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5th contest 2010年 第5回大会

12チームが地元の期待を担って決意表明

青森県黒石市立六郷小学校

前夜祭では各チームが自己紹介を兼ねたふるさとPRと明日への決意を述べる。3分の持ち時間を使い、ビジュアルにも工夫したアイディア満載のプレゼンテーションが繰り広げられた。

1番手は北海道・東北ブロック代表・青森県黒石市立六郷小学校チームの学校栄養職員、宇野由香子さんと調理員、木立清子さん。B1グルメで知られるようになった黒石つゆ焼きそばのほかにも、りんごやこけし、地酒など有名な特産があるとPR。そして津軽美人を代表して宇野さんが献立を説明した。

全国生産量が1位のりんごをはじめごぼう、真っ白ななめこの初雪たけなど地元の食材にこだわり、感謝の気持ちを持ってもらうよう指導し、給食を通して食の大切さへの理解を深めていることを訴えた。

最後に”フランス語”に似ているという津軽弁で「緊張で足ががくがくしていますが、明日は全力で頑張るぞー」と決意を表明、会場は笑いの渦に包まれた。

津軽弁で決意表明

福島県鮫川(さめがわ)村学校給食センター

続いての同じブロック代表の福島県鮫川(さめがわ)村学校給食センターチームは2年連続の決勝進出となった。昨年と同じ3年目の学校栄養職員、芳賀公美さんと来年定年を迎える調理員、岡崎かつ子さんの”親子ペア”の挑戦だ。

給食での地場産品の使用率は県内トップ。村を挙げて地産地消に取り組んでいるが、子どもたちは特産の大豆やえごまが苦手だと分かった。そこで食べてもらうため、食感や味に工夫し、見た目やネーミングにもこだわったのが今回の献立だ。「昨年は素材そのものの味を味わってもらったが、今年は子どもたちの実態に合わせて食べ慣れてもらう献立にした」と、工夫の成果を強調した。

「明日は自分との闘い。私を成長させてくれた岡崎さんとの最後の大舞台になる。力を合わせて最後まで一生懸命頑張りたい」と、芳賀さんは自分に言い聞かせるように言い切った。岡崎さんも「孫にいい報告ができれば」と控えめながら闘志を見せた。

2年連続の”親子ペア”出場

東京都檜原(ひのはら)村学校給食共同調理場

関東ブロック代表、東京都檜原(ひのはら)村学校給食共同調理場の学校栄養職員、菅野幸(かんの・みゆき)さんと調理員、古川みゆきさんのペアが次に登壇した。東京は世界の大都市でありながら、農林水産業の第1次産業が健在で、檜原村はいも類やきのこ類が取れる。小松菜やトマトなども取れ、畜産では東京Xというブランド豚や乳牛も飼育されている。島しょ地域ではトビウオやムロアジが有名。

食育の中で給食が教材として利用できるように、毎日の献立を工夫していることを紹介。4年生の環境学習では、給食で出た食べ残しを堆肥化し農園に利用、そこで作物を作っており、その結果食べ残しも減ってきた。明日使う白菜も子どもたちが丹精込めて作ったものなので、大切に調理したい、と説明した。「明日はダブルみゆきで頑張ります」と、大都市での学校給食作りの意気込みを見せた。

“ダブルみゆき”でみやこの地場産献立

栃木県宇都宮市立豊郷(とよさと)中央小学校

関東ブロック2チーム目の栃木県宇都宮市立豊郷(とよさと)中央小学校の学校栄養職員、坂本治己(はるみ)さんと調理員、岡田裕夫(やすお)さんチームは、いきなり絵本を使った読み聞かせで給食紹介を始めた。

「給食には毎日のように地元の食材が入っています。野菜などを入れてくれる納入会のリーダーはかなりお茶目です」と、生産者の写真入りで地元産品が届けられる仕組みを説明。「30人ほどの生産者が給食を支えてくれている」と言う。

学校で行っている米作りも紹介。「5年生は古代米作りを勉強する。田起こしから種まき、収穫までを手作業でやり、給食室に持ってきてくれる」と説明した。学校園では子どもが嫌いな野菜をわざと作っている。すると苦手な野菜も喜んで食べてくれると、工夫の成果を強調した。

自慢の米粉もアピール。何でも米粉を使っており、決勝の献立にも使われている。「明日のメニューは肉や魚、たまごを使わず野菜の多い、よく噛む献立になっている」と、あごが弱くなっている子どもたちを意識した献立で挑戦する。

絵本で給食を紹介