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5th contest 2010年 第5回大会

新潟県上越市立春日小学校

甲信越・北陸ブロック代表の1校目は、昨年の優勝チームにほど近い新潟県上越市立春日小学校チーム。上杉謙信の春日山城のふもとに位置する。栄養教諭、山本雅代さんと調理員、御園稲子さんのペアが「昨日、昨年優勝した宮沢先生からプレゼントを頂いた」と、取り出したのは謙信にもゆかりの武将直江兼続のシンボルである「愛」の紙製兜。これを被っての意表を突く決意表明となった。

「明日の一番のお薦めはお米です。子どもたちも上越産コシヒカリ100%のごはんを食べている。これがごちそうだと言うことは大人になってから気付くのだと思っている」。「この下に高田あり」の看板が作られたように上越は昔から豪雪地帯。そのため切り干し大根、ずいき、青大豆といった保存食の文化がはぐくまれた。

「あしたはこの3品を使って雪国の知恵を伝えたい」と意気込みを語った。小学校では謙信の心意気を学んでおり、「給食でもそれを伝えたい」と、謙信も飲んだあつめ汁も並ぶ。「子どもたちにもっと上越を好きになってもらいたい」との願いを込めた献立で勝負だ。

「愛」の紙製兜を被って決意表明

富山県砺波市学校給食センター

同ブロック代表の2チーム目は富山県砺波市学校給食センターの栄養教諭、亀ケ谷昭子(かめがい・あきこ)さんと調理員、山田久美子さん。地場産品を取り入れた給食への取り組みとして、19日の食育の日に「砺波市たっぷり献立」という給食を作っている。

また子どもたちが特派員となって生産者を訪問する「子ども特派員報告」活動も実施。収穫体験や生産者の熱い思いをビデオに撮り、市内全部の小中学校に配布する。今年度は干しなす作りを取材した。雪が深かった砺波市では夏にたくさん取れるなすを冬まで持たせるために干しなす作りを考えた。「子どもたちはビデオを見て、昔の人はすごかった。私も干しなすを作ってみたい」と砺波の素晴らしさを再認識したと言う。

「明日は先人たちの知恵と技を伝える干しなすなどの地場産品と富山湾の宝石と言われる白エビを使った献立を精一杯作りたい」と結んだ。

先人の知恵と富山湾の白エビで勝負

愛知県幸田(こうた)町学校給食センター

中部・近畿ブロック代表の愛知県幸田(こうた)町学校給食センターの栄養教諭、伊藤恵美さんと調理員、鳥居かおるさんのチームは、町の特産物のなすの写真を見せながら、「子どもたちは社会科や総合学習でなすを教材として学習している。収穫したなすは給食センターに届けられ、7月と9月に夏給食として子どもたちが作ったなすを給食に出している。なすは子どものあまり好きではない食材だが、このときは好評で人気メニューになっている」と、嫌いな食材も喜んで食べる実例を紹介した。

明日の献立は、家庭と学校と学校給食が連携したものだ。「町ではふるさとの自慢料理を家庭から募集している。この応募から2品を取り上げた。中学生からの「さっぱりなすじゃこごはん」と小学生のおばあちゃんが応募した「なすのベーコン巻きフライ」だ。また家庭科で教えている味噌汁は煮干しを出汁に使っているが、「給食ではこの煮干しを食材にした」と言う。

最後に「食材はどこにでもあるものばかりだが、この食材で野菜たっぷり、食物繊維たっぷりの献立を作る」と給食に掛ける熱意を示した。

「ふるさと自慢料理」の応募2品を献立に

岐阜県郡上市白鳥(しろとり)学校給食センター

2チーム目の同ブロック代表は、の栄養教諭、白瀧(しらたき)芳美さんと調理員、見付(みつけ)清美さん。日本3大盆踊りの郡上踊りで登壇した2人は、「地域の食材や郷土食を知ることは自分たちが育った自然や文化を知ることになる。自然に恵まれていることや多くの先人の知恵があることに気付くことは、郡上はいいところだなあと思う気持ちや感謝の心をはぐくむことに繋がると考えている」と切り出した。

そこで今回の献立には、清流長良川の鮎とアマゴに特産品である「梅とろり」でたれを作って絡めた。「子どもたちにも食べやすいと大好評」だと言う。また、ずんだみそ汁は、大豆をすりつぶした味噌汁で、まろやかで香ばしく、味付けは各家庭で異なる。このいわれを伝える昔話を紹介し、地元で古くから伝わる郷土食であることを強調した。

出場に当たり、子どもたちからたくさんの応援メッセージが届けられた。これを見せながら、「明日は子どもたちの笑顔を胸に精一杯美味しい料理を作りたい」と力強く意気込みを表明した。

日本3大盆踊り、郡上踊りで登壇