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7th contest 2012年 第7回大会

審査 難しく悩ましい審査

調理後、作られた給食を審査用の別室に並べ、審査が始まった。

まず、見た目審査から始まる。料理のバランス、彩り、盛りつけなどがチェックされていく。
続いて、試食審査となる。審査員はしっかりと味わいながら、手元のチェックシートに採点を書き込んでいく。

「地域の食材を取り入れることは重要だが、ただ取り入れるだけでなく、調理法や活かし方に非常に工夫が凝らされている。年々レベルが上がり、どの給食もすばらしく、採点が難しい」

「見た目も非常にきれいにできている。彩りがよく、食材のバランスが整えられている。
どれも良くできていて、なかなか差がつかない。とても難しい審査だ。
また、ごはんは、いろいろな工夫を施されている。白米だけではなく、混ぜご飯や玄米を使用したものなど年々増えている」

審査員は僅差の判断を迫られているようだった。

閉会式

今年の全国学校給食甲子園もいよいよ閉会式を迎えた。入場した選手達は、結果発表を控えて緊張した表情を見せる。

決勝大会進出の12校は、入賞の表彰状とスポンサーから提供された副賞、記念品を授与された。

続いて、特別賞、準優勝、優勝の発表となった。緊張の瞬間である。

女子栄養大学特別賞 岩手県 岩手大学教育学部附属特別支援学校

女子栄養大学特別賞は、北海道・東北ブロック代表、岩手県 岩手大学教育学部附属特別支援学校となった。

学校栄養職員の斉藤洋子さん、調理員の目黒沙織さんは、香川芳子・女子栄養大学学長から表彰を受けた。

●献立
岩手の黒豆ごはん、牛乳、岩手の鮭立田きのこソースかけ、シャキシャキヤーコンとすき昆布炒め煮、みそ豆腐ひっつみ、東安庭りんご

岩手県 岩手大学教育学部附属
特別支援学校
斉藤洋子さん(手前右)、目黒沙織さん

特定非営利活動法人21世紀構想研究会特別賞 栃木県 宇都宮市立田原中学校

特定非営利活動法人21世紀構想研究会特別賞は、関東ブロック代表、栃木県 宇都宮市立田原中学校となった。

学校栄養職員の塚原治子さん、調理員の木村雅恵さんは、馬場錬成・21世紀構想研究会理事長から表彰状を受けた。

●献立
田原元気もりもりごはん、牛乳、ヤシオマスのしもつかれーゼ、ネギニラとモヤシのごま炒め、とちまろ呉汁、とちおとめゼリー

栃木県 宇都宮市立田原中学校
塚原治子さん(右)、木村雅恵さん

準優勝(サラヤ賞) 和歌山県 和歌山市立名草小学校

残すところ、準優勝と優勝の発表を残すのみとなった。

準優勝は、中部・近畿ブロック代表、和歌山県 和歌山市立名草小学校となった。

同校は、昨年の優勝校である。今年も難関を突破して決勝大会まで進んできた。残念ながら史上初の連覇とはならなかったが、激戦の中、見事に準優勝という結果を出した。

学校栄養職員の土井登世さんは「一生懸命やってきました。(ここにいる出場者の)みなさんが一緒に賞をもらえたらいいのに…と思います」と声を詰まらせた。

調理員の山中恭子さんは「1年間一生懸命がんばってきました。これからも子ども達を笑顔にするために、安全安心の学校給食を作っていきたいと思います」と涙ぐんだ。

●献立
ごはん、牛乳、郷土の煮物、ぬた、ちりめんにんじんふりかけ、ハリハリ汁、冬瓜の梅ゼリー

和歌山県 和歌山市立名草小学校
土井登世さん(右)、山中恭子さん

優勝(味の素KK だし・うま味賞) 愛知県 西尾市立西尾中学校

いよいよ優勝校の発表となった。静まりかえった会場に名を響かせたのは中部・近畿ブロック代表、愛知県 西尾市立西尾中学校であった。大きな拍手の中、選手は少し戸惑いながら登壇する。

学校栄養職員の冨田直美さんは「嘘のような感じです。手洗い検査でなかなかパスすることができずにもう諦めていました。でも愛知県の食材を知らせようと思い、1時間以内に調理を終わらせることが出来ました。他のみなさんの作品も心のこもった地場産物の給食でした。その代表として受賞できてとてもうれしいです。これからも西尾の子ども達を食育で鍛えていきたいと思います」と涙をこらえながら語った。

調理員の三浦康子さんは「調理中は失敗したりして、賞がいただけるとは思いませんでした。ありがとうございました」と涙をぬぐった。

●献立
てん茶しらす飯、牛乳、地元野菜の照り焼きつくね、レンコンサラダ、人参ニギス団子のすまし汁、西尾抹茶大福

愛知県 西尾市立西尾中学校
冨田直美さん(左)、三浦康子さん