ブルーベリー
NO.56
樹から摘み取ったブルーベリーの味
ブルーベリー農園に誘われたのは、7月の梅雨の終わりのころのことです。千葉県の農園に行ってみると、背丈ほどのブルーベリー樹林が広がっていました。濃い青紫色のブルーベリーの実は白粉を帯びて、まるで農薬をかぶっているように見えますが「そのまま食べられますよ」と言います。農園ではお客さんの来るのに合わせて、樹木に水を噴霧して軽く洗っているのだそうです。
生まれて初めて樹木から摘み取った生のブルーベリーを食べてみました。甘い果汁が口いっぱいに広がってきます。なんでもそうですが、やはり新鮮な生ものが一番です。
農園から配布されたバケツに次々と摘み取っていくのですが、単純な作業なのにちっとも飽きません。収穫する楽しみがあるからですが、食べながら、おしゃべりしながら摘み取る楽しさもあるのでしょう。ブルーベリー農園の時間はあっという間に過ぎていってしまいました。
ブルーベリージュースの作り方
友人たちから聞いたブルーベリージュースの造り方はいたって簡単でした。ブルーベリーを水洗いして水切りをしてカメに入れる。そこへ黒酢を入れて密閉しておく。砂糖はいっさい使いません。酢と果実だけですが、ブルーベリーから染み出した甘みが黒酢に溶け込んで、甘酸っぱいブルーベリージュースの出来上がりです。
このジュースは、一年経ってもおいしく飲めるのです。試しに押し入れに入れてとっておいたブルーベリーの黒酢ジュースを一年後に出して飲んでみたところ、味はまったく変わっていませんでした。
大粒より小粒が美味
農園で見たブルーベリーの樹木には、大粒のふっくらとした実をつけたものと小粒の実をつけた2種類がありました。食べてみると大粒より小粒の方が、甘みがあっておいしいのです。ケーキの上などに飾りつけるものは大粒の方が見栄えがいいのでしょうが、生で食べるのは小粒の方がおいしいのです。
たくさんとったブルーベリーは、小分けにして冷凍庫に格納です。筆者は、毎日、ヨーグルトにたっぷりのブルーベリーを入れて食べるのが好物であり、冷凍庫から出したブルーベリーを長い間、おいしくいただいています。
やっぱり眼にいいという体験談
ビルベリーの青紫色の色素に含まれているアントシアニンは、抗酸化物質と言われています。視力改善に効果があると言われていますが、薬理作用として、そのような効能はないという研究者もいます。しかし、昔からそのように言われてきたのは、それなりの理由があるのではないでしょうか。
そう思っていたら、友人の奥さんがまさにそういう効果を聞かせてくれました。その主人は60歳を過ぎたばかりですが、視力が衰えたのか見えにくくなったので病院に行って検査をしてもらったそうです。
すると、裸眼で0.1と言われて大ショック。眼鏡で補正しても0.5までであり、白内障の疑いと言われたと言うのです。それで早速、ブルーベリーを食べ始めました。3か月ほどしてもう一度、眼科に行って検査してもらったところ、裸眼で0.5まで回復し、眼鏡で補正したら1.2になっていたというのです。
「誰がなんと言おうとも、ブルーベリーは眼にいいのです」と声を大にして語っています。そのような体験談を聞くと、やっぱりブルーベリーファンになってしまいます。眼にいいことだけではなく、筋肉の疲労を抑制し、運動による過酸化脂質の増加を抑制しているということです。これは医学的な実験で得られた結果であり論文も出ています。ビタミンA,ビタミンEも豊富に含まれているということです。
家庭菜園で育てる楽しみも
ブルーベリーは北アメリカが原産であり、現地では昔から食べていました。日本に入ってきたのは比較的最近であり、病害虫がほとんどつかないので育てやすい果樹のようです。品種改良が進んでいるので、世界には200種類ものブルーベリーがあると文献に出ています。
育てるには酸性土がよく、乾燥に弱いので水分には十分に気をつかうことだそうです。家庭菜園でも、小さい苗木から鉢植えにして段々に育てていく楽しみがあります。
鉢は西日の当たらない通風と日照の良いところに置いて管理し、真夏は直射日光が当たらないところに置くのがコツだということです。
文:ばばれんせい 絵:とよだゆき
ブルーベリーの食品成分
出典:食品成分データベース
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