の4月ごろには新型コロナウイルスが世界的に流行しており、わが国でも非常に深刻な事態となっておりました。事務局は今年の学校給食甲子園は中止をせねばならないと、開催を諦めておりました。

ところが、全国の学校の栄養教諭、学校栄養職員、調理員、学校関係者といった学校給食に携わる多くの方々から「こういう時だからこそ、学校給食甲子園を開催してほしい」という意見が寄せられました。文部科学省などの行政機関からも「大会を中止せず形を変えても続けることが、学校給食と食育の正しい理解を広げることにつながる」というコメントをいただき、私たちは今年の第15回大会を開催することに決め、今日に至ったわけでございます。

このご時世ですので、おそらく昨年までに比べて応募数は大幅に減少するであろう予想しておりましたが、その予想に反し、昨年とほぼ同じ1412件の応募があり、たいへん盛大な大会となりました。このような盛大な大会ができたのも、全国の学校関係者、学校給食関係者、行政の方の支援があってのことと感謝をしております。

コロナ禍での試みとして、本日は例年のように関係者が1カ所に集るようなことはせず、メイン会場と12代表それぞれのサテライト会場とをインターネットで結び、リアルタイムでの表彰式を行いました。また、表彰式の直前には、12代表の食育授業がオンラインに公開されて、それをみんなで視聴しながら感想を述べあうということを行いました。このような、新しい形態での試みは、新型コロナウイルスという大変な試練を乗り越えるための力を得るうえで、大変な意義があったと考えております。

今回の大会が成功したのは、先ほども申し上げましたように、学校関係者だけではなく、その周辺にいる保護者、生産者、流通業者の方々の陰からの支援によるものです。また、このような事業は、やはり企業やさまざまな組織団体による協賛があって成り立っているものでございます。この場を借りてみなさまに感謝を申し上げますとともに、終始私たちの事業を温かい目で見守っていただいているメディアの方々にも、感謝の言葉を述べたいと思います。ありがとうございました。

認定NPO法人
21世紀構想研究会理事長
馬場錬成