食のこばなし

牛乳

NO.89

日本の牛乳史!

700年も前から牧場で牛を飼育

日本の子どもたちは、世界の中でも牛乳をよく飲む子どもとして知られているようです。学校給食にはつきものであり、オーストラリアから来た視察団がその様子をみて、びっくりしたそうです。この「美徳」は大事にして、バランスのいい栄養素とカルシウム補給源として、続けてほしいと思います。

日本で牛乳が飲まれるようになったのは、孝徳天皇(645年)時代に薬用として献上されたころではないかと言われています。文武天皇(700年)時代に牧地を定めて、牛や馬を飼育した記録が残っています。平安時代(794年から約400年間)には、宮中の官職に乳しぼりの役人が任命されるようになったということです。(「たべもの起源事典」、岡田哲編、東京堂出版)しかし日本ではその後、肉食禁止が続いたために、長い間、牛乳は飲まれなくなったのです。日本人が本格的に牛乳を飲み始めたのは、長い年代を経て明治時代に入ってからです。

牛乳消費量を爆発させたアイスクリーム

明治2年に皇居、吹上御苑で牛5頭を飼育し搾乳したとのことで、同じ年に北海道開拓使により北海道で乳牛の飼育が始まりました。

明治中期からは、全国各地で酪農業が盛んになり、特に北海道では基幹産業のひとつになっていきました。戦後は国民の貧しい栄養状態を改善するため、牛乳ブームが沸き起って需要は急増していきます。

さらに牛乳消費量の増加に拍車をかけたのは、アイスクリームの普及でした。牛乳嫌いの人でも、冷たくてとろける甘味の食感が好まれ、あっと言う間に広がっていきました。牛乳はタンパク質、脂質、カルシウムなどの栄養分が多量に含まれ、今日の食生活に欠かすことのできない食品のひとつになったのです。牛は牛乳で子牛を育てるのですから、栄養満点であることは言うまでもないのです。

ガラス瓶から紙パックへ

飲用牛乳は食品衛生法により「牛乳」、「加工品」、「乳飲料」の3種類に分かれています。「牛乳」は殺菌と均質化を行って脂肪率が3.2%程度になるように標準化したもので、成分無調整乳です。

「加工乳」は脱脂粉乳などから再組成される還元牛乳を利用したもので、脂肪分を多くした高脂肪乳や、少なくした低脂肪乳があります。

「乳飲料」は主として脱脂乳にコーヒー、果汁、甘味料などを加えたもので、牛乳という名称は用いません。1970年ころまで牛乳は、180ml入りのガラス瓶に詰められ、牛乳販売店から早朝に宅配されていました。

早朝に、牛乳瓶が当たって響くカタカタという音を布団の中で聞きながら「朝になった」という実感を覚えたものです。70年代になるとテトラ紙パックになり、80年代以降は、四角柱型紙パック入りに変わり、容量も様々になり、スーパーやコンビニで販売されるようになりました。

 

生産量の世界一はインド

日本の乳牛は乳量が多く、性質が温和、環境に順応して、寒さにも強いホルスタイン種が主流です。脂肪分などの成分が高いジャージー種を導入している酪農家もあります。乳牛は、妊娠して子牛を産むと、その子牛が必要とする以上に多量の乳を分泌するので、その分を私達が分けてもらっているというわけです。

乳牛の出産後、乳が出ているうちに、さらに妊娠、出産させるよう人工的に処置を施し、できるだけ多量の乳が出るように品種改良を続けてきました。

世界の中で乳製品と牛乳の生産量が最も大きい国はインドです。インドは牛は神聖な動物として牛肉は食べませんが、牛乳は栄養素が豊富なので飲んでいるそうです。

日本の生乳の生産量は年間約820~840万トンで、約4割が北海道で生産されています。インドの牛乳生産量は、日本の100倍ほどということですから、驚きます。

 

乳幼児時期の大量摂取に注意

牛乳のタンパク質含有は、100g中2.9gで卵1個分といわれています。カルシウム含有量は100g当り100mgです。カルシウムは吸収されにくい栄養素と言われますが、牛乳のカルシウム吸収率は40~70%と高く、骨を丈夫にします。

また神経の高ぶりやイライラを鎮め、動悸や心拍数を安定させる効果があります。ビタミンB2も多く含み、ビタミンC、ビタミンEと共に過酸化脂質を抑え、動脈硬化や白内障予防にも役立ちます。

赤ちゃんのミルクは、人間の母乳と成分が異なりますが、牛乳を主成分として母乳に近いように調整してあります。牛乳は食物アレルギーを引き起こす可能性があるので、特に乳幼児期の大量摂取には注意が必要だということです。

牛乳を飲むと軟便、下痢を引き起こす人がいます。これは乳糖(ラクトース)を分解する酵素(ラクターゼ)の活性が低下するために起きるようです。ヨーグルトは乳糖が分解されているため、この問題は起きにくいのです。

牛乳大好きだった筆者は、毎日、水代わりに飲んでいましたが、50歳代ころからおなかゴロゴロになり、飲めなくなりました。そこでヨーグルトに切り替え、いまは飲むヨーグルトを愛飲しています。

文:ばばれんせい 絵:すなみゆか

順位 都道府県 生産量 割合(%)
1 北海道 480,043kl 15.1
2 神奈川県 206,419kl 6.5
3 茨城県 183,814kl 5.8
4 栃木県 167,926kl 5.3
5 千葉県 167,755kl 5.3
6 愛知県 137,095kl 4.3
7 福岡県 134,259kl 4.2
8 兵庫県 127,662kl 4
9 長野県 122,473kl 3.9
10 岐阜県 111,641kl 3.5
11 岡山県 107,771kl 3.4
12 熊本県 104,839kl 3.3
13 大阪府 100,870kl 3.2
14 京都府 91,500kl 2.9
15 群馬県 79,134kl 2.5
16 埼玉県 73,511kl 2.3
17 岩手県 69,380kl 2.2
18 静岡県 62,543kl 2
19 東京都 60,694kl 1.9
20 宮城県 60,410kl 1.9
21 広島県 54,576kl 1.7
22 大分県 44,871kl 1.4
23 新潟県 40,190kl 1.3
24 福島県 39,984kl 1.3
25 宮崎県 25,549kl 0.8
26 石川県 24,981kl 0.8
27 三重県 24,824kl 0.8
28 滋賀県 22,150kl 0.7
29 山形県 19,787kl 0.6
30 沖縄県 18,400kl 0.6
31 島根県 15,160kl 0.5
32 鹿児島県 8,880kl 0.3
33 山梨県 2,205kl 0.1

                                  出典:地域の入れ物

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