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11th contest 2015年 第10回大会

群馬県 みなかみ町月夜野学校給食センター

「みなかみ町は、農政課、ブランド推進課、教育委員会などと連携して、地産地消を進めてきました。
10月には『まるごとみなかみいただきます』という日を設け、みなかみ町産100%の給食を提供することができました。
そのおかげで、生産者の方達との繋がりもでき、まわりの方々の意識も高くなっています。
子どもたちに地場産を知らせるだけでなく、自分の生まれ育ったところをすばらしいと感じてほしくて作った献立です。

当町は、自然と水がすばらしいところで、果物も多く採れます。
しかし、冬は雪も多く、果物や野菜が採れないこともあります。
そこで、ブルーベリー、トマトを冷凍して、冬に使用できるようにしています。
ブルーベリーは、毎年ちょっとずつ味が違います。
その味を活かせるように、砂糖の量を調整して、ジャムを作っています。

アップルジンジャーソースには、りんごを使います。
りんごと、りんごを加工したジャム、それにしょうがを加えて、中学生でも食べられるようなパンチの効いたソースを作りたいと思います。
また、冷凍したトマトと、かつおだしを使い、ミネストローネスープを作ります。
かつおだしを使うことで減塩ができ、野菜の苦手な子どもでも食べられるスープにしました。

調理員の山岸さんとふたりで、いつもどおり子どもたちがおいしいと言ってくれる給食を作りたいと思います」

栄養教諭 本間ナヲミさん
調理員 山岸丈美さん

東京都  足立区立第十一中学校

「持ってきましたメッセージは、昨日、650名の生徒が私とチーフ(見米さん)に向けて書いてくれたものです。
全国学校給食甲子園第10回大会の大舞台に立たせていただきましたことをお礼申し上げます。

東京は大都会と思わがちですが、都心を離れると所狭しと野菜が生産され、酪農も存在しています。
今回、東京各地を自分の足で巡り、生産者の方たちの、多くのご苦労、いっぱいの幸せと、充実を目の当たりにしてきました。
給食を通じて、『いただきます』と『ありがとう』を生徒に伝え、給食に関わる人のたくさんの笑顔と郷土への愛へ繋ぎたいと感じました。

『東京牛乳』。命ある限り無駄なものはなにもないことを教えてくださった、清瀬市増田牧場のご家族。
めだい。魚の加工と配送を受けてくださる八丈島漁業共同組合のお母さんたち。
『こまつ菜パン』。米飯が推奨される中、変わらぬおいしさで生産を続けてくれるサンワパン。
『こまつ菜パン』は6年の歳月をかけ開発された、足立区学校給食オリジナルの自慢のパンです。
足立区の野菜。小松菜やつまものの生産が盛んです。
デザートに使用したむらめは、価格と調理の面で給食には難しいとされていましたが、シロップにすることで給食にも提供することができました。

足立区は、全校自校方式で多くの方の愛と優しさと思いやりに包まれて提供されています」

学校栄養士 井上祐子さん
調理員 見米佳子さん

山形県 長井市学校給食共同調理場

「市内全ての小中学校に提供している、2,400食の中規模センターです。
長井市では『レインボープラン』を実施しています。
これは、台所と農業を繋ぐ地域資源循環型の事業です。
家庭の生ごみで、たい肥作りをします。
このたい肥で農家が農作物を作り、その作物が家庭や給食で消費されるというものです。
このような安全で安心な食材を取り入れながら地産地消を進めています。

今回の献立は、市の食材、食文化を取り入れ、だしをしっかり取って本物の味を体感できるようにしました。
中でも、『旨sioいも煮』は昔からの馬肉を食べる文化を継承しようと考案された長井市生まれの鍋料理です。
ちなみに市内のラーメン店のチャーシューは馬肉です。

山形県学校給食会とコラボし、昨年度から長井産の食材を作った加工品を開発しました。
その1つがレインボーカレーです。
『レインボープラン』認証の米粉を使った米粉カレーです。
2つめは、『行者菜ぎょうさ』です。
『行者菜』とは、行者ニンニクと、ニラを掛け合わせて作った長井市オリジナルの野菜です。

バイキング給食では地域の食材を使い、全て手作りにします。
校区内の生産者をお招きしたり、中学校では調理員さんが生徒の目の前で盛りつけをしたり、調理技術の実演をしたりと、キャリア教育を意識したものとなっています。

近い将来、この子どもたちが、栄養士・調理師となって、きっとこの場に立っているでしょう」

栄養教諭 山口 薫さん
調理員 梅津 歩さん

秋田県 上小阿仁村学校給食調理場

「上小阿仁村は、秋田県の中央に位置し、96%が森林という自然豊かな村す。
人口は2,800人でその内半分は高齢者という、日本一の高齢化が進む村です。
そのため、子どもたちは村の宝とされ、大事に育てられています。
日本三大美林である天然秋田杉が生い茂り、巨大な杉や、可憐な高山植物があります。
多くの伝統的な行事は、この村をより一層、幻想的な風景に見せてくれます。

村の特産物には、米なす、ズッキーニ、比内地鶏、食用ほおずきがあり、明日の献立でも食用ほおずきを使用します。
山菜も豊富で、夏には『みず』という山菜が採れ、シャキシャキした食感とくせのない味は子どもたちも大好きです。
明日は、ナムルに、塩漬け保存したものを用います。

特におすすめしたいのは、食用ほおずきです。
観賞用とは違います。
熟すと実はオレンジ色になり、甘酸っぱく、ほんの少し苦みがあります。 村の食用ほおずきは『恋泥棒』という名前で商品化されています。
栄養価も高くもビタミンA、C、E、イノシトール、鉄分が豊富で、生活習慣病予防や美肌効果があります。
加工品もたくさんあります。
明日の献立ではほおずき本来の味を感じてほしいので、砂糖は使わずに加熱します。
上小阿仁村が、ぎゅっと詰まった献立なので、明日はいつもの味が出せるようにかんばりたいと思います」

栄養教諭 細田智子さん
調理員 村田淳子さん