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16th contest第16回大会について

第四次審査講評

第16回全国学校給食甲子園の全国6ブロック12代表が決定しました。

選定された12代表一覧はこちらにあります

北海道・東北ブロック
都道府県 施設名 講評

青森県

おいらせ町立学校給食センター

日本の平均寿命を下回っており、塩分過多になりすぎだと指摘されている。これを改善するための学校給食献立を考えたり、青魚をこどもたちに食べさせる工夫、減塩・野菜たっぷりの食事感覚を覚えてもらう献立を作成している。給食センターが主催するレシピコンテストで児童が考えたレシピを活用するなど地元食材をアピールした献立の工夫がみられる。野菜の使用量も多く、青魚を食べやすくするように工夫したソースを使っている。

岩手県

奥州市立胆沢学校給食センター

姉妹都市の静岡県掛川市から送られてきた茶葉を使用した郷土料理「はっと」を作成。姉妹都市との食材交流を通じて相手都市の産物を取り入れた発想で郷土料理に活用している。児童対象に地場産物と郷土料理および食材などに関するアンケート調査をおこない、岩手県で採れる農水産物や伝統料理、郷土料理を知らない児童が3割前後いることがわかり給食に積極的に取り入れる方針をだしている。郷土料理伝統食を知っている児童は21%しかいないことにショックを受けている。

関東ブロック
都道府県 施設名 講評

茨城県

ひたちなか市立美乃浜学園

主食・主菜・副菜・汁物の組み合わせが彩りよく整っており、食育を行う上で効果的な献立。サツマイモを育てる、作る、味わうことから体験的に食育を学んでおり、漁港訪問は魚が苦手な子どもも魚料理に親しむことが出来るきっかけとなっている。食材の種類も多く、地元の食材の使用割合が非常に高く、献立内容が充実している。体験などとの関連では、児童が考案したアイディア料理による混ぜごはんを採用。茨城産の特産物である干し芋を「育てる→つくる→味わう」というストーリーで学ばせている。

埼玉県

草加市立高砂小学校

食育への意欲的な取り組みが積極的であり、海なし県の埼玉だが、魚が苦手な児童が食べやすい調理工夫をしている。特産青ナスと普通のナスの食べ比べをするなど地場野菜の興味を深めている。児童に栽培させた枝豆ごはんなどは、献立への思い入れを児童と共有し食育へも反映させている。オリパラ出場のコロンビア選手を歓迎するためコロンビア料理に挑戦して、給食に出し食育の教材にするなど児童の興味をひく食育授業を展開している。

甲信越・北陸ブロック
都道府県 施設名 講評

新潟県

五泉市立五泉南小学校

地場産物の使用と指導に工夫がみられ、整ったバランスのよい献立である。子どもたちが学習した地域の食材や献立を給食に取り入れることで、学習が深まり、より身近な給食になるよう工夫している。授業で五泉の食文化、食材を学び、学んだ食材を実際に給食に取り入れることは、実体験として食の理解が深まる。普段の献立の中にひと工夫が感じられ、学習とのつながりを考えて献立作成がされている。地元食材の使い方も効果的である。

福井県

福井県立南越特別支援学校

おにぎり体験の指導によって児童の生活の自立にいかしている。「おにぎりメニューコンテスト」に向けて、給食で実際におにぎりを作る体験から、家庭での対話と調理へ繋がり、食育の輪の広がり展開が素晴らしい。学校給食が家庭の食事のモデルであることがわかるようにしているところがよい。おにぎりと手洗のつながりを指導に活用も良い。支援学校の児童でもできるおにぎり作りで食育授業につなげるなど、学習への意欲的な工夫がされている。

中部・近畿ブロック
都道府県 施設名 講評

静岡県

静岡県立富士特別支援学校

オーガニック週間のイベント的給食だが地産地消の楽しさがうかがえる。特別支援学校ならではの丁寧な説明が行われており、地場産物を豊かに使用した整った献立である。静岡県の特産品をふんだんに使い、豪華なメニューになっている。なかでもしらすごはんはおいしそうだ。見た目地味だが、地元の食材を効果的に使っていて、作り方も味つけも安定感がある。食育は計画的に実施し、生産者とのつながりSDGsなどの取り組みも給食を効果的に活用している。

兵庫県

芦屋市立精道中学校

市をあげて給食のブランド向上に取り組んでおり、色あざやかでバラエティー豊かな献立である。兵庫5国の歴史に触れ、知的関心を生み、食材はどの国からかなどの食育ストーリーが良い。生徒会とのコラボによる料理ウイークは5日間続く取り組みで、生徒の食への興味理解が深まる。アピール度も良く、地元とのつながりを食育に活かしている。鶏肉の部位を食べ比べできるとともに、地場産のみそやバジル、ニンニクなどによる味付け、彩が工夫されている。

中国・四国ブロック
都道府県 施設名 講評

島根県

江津市立桜江学校給食センター

地場産物のあじの焼き魚を、丸ごと箸を上手に使って、食べさせる給食指導は大切だ。焼き魚を好まず、箸も上手に使えなくなっている児童の実践教育の場にしている。地域のお宝食材として「炒り大豆ごはん」、「えごまあえ」、「桜江ごぼねっこ汁」、「桑茶豆乳くずもち」などを食育に取り入れて学習し、学年別教科別など多角的な視点で取り組んでいる。11月開催の給食集会で各学年の学習内容を全校に伝える食育指導をおこなっている。

愛媛県

西条市立玉津小学校

防災教育の視点から災害時に活かせる献立である。盛りだくさんな献立のようだが、災害時非常食をテーマにした献立で、実際における応用の仕方を発信している。非常食に関しての食育も、昼の放送、電子黒板、教室指導などきめ細やかである。地元食材を豊富に使用して効果的な使い方をしており、だしの水も記入されているし繊維質も多い。炊き込みご飯やホイル焼きなど魚の調理を工夫しながら、非常食を学べる献立としている。

九州・沖縄ブロック
都道府県 施設名 講評

佐賀県

白石町学校給食センタ-

てんぺ(大豆加工品)を使った手の込んだ混ぜごはんなど地場産物をふんだんに使っており、郷土料理の料理法を活かしている。食材の使い方が意欲的であり、使用食材の種類も多く変化に富んだ献立となっている。センター給食ではあるが、メッセージを伝えようとする意欲を感じるし、色彩豊かで食欲をそそる。食に興味を引き付ける献立シリーズ(日本の味めぐり給食)など、知的好奇心を刺激しながらの食育は素晴らしい。

長崎県

大村市中学校給食センター

大きなセンターにもかかわらず手作り感のある献立で、生徒が育てたバジルが活かされているところがよい。大量調理のスチームコンベクションを有効に活用した献立で、たくさんの地場産物を活かしてる。甲子園応募を生徒に知らせ、地産への興味と理解が深まり、そこからの生徒の献立考案、夏休み試作、生徒栽培バジルの料理など教育活動と深く関わった食育展開が素晴らしい。生徒考案メニューの提供などセンター給食の工夫がみられる。