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8th contest 2013年 第8回大会

開会挨拶、選手宣誓 「学校給食についての理解を…そこから始まった本大会」

12月8日、東京の空は晴れて気持ちの良い朝を迎えた。

1〜4次の、通算4つもの審査に勝ち進んできた12校(センター含む、以下省略)の選手たちが、いよいよ決勝大会に臨む。

緊張した表情の選手たちが開会式会場に並び揃った。

銭谷 眞美 東京国立博物館長

「応募総数2,266校から選出され、みなさま方は晴れてこの場に立ったわけです。
本日は、これから、実際に提供されている献立に添って調理をすることになりますが、緊張せずにいつも通りのチームワークで、リラックスして臨んでください。
全国学校給食甲子園は、日本が誇るべき学校給食について、もっと多くの方にご理解いただきたい、質の向上を計りたいということで始められました。
栄養バランス、調理技術、衛生管理、地場産物の活用の更なる向上、そしておいしく子どもたちに楽しんでもらう給食作りをしていただきたい、そのような思いでスタートしました。

本日は外は寒いですが、会場内は熱い一日になるかと思います」

銭谷眞美 実行委員長の開会挨拶

昨日の前夜祭で抽選で選ばれた、長崎県代表・平戸市立中南部学校給食共同調理場の栄養教諭、石田美穂さんが選手宣誓の大役を務めた。

「私たちは郷土の食材を活かした、安心で安全な学校給食を調理する基本の精神に則り、子どもたちが幸せになるような学校給食を作るため全力を尽くすことを誓います」

選手宣誓

いよいよ1時間の調理作業が始まる

開会式を終えた選手たちは、調理室に入り、手洗い検査を受ける。
2分間の手洗い後、手に残る細菌類の測定をする。

給食調理においては、水道のコックは手のひらではなく、肘で操作する。
見事に全ての選手が難なく通過。
常日ごろからな手洗いで調理に臨む姿勢が伺えた。

手洗い検査

各選手は、それぞれの調理台に立ち、緊張が高まっていく。
そして「開始」のアナウンスが流れ、熱い一時間が始まった。

今年は、ますます報道関係者の数が増え、選手たちは多くのカメラの視線に晒されることとなった。
しかし、審査委員の厳しい視線が何よりのプレッシャーかもしれない。

調理台は事前にセッティングされ、動線を考え整理されている。
このあたりに、事前にどれだけ練習を重ねて考えてきたかが伺える。
小さな棚を使ったり、ラベルをつけた入れ物や道具など、それぞれの工夫が見られる。
壁には工程表が張られ、綿密な計画が書き込まれていた。

普段は多くの食数を提供している選手たちにとって、
6食のみの調理は勝手が違うのだが、てきぱきと進んで行く。
あらかじめ分担された作業、そして声をかけ合う選手たち。
このチームワークも見所の一つ。
決勝大会はこの1時間だけのものではない。
今までの練習の成果が細かいところにも生きてくる。
選手たちはどれだけの時間をかけてここまでたどり着いたのだろうか。

壁には工程表や動線図が

カラフルなエプロンは、用途別の色分け。
日本の給食の徹底した衛生管理がわかる。

選手たちは、こまめに殺菌消毒したり、手袋を変えたりするが、これも特に意識しているのではなく、すでに身にしみ込んでいるようだ。

また、食材の温度管理も大切な要素。専用の温度計で、揚げ物や、煮物などの温度を計測し、記録していく。

子どもの食の安全のために、日本の給食は徹底しているのだとわかる。

調理時間は進んで行く。
30分を切ったあたりから、各校の時間配分に差が出始めた。
遅れが出てくる学校には、焦りも見え始める。

調理作業が進行していくと、道具類の洗い物がたまったり、
調理台が雑然とするということはよくあることかと思う。
が、学校給食は違う。
計算されて進めるので、時間を追うごとに調理台は整然と片付いて行く。これが正しい進行なのだそうだ。
見慣れないものにとっては、新鮮な光景だ。

時間はどんどん進み、いよいよ残り時間5分を切る。

見た目も大切な審査ポイントなので、はやる心を抑えながら丁寧に盛りつけていく。

ほとんどの学校が配膳まで完了した。

そして「終了!」のアナウンス。

残念ながら、時間内に調理を終えられない学校もあった。

しかし「給食を待っている子どもたちのために」と終了後に、配膳を続けた。

悔しい思いも強いと思うが、これが日本の頂点に位置する決勝大会の厳しさだろう。

緊張の一時間が終了して、選手たちはやっと肩の荷を降ろした。

調理台には、真心のこもった6食の給食が整然と並んでいた。

※この決勝の様子は、インターネットUstreamで生配信された。