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第7回全国学校給食甲子園決勝大会
11月3日 北海道・東北 / 関東 / 甲信越・北陸ブロック地区代表表彰式
11月3日 北海道・東北 / 関東 / 甲信越・北陸ブロック地区代表表彰式
〜北海道・東北、関東、甲信越・北陸の3ブロック6校が決定〜
7回目を迎えた今年は、過去最高の2,271校(センター含む)の応募があり、激戦となった。非常にレベルも高くなっている。
この難関を勝ち抜いた東日本の北海道・東北、関東、甲信越・北陸の3ブロックの第2次審査結果、第3次審査結果、決勝進出校(センター含む)が決定した。
■ 決勝進出校・施設
北海道・東北
岩手県 岩手大学教育学部附属特別支援学校 (学校栄養職員 斉藤洋子さん)
福島県 鮫川村学校給食センター (学校栄養職員 芳賀公美さん)
関東
埼玉県 所沢市立第1学校給食センター (栄養教諭 小林洋介さん)
栃木県 宇都宮市立田原中学校 (学校栄養職員 塚原治子さん)
甲信越・北陸
長野県 長和町立長門小学校 (学校栄養職員 長岡千鶴子さん)
新潟県 上越市立名立中学校 (栄養教諭 瀬川あきはさん)
決勝大会進出を決めた代表6人ゼッケンを着用して決意を固める
写真右から
斉藤洋子さん (岩手県岩手大学教育学部附属特別支援学校)
芳賀公美さん(福島県鮫川村学校給食センター)
小林洋介さん (埼玉県所沢市立第1学校給食センター)
塚原治子さん(栃木県宇都宮市立田原中学校)
太田守さん(長野県長和町立長門小学校)
※長岡千鶴子さんの代理出席
瀬川あきはさん(新潟県上越市立名立中学校)
決勝大会に進む12校は、審査委員が第1次、第2次、第3次の書類選考を行い、この日北海道・東北、関東、甲信越・北陸3ブロックの6校が、浦和ロイヤルパインズホテルにて発表された。
10月27日に発表された中部・近畿、中国・四国、九州・沖縄の6代表とともに決勝大会に出場する。
決勝は12月1日、2日の両日、東京都豊島区の女子栄養大学駒込キャンパスで開催される。
■ 実行委員挨拶 全国学校給食甲子園®実行副委員長 馬場錬成
「今回の応募総数は2,271校(センター含む)で、過去最高でした。
日本の学校給食は世界一の水準です。国内全て均一レベルの、調理体制・献立作り・プロの栄養士と調理員の存在があります。このような給食の充実に、国ぐるみで取り組むのは世界でも日本だけです。
先日ドイツで発表されたコラムでは『ドイツでは、日本レベルの給食の実践は難しいが、参考にできるものからドイツ国内でも実現していこう』と言っていました。
ある在仏日本人のお子さんは、日本とフランスの給食を食べ比べて、『日本の方が1000倍もおいしい!』と言っていたそうです。味、衛生管理、栄養素、全ての面で日本の給食は優れています。
そのような日本の給食の現状の中で、競い合うのは大変な意味があります。
しかし、全国学校給食甲子園は単なるコンテストではありません。
給食の重要性を日本の多くの方に知ってもらう良き機会なのです。文科省が推進する食育推進運動の一環ともなります。地場産物を取り入れるために、地域と学校とがコミュニケーションを取っているという実態を知ってもらう機会でもあります。
みなさんは、日常的に、このような価値のあるお仕事をしているのです。」
参考:『ドイツは日本の学校給食から学べるか』(著者:フォルカー・パイネルト氏)
開会挨拶
全国学校給食甲子園®実行副委員長
馬場錬成氏
■ 第1次審査結果 都道府県代表校(含むセンター)
47都道府県代表の47校(含むセンター)の予定であったが、応募数が多く、且つ、献立のレベルの高かった都道府県は2〜3校(含むセンター)を選出することとなった。
複数選ばれたのは、次の都道府県。茨城、新潟、岐阜、広島、香川、愛媛、長崎、宮崎、鹿児島。
58校(含むセンター)が第1次審査通過となった。
■ 第2次審査結果表彰式
東日本3ブロック各4校、計12校(含むセンター)が発表され、表彰状が授与された。
表彰状を受け取る
青森県立弘前第一養護学校
夏井祐美子さん
■ 第3次審査結果 決勝進出校(含むセンター)発表
いよいよ、決勝進出校(含むセンター)の発表となった。各ブロック2校、計6校(含むセンター)が決定した。
北海道・東北
岩手県 岩手大学教育学部附属特別支援学校 (学校栄養職員 斉藤洋子さん)
福島県 鮫川村学校給食センター (学校栄養職員 芳賀公美さん)
関東
埼玉県 所沢市立第1学校給食センター (栄養教諭 小林洋介さん)
栃木県 宇都宮市立田原中学校 (学校栄養職員 塚原治子さん)
甲信越・北陸
長野県 長和町立長門小学校 (学校栄養職員 長岡千鶴子さん)
新潟県 上越市立名立中学校 (栄養教諭 瀬川あきはさん)
決勝大会で使用するゼッケンを受け取る
所沢市立第1学校給食センター
小林洋介さん
選手達は、決勝大会で着用するゼッケンを授与され、決勝への決意を熱く語った。
岩手県 岩手大学教育学部附属特別支援学校 斉藤洋子さん
「とてもびっくりしています。学校に報告して、みなさんと喜びを分かち合い、決勝大会をがんばりたいと思います」
岩手県は、4回目の決勝大会出場となった。
福島県 鮫川村学校給食センター 芳賀公美さん
「今回のメニューは、子どもが考えたレシピも入っています。その生徒のためにもがんばりたいと思います」
芳賀公美さんは、今回で決勝大会出場が3回目。最多回数出場者となった。
埼玉県 所沢市立第1学校給食センター 小林洋介さん
「今まで3回、埼玉県代表となりました。しかし埼玉県代表止まり。やっと念願の決勝大会出場が叶いました。9500食数規模のセンターなので派手なメニューはできなかったのですが、決勝大会に向けて準備を積みます」
男性栄養士の決勝大会出場は初となる。
栃木県 宇都宮市立田原中学校 塚原治子さん
「ホームページで過去の作品を見たら、どれもすばらしいものばかりなので、まさか自分がこの場に立てるとは思っていませんでした。決勝大会では栃木の食を全国に発進できたらと思います」
栃木県は、2回目の決勝大会出場となった。
長野県 長和町立長門小学校 長岡千鶴子さん 代理:太田 守 校長
「本校は山間地で、児童の家族が作った食材を使い、『人が見える』給食となっています。調理員の先生もみんな地域の方々です。栄養職員達に決勝進出を伝え、決勝大会では最高の給食を作ってもらいます」
長野県は、第1回大会の優勝を果たしている。
新潟県 上越市立名立中学校 瀬川あきはさん
「上越市名立地区の地産地消を考えてメニューを作りました。名立地区の地域のみなさん、教職員のみなさんに感謝します」
新潟県は3回の決勝進出で、全て上越市の学校(含むセンター)となっている。
決勝大会への意気込みを語る
福島県鮫川村学校給食センター
芳賀公美さん
■ 過去決勝大会出場校講演
第6回全国学校給食甲子園® 関東ブロック代表
沼田市沼田給食センター
渡邊愛美さん(出場時:沼田市白沢調理場)
「全国給食甲子園への出場は、毎年、利根沼田学校栄養士会、全員で行っています。この会は、群馬県利根郡と沼田市の学校栄養士10名で構成されています。給食内容の充実、個人の資質向上、地場産物活用献立取り入れを目標に、1名1献立を作り応募します。
夏休みを使って、試作を繰り返し、味、分量をチェックして、きれいに写真撮影もします。応募用紙の文言も全員で検討しまし、地域の栄養士全員で、地域の献立作りに励みました。
私が作った献立は、大根葉ごはん、牛乳、彩り揚げ、塩こんぶづけ、だいこんのみそ汁、焼きりんごでした。地域の特産物、だいこんの葉も無駄なく使います。りんごも沼田市の特産物です」
☆難しい制限時間内完成…練習と検討の取り返し
「決勝大会の練習は、利根沼田学校栄養士会全員の協力の下、計9回行いました。
最初の試作では、制限時間1時間のところ、なんと2時間もかかってしまいました。全員で愕然となってしまいました。
そこで、まず工程表の見直しを始めました。時間を把握しやすいように、時計型工程表にして、2人の作業を色分けしました。
練習、見直しを何度も何度も重ね、1時間半、1時間15分と時間を短縮できるようになってきました。
機具の選定も検討し、揚げ物用ペーパーを工夫したりと、改善を重ねました。
使用する器も当初70枚。精査して枚数を減らし、洗い物時間短縮しました。
効率的・衛生的な調理台の使い方も何度も検討してきました。
ところが、どうしても1時間で仕上げることが出来ず、プレッシャーを感じる日々でした。
しかし、みんなの思いを無駄にしないという強い決意を持ち、練習と検討を続け、最後の練習では1時間で完成させることが出来ました。
これで、自信を持って本番に臨めました。
そして、決勝大会では、1時間内に作品を仕上げることができました」
☆『プロとはどんな状況でも最高のものを作る』
「閉会式での『プロとはどんな状況でも最高のものを作る』という言葉が印象に残っています。
実は、私達は本番で焼きリンゴを焦がしてしまったのです。機具が替わったからといって、これはいけません。私達は、栄養のプロ、給食のプロなのですから」
☆地域に、教職員に、児童に影響をもたらした大会参加
「大会後、道の駅・白沢では、応募献立を『給食弁当』として販売したいとの申し出があり実現しました。
地域の人達に給食に触れてもらえる大変良い機会です。
調理員にも大きな変化がありました。自分達の作る給食に以前より誇りを持ったようです。
先生達も給食に関心を持ち、今まで知らなかった厳しい衛生管理に驚くこともありました。給食時に子ども達に『感謝しておいしい給食を食べよう』という声がけもしてくれて、子ども達の食べる意欲が目に見えて高まる結果となりました。食の細かった生徒が多かったのですが、完食するクラスも増えてきています。
焼きりんごを作ってみたいという児童の声が出て、レシピを掲示配布したところ、家庭で作っている児童もいるそうです。
これも、厳しい指導、力強いサポートを続けて下さった栄養士の先生方のおかげです。
そして先生方、地域の方々の影の支えが大きいです。
これからも、子ども達が元気に健康に育って欲しいという思いを抱え、励んでいきたいと思います」
第6回大会で決勝出場を果たした
沼田市沼田給食センター
渡邉愛美さんの講演
■ 閉会あいさつ 全国学校給食甲子園®実行委員 殿塚婦美子
「さきほどの渡邊先生の講演に大変感動しました。実行委員の一人として非常にうれしく、感激しております。
決勝大会当日は緊張することと思いますが、日頃の実力と練習の成果を発揮していただきたいと思います。
給食とは、子ども達にとって、生きた食育の教材です。それができているのは、みなさんの努力の賜です。
学校給食は、設備、調理員人数など、いろいろな制約があります。その中で、よくこれほどの献立ができたな と感心しております。とてもレベルが高い献立でした。
決勝大会出場校(含むセンター)の審査は、大変苦労しました。その差は僅差ですので、決勝大会に出場できなかった方も、来年に向けてがんばっていただきたいと思います。
決勝大会出場のみなさんは、1時間という限られた時間の中でも練習の積み重ねで実力を出せるという渡邊先生のお話しを参考に、自信を持って優勝を目指してください。
みなさんのご健闘と、全国学校給食甲子園の益々の発展を願って閉会の挨拶とさせていだたきます」
閉会挨拶
全国学校給食甲子園®実行委員
殿塚婦美子氏
表彰式参加校のみなさんで記念撮影