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14th contest 第14回大会について

第四次審査講評

第14回全国学校給食甲子園®の決勝大会出場12代表が決定しました。

選定された12代表一覧はこちらにあります

北海道・東北ブロック
都道府県 施設名 講評

岩手県

奥州市立胆沢学校給食センター

学校給食を通じて命の大切さを学んでいるし、子どもたちの夢と地元愛が体験できる献立は素晴らしい。栄養のバランスをよく考えた献立の工夫がある。生産者へのフィードバックがいい。地場産物の多い地域だが、それらを利用した学校給食が当たり前になっていた。しかし大震災の教訓をもとに地場産物について改めて指導していることは意義がある。豆腐と豆乳を使った二豆流汁は、地元出身の大谷選手にあやかったネーミングでユニークだ。

秋田県

男鹿市立小中学校東部共同調理場

しょっつる、ハタハタはじめ地場産物をうまく活用した献立は、郷土食豊かで魅力的な内容である。特に食堂のある中学校では、毎日、給食委員会の生徒が献立を紹介し、栄養素や使用食材について理解を深めている。地元特産のしょっつる、みそ、しょうゆなど調味料も含めて献立作成に活かそうとする姿勢が見えて郷土料理の味が想起できる。残量チェックをし、よく食べたクラスには給食委員長から表彰状を出すなど食育にも熱心に取り組んでいる。

関東ブロック
都道府県 施設名 講評

茨城県

下妻市立下妻中学校

地場産物のレンコンと生徒が苦手の納豆の組み合わせに工夫が見られ、彩りもきれいでおいしそうだ。納豆を主菜にした料理を生徒と一緒になって考えた献立であり、アイデアが詰め込まれている。栄養素が豊富なチンゲン菜を使ってふんわり感を持った独特のスープにしている。教科と連携した食育、特に技術・家庭科との連携食育がいい。郷土の魅力ある食材を使用したレシピを作成させて発表する中学生への食育指導は、個人とグループが連携した活動で評価する。

埼玉県

草加市立西町小学校

学年ごとの食育授業がいい。枝豆について学習するなどいくつかの食材についても学習機会があり学びが深まっている。地場産物の活用が魅力的であり献立の研究がされ、食育と学校給食が関連付けられており、生産者との連携もいい。単独校の強みである教科等における食に関する指導が充実している。のらぼう菜という地元に歴史的に馴染みある野菜を農家に栽培してもらい、学校給食に活用すると同時に食育の題材として子どもたちと学習している点がいい。

甲信越・北陸ブロック
都道府県 施設名 講評

福井県

福井大学教育学部附属特別支援学校

地域と密着した学校給食であり、自分たちで収穫した食材を活用している。塩分を減らしながらもおいしそうに作られることは、食べる人にとっても大切であることが分かる献立だ。献立を積極的に開発する姿勢が感じられ、児童・生徒に寄り添っている視点が見られるし、特別支援校における学校給食を活用した食育の取り組みが見える。生産者との連携もいい。ソースが工夫されており、生徒の指導にも工夫が見られる。

長野県

長谷学校給食共同調理場

地域と連動した学校給食、食育の様子が充実している。学校給食を中心に地域の一人一人が食について積極的に関わっている様子が見えるし、街おこしと学校給食が連携しているように見える。生徒の献立、食育の観点も評価できる。学校給食が地域の農業問題を学ぶ教材となっており、総合的な学習の時間とのコラボもいい。学校と保護者、生産者が一体となった学校給食と食育活動が成熟した献立作成につながっている。

中部・近畿ブロック
都道府県 施設名 講評

兵庫県

丹波篠山市立 西部学校給食センター

伝統的な献立がいい。地域と地場産物を活かした献立が食育に結びついている。子どもたちが苦手にしている豆をうまく取り込んだ献立だ。イモを地域と連携して活性化した献立。比較的大きな調理場でありながら配慮の行き届いた学校給食を実施している。地場産物を活かした献立がいい。イノシシをバランスよく使っている。ジビエ・ボタン汁がユニークだ。地域との連携、児童のかかわり方もいい。担任との連携で行う食育授業がいい。

奈良県

宇陀市立学校給食センター

オーソドックスで食欲をそそる献立である。地域の産物を活かし、減塩に努力しながらもおいしそうに見える献立が出来上がった。食材の工夫が見られる。ハンバーグに調味料を使わず、奈良漬けで味付けしており、ゴボウ、黒豆など地場産物を使ったユニークなものだ。郷土料理に重点を置き、出汁に注目した食育の観点もいい。生産者をゲストに迎え「親子ふれあいクッキング」を開催し、地元野菜がなぜいいかを比較検討する授業は興味がある。

中国・四国ブロック
都道府県 施設名 講評

山口県

周防大島町立大島学校給食センター

主菜の「みかんのないみかん鍋」というネーミングから、地域に愛着を持ってもらい、みかん鍋を全国に知らせようという意気込みが見える。地場産物のみかんにこだわり、子どもたちに学習させる意欲が献立にも盛り込まれている。地域の行事を児童に伝える手立てとして学校給食を活用しているし、献立の工夫に研究の跡がうかがえる。食育では社会科との連携がいいし食に関する指導は、基本に忠実に実践しており実態に即した内容だ。

愛媛県

西条市立神拝小学校

郷土料理を伝承した献立であり見た目もきれいだ。献立の工夫と配慮が行き届いた学校給食である。地場産物の活用と児童の学習活動による味噌の仕様と郷土料理の伝承がよく見える。「おつり」という郷土料理は、地元の山間部で食べられてきたトウキビ粉の入ったみそ汁だという。児童が作った味噌を学校給食に使用しており、単独校の強みを生かした学習と学校給食が結びついている。家庭科との連携もいいし総合的な学習の時間も充実している。

九州・沖縄ブロック
都道府県 施設名 講評

佐賀県

小城市立牛津小学校

バランスよく地場産物を有効に活用している献立だ。保護者の試食会もいいし、ノリを個別に配り箸を正しく使って食べることを学べる献立もいい。魚を食べるときにも役立つだろう。整った献立であり、色彩的なバランスはおいしそうに見える。地場産物の使用が多く地場産物を使うことの意味を問う展開がいい。炒め物とみそ汁は具を小さくすることでかさを減らし、児童がたくさん量を食べられるように工夫している。

鹿児島県

垂水市立学校給食センター

鹿児島県は畜産、野菜などで全国一の生産量を誇る食材が豊富にあり、これを活かした食べ応えのあるおいしそうな献立である。デザートに出てくるふくれ菓子は、黒砂糖を原料にした郷土菓子であるし、主菜の豚肉と地場産物の野菜の味噌煮は、調理の工夫があり作り方もいい。食育指導では、歴史的に食材が豊富にあることや江戸時代の郷土人の体格と食生活を題材にするなど興味がある。センターと生産者ら地元との交流も積極的である。

三次審査は、二次審査を通過した54都道府県代表の中から、審査委員会で厳正に審査した結果、6ブロックの代表として24代表を選定しました。

ここまでの審査で選定された、都道府県別の決勝大会出場回数を一覧表にしたものは次の通りです。

都道府県 出場回数
鹿児島県 9
福島県 8
東京都 8
岐阜県 8
香川県 8
佐賀県 8
岩手県 6
富山県 6
長野県 6
埼玉県 5
新潟県 5
石川県 5
福井県 5
長崎県 5
北海道 4
青森県 4
秋田県 4
群馬県 4
愛知県 4
兵庫県 4
奈良県 4
愛媛県 4
沖縄県 4
茨城県 3
都道府県 出場回数
和歌山県 3
島根県 3
岡山県 3
山形県 2
栃木県 2
千葉県 2
神奈川県 2
静岡県 2
三重県 2
鳥取県 2
広島県 2
山口県 2
徳島県 2
高知県 2
山梨県 1
滋賀県 1
京都府 1
大阪府 1
熊本県 1
宮崎県 1
宮城県 0
福岡県 0
大分県 0
合計 168
応募施設別では共同調理場と単独校はほぼ同数

第14回大会に応募してきた施設別の統計を出してみました。単独校と共同調理場の割合は、単独校が48パーセント、共同調理場は52パーセントでした。これはブロック別でも都道府県別でもほぼ同じでした。

栄養教諭と学校栄養職員の比率も出し見ましたが、やや栄養教諭の方が高く出ています。

全応募 都道府県代表 ブロック代表 決勝大会
単独校 694 25 11 5
共同調理場 753 29 13 7
合計 1447 54 24 12

単独校の内訳は別表の通りです。小学校からの応募が圧倒的に多く単独校の中で69パーセントを占めました。2位の中学校からは17パーセントであり、養護・支援学校からは13パーセントでした。

全応募 都道府県代表 ブロック代表 決勝大会
単独校 小学校 478 18 8 3
中学校 113 4 2 1
小中併設校 7 1 0 0
高等学校 9 0 0 0
養護・支援学校 87 2 1 1
共同調理場 753 29 13 7
合計 1447 54 24 12
栄養教諭からの応募数がやや優勢

栄養教諭の配置が全国的に進んできていますが、まだ都道府県によって配置状況にはかなりの温度差があります。応募者の割合にはあまり意味がありませんが、参考まで掲出しました。

全応募 都道府県代表 ブロック代表 決勝大会
栄養教諭 979 40 19 9
学校栄養職員 468 14 5 3
合計 1447 54 24 12