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13th contest 2018年 第13回大会

美味しさ、見た目、チームワークも審査

〔開会挨拶〕銭谷眞美・審査委員長

 第13回の決勝大会開催にあたり、文部科学省、農林水産省、学校法人香川栄養学園をはじめとする各位にご協力をいただき、たくさんの企業・団体にご協賛をいただきましたこと、多くの関係者の皆さまに御礼申し上げます。
 この大会は、学校教育における食育の大切さ考える機会にと、2005年に食育基本法が制定されたことを契機に開催されるようになりました。子どもたちの心身の健やかな成長のために、食育の重要な役割を担う学校給食の充実を図り、多くの人にも理解を深めていただきたいと思っています。
 今回は、1,701校・施設の応募をいただき、4回の審査を経て、12チーム24人が決勝大会に進出しています。決勝戦に進んだ皆様には、心からお祝い申し上げます。
 昨日は食育授業コンテストとして各チーム5分間のプレゼンテーションを行っていただきました。子どもたちに実際に行っている食育授業を再現していただいたわけですが、どのチームも本当に素晴らしい内容でした。

 いよいよ、本日は学校給食調理コンテストです。
 審査は、これまでも栄養バランス、地場産物の活用、安全衛生面への配慮などを基本項目に行ってきましたが、本日の調理審査では、でき上がった学校給食が美味しいこと、見た目も良いこと、またチームワークも審査します。
 審査委員は16名。しっかり審査しますので、選手の皆さま、ご健闘ください。

「子どもたちの健康と成長を一番に美味しい給食を」と選手宣誓

兵庫県養父市学校給食センター

栄養教諭・井口留美さん

 昨夜のレセプションで「当たりくじ」を引いた兵庫県養父市学校給食センター栄養教諭の井口留美さんが選手を代表し、元気に選手宣誓をしました。 「宣誓。私たち選手一同は、子どもたちの健康と成長を一番に考え、安全・安心で美味しい給食を作ることを誓います」。この宣誓が行われた1時間半後に井口選手は、大優勝旗をもぎ取るという劇的なシーンを実現しました。第1回、第2回全国学校給食甲子園でも、選手宣誓した選手が優勝するというジンクスを作りましたが、まさにそれを思い出させるような感動を残してくれました。

開会式

※この様子は、YouTubeで生配信された。

日頃の成果を発揮、熱闘の1時間〔調理審査〕

  • 選手宣誓が終わると、いよいよ学校給食調理コンテストです。選手たちは、調理室に移動しました。

    調理台の上は、すでに下準備が済んでいます。組み立て式の棚を使ったり、計量済みの調味料を小さなパックに小分けし順に並べたり…。選手たちはさまざまな工夫を凝らしています。

    子どもたちからの応援メッセージを掲示しているチームもあります。

    調理の前にまずは手洗い。指先、爪の間から、ひじまでを丁寧に洗います。

    蛇口のコックは、手で握らず、ひじで操作します。給食の調理では、衛生面に大変厳しい決まり事や基準があるのです。

  • 折りたたみの棚に計測した調味料がわかりやすく配置される

  • 調理員の写真と応援メッセージ

  • 水道のコックは肘で操作
    学校給食の徹底した衛生面

  • すぐに目に付くところに
    行程表を掲示している

  • 手洗いが終わると、選手は調理台の脇にスタンバイ。スタートの合図を待ちます。会場は静まり返り、緊張がみなぎります。「調理開始」のアナウンス。1時間の真剣勝負が始まりました。審査委員の鋭い視線を浴び、報道陣のカメラに晒されながら、調理に集中します。

最初の作業は、材料の水洗い。野菜も3回洗うなど、普段の給食の調理基準に準拠しています。選手たちは、作業の内容ごとに、壁にかけてある3種類のエプロンを使い分けます。ここにも、衛生管理の徹底が見られます。

選手たちは調理をしながら、温度計で食材の温度を計測し、用紙に書き留めます。調理の温度の確認・記録も大切な作業です。工程表やタイムテーブルなども工夫をこらして作られていました。

1時間という短い時間の中で、調理だけではなく、盛り付け、洗い物、後片付けまでを完了しなくてはなりません。そのために綿密な計画を立てて、決勝大会に臨んでいます。

  • 食材の温度を専門の温度計で計測

  • チェックして記録する
    学校給食ならではの作業

  • 作業ごとの手袋交換やこまめな消毒

  • いつもの調理とは勝手の違う
    小さな鍋での調理

  • 窓の外からの熱い応援が選手に力を送る

  • 細部にわたりチェックしていく審査

  • 残り時間30分。揚げものや、炒めものなどの、おいしそうな匂いが会場に立ち込めてきました。調理の熱だけでなく、選手や報道陣の熱気も加わり、暑さを感じるほどになっています。

    残り時間20分になると、早くも盛り付けを開始するチームが出てきました。炊きたてのごはんや、色とりどりの副菜が皿の上に姿を現しました。調理器具の片付け、調理台の清掃も進みます。

  • 盛りつけに入る選手

  • 洗い物も時間内に完了させなければならない

  • オーブンで焼き上がったやまめ

  • 大人顔負けの厳しい視線の「こども審査員」

  • 残り時間15分。この時間帯になると、チームの進行に差が見えてきます。

    調理員さんが「15分しかない…」と、不安な声をあげると、栄養教諭が「大丈夫!余裕だよ!」。声かけはチームワークの元。チームワークも大切な審査項目です。

    今大会でも、オーブンを使用するチームが複数ありました。小さなオーブンは、いつもと勝手が違い、予想以上に焦げ目が付きすぎてしまったり…調整に苦労するチームもありました。

  • 調理時間終了。しかし、作業が時間内に終わらなかったチームもありました。実際の学校給食では、絶対に遅れは許されないので、時間内に終了させることも審査の対象になります。

    ほとんどのチームの調理台は、洗い物も済ませ、きれいに片付いていました。手際の良い作業の裏には、何度も重ねた練習があるのでしょう。

    「終わった」「精一杯やり遂げた」。戦いきった選手たちの顔には安堵の表情がありました。

  • 終了間近
    整然と片付く調理台

  • 調理終了!