食のこばなし

スパゲティ

NO.79

東西で生まれ世界に広がった麵文化

最近はイタリア料理のレストランがたくさん増えてきました。全国展開するチェーン店もいくつも出ています。日本人が欧米に長期出張で出かけ、洋食に飽きたら中華料理店を探し、中華がなかったらイタリア料理のレストランを探すと言われていいます。つまり西洋料理の中でも、日本人の舌になじんでいるのがイタリア料理なのです。

中でもスパゲッティは、麺類という共通点があるせいか、日本人の好物であり、子どもたちの好きなメニューの上位にランクされています。いったいこのスパゲッティは、いつごろどこで生まれたのでしょうか。

中国では大昔から、大豆粉を材料にした細い麺を食べていました。紀元前3世紀の魏の時代に生まれたとされています。やがてこの麺は西方へと伝わり、インド、アラビアを経て地中海沿岸へと広がっていったようです。

イタリアの商人であったマルコ・ポーロは、1271年から1295年まで24年間かけてアジア各地を旅行し、「東方見聞録」という旅行記をまとめました。マルコ・ポーロは、帰国するときに中国の麺を持ち帰りました。

しかしその当時、イタリアにはすでにマカロニがあったようです。マカロニは、古代ギリシャ人が作っていた小麦粉をスープでこねた、「マカリア」から派生したものと言われています。

パスタ・マカロニ・スパゲティ・・・

スパゲッティをパスタとも言いますが、この2つは違うものなのでしょうか。実はスパゲッティもマカロニも、ペンネもラザニアもパスタなんだそうです。そばもうどんもソースもラーメンも麺類と呼ぶようなものなのでしょう。

日本でパスタと言うとスパゲッティのことであり、パスタの80~90%はスパゲッティが占めているそうです。ところがイタリアでは、スパゲッティは全パスタの20~30%と言うことです。ここではスパゲティについて書いてみたいと思います。

「アル・デンテ」という言葉は、有名になっているのでほとんどの人は聞いたことがあるでしょう。イタリア語で「al dente」で、「歯ごたえのある」という意味です。イタリアではスパゲッティをアル・デンテにゆでることが基本とされています。だから同名のレストランもあるくらいです。

東京・銀座のイタリアンレストランで、アル・デンテにゆでるコツを聞いたことがあります。深めの鍋を使い、食塩を加えた湯をたっぷりと煮立てます。塩分がスパゲッティを引き締めるそうです。

火力を強くし、表面が泡立ちする状態でゆでるということです。途中で1本あげて食べたり、指で切ってゆで加減を見ながら、ゆですぎないようにするのがコツだそうです。

ただ、スパゲッティにソースの味付けをするときには、かなりかたい状態であげてしまいます。スパゲッティがまだ、ポキッと折れるくらいということですから、ゆでていない状態です。その状態でソースに入れてまぜながら、ソースでゆでて仕上げると味がしみこんだおいしいスパゲッティの出来上がりです。

 

イタリアンといえばトマト

スパゲッティと言えば、切っても切り離せないのがトマトです。イタリア料理はトマトで出来ているといってもいいくらい、トマトを使います。トマトは南米アンデス高原を原産とする野菜ですが、メキシコから北米へと広がり、ヨーロッパにつたわりました。しかしそれは16世紀以降のことですから、美食家がいたローマ時代にはまだトマトはなかったことになります。

スパゲッティとトマトの出会いがあったのは、ナポリ地方と言われています。トマトソースを使ったスパゲッティ料理が広がり、いつしかナポリタンと呼ばれるようになったのです。スパゲッティにはいろいろなソースや味付けがあるので、楽しめるのです。筆者の好きなのは、ニラをいため、からめたスパゲッティです。

イタリア料理の3点セットは、オリーブオイル、赤唐辛子、にんにくとされています。実はスパゲッティをこの3点で作った料理がシンプルでおいしく、筆者の好物です。粉チーズをたっぷりとまぶして食べると最高です。

スパゲッティの主成分は炭水化物です。これは複合糖質(でんぷん質)と呼ばれるもので、たんぱく質や脂肪よりも先に燃焼されてしまいます。スパゲッティには炭水化物を消化するときに役立つカルシウム、鉄、ビタミンB1、B2などが含まれています。スパゲッティはダイエットにも効果的だということです。

文:ばばれんせい 絵:とよだゆき

 

スパゲッティの食品成分

出典:食品成分データベース

パスタ(スパゲッティ)の消費量の都道府県ランキング(令和元年)

順位 都道府県 市町村 金額
1位 宮城県 仙台市 658円 12.7食
2位 奈良県 奈良市 486円 9.3食
3位 長野県 長野市 473円 9.3食
4位 栃木県 宇都宮市 436円 9.1食
5位 鹿児島県 鹿児島市 438円 8.7食
6位 埼玉県 さいたま市 443円 8.5食
7位 神奈川県 横浜市 446円 8.4食
8位 京都府 京都市 428円 8.3食
9位 青森県 青森市 398円 8.2食
10位 山形県 山形市 385円 8.0食
11位 茨城県 水戸市 435円 7.8食
12位 滋賀県 大津市 426円 7.7食
13位 東京都 東京都区部 421円 7.6食
14位 兵庫県 神戸市 397円 7.6食
15位 千葉県 千葉市 414円 7.5食
16位 静岡県 静岡市 394円 7.4食
17位 広島県 広島市 415円 7.4食
18位 佐賀県 佐賀市 391円 7.3食
19位 宮崎県 宮崎市 385円 7.3食
20位 福岡県 福岡市 388円 7.2食
21位 北海道 札幌市 375円 7.2食
22位 新潟県 新潟市 382円 7.1食
23位 群馬県 前橋市 384円 7.0食
24位 福井県 福井市 366円 6.7食
25位 三重県 津市 370円 6.6食
26位 愛媛県 松山市 362円 6.5食
27位 秋田県 秋田市 357円 6.5食
28位 岐阜県 岐阜市 338円 6.5食
29位 岩手県 盛岡市 378円 6.4食
30位 岡山県 岡山市 340円 6.4食
31位 大分県 大分市 364円 6.3食
32位 富山県 富山市 333円 6.2食
33位 長崎県 長崎市 358円 6.1食
34位 愛知県 名古屋市 324円 6.0食
35位 沖縄県 那覇市 334円 6.0食
36位 山口県 山口市 333円 5.9食
37位 熊本県 熊本市 310円 5.9食
38位 島根県 松江市 321円 5.9食
39位 徳島県 徳島市 334円 5.8食
40位 福島県 福島市 314円 5.7食
41位 大阪府 大阪市 308円 5.7食
42位 高知県 高知市 314円 5.7食
43位 石川県 金沢市 356円 5.6食
44位 香川県 高松市 308円 5.6食
45位 和歌山県 和歌山市 283円 5.5食
46位 鳥取県 鳥取市 310円 5.3食
47位 山梨県 甲府市 268円 5.0食

出典:地域の入れ物

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