チーズ
NO.73
チーズの歴史は5000年前から
いまから6000年前、ヤギや羊などの家畜動物から絞ったミルクが、自然に存在する乳酸菌の働きからチーズを作ったことから世界にチーズが広がりました。メソポタミア地域(チグリス川、ユーフラテス川流域)で生まれ、東西に広がりそれぞれの地域で気候・風土・生活様式に根差した独自のチーズが生み出されてきました。
ヨーロッパの市場に行くと実に多彩なチーズが店頭に並んでいることに知り、チーズの文化を垣間見ることができます。記録によると日本では奈良・平安時代から乳牛の伝来と飼育が始まったそうで、酪(らく)、酥(そ)、醍醐(だいご)と呼ばれる乳製品が作られた記録があるようです。この醍醐がチーズのことを指すと言われています。
三大ブルーチーズを食べる
筆者はヨーロッパに行ったとき、その土地の様々なチーズを食べているうちブルーチーズが病みつきとなりました。かなり塩味の濃いチーズであり、表面や内部にアオカビを繁殖させ熟成させたちょっとクセのあるチーズです。しかしワインやビールのお供にしているうち病みつきとなったものです。
ヨーロッパの知人の家で出された世界三大ブルーチーズの味が忘れられません。
「ゴルゴンゾーラ(イタリア)、ロックフォール(フランス)、スティルトン(イギリス)の3つを指すそうであり、どれも風味が強く、確かに美味しいチーズでした。
ゴルゴンゾーラは、イタリア北部のロンバルディア州、ピエモンテ州などで、牛乳で作られるチーズで、名前の由来はゴルゴンゾーラ村に由来するのだそうです。アオカビの量が多くて塩味の濃い辛口とアオカビの少ないクリーミーな甘口がありました。
ロックフォールは、フランス南部のルエルグ地方で、羊乳で作られます。食感はクリーミーで滑らか、塩気は強め、独特の香りがあります。大ぶりに入った青カビの濃さが特徴的で、強い味わいを感じました。
スティルトンは、イングランドの中央部が主な生産地で、牛乳から作っているようです。このチーズをお客さんに出したところ評判になったことから、その町の名前が付いたチーズということです。
食文化から生まれた多種多様なチーズ
ノウハウのかたまりと言われている生産者の独特の熟成方法や昔から伝わる産地独特の風味が個性的に調和され、多彩な種類のチーズに発展しました。
筆者は外国に行くと必ずその土地のもっとも大きなマーケットに行きます。食の文化がわかるしその国の暮らしぶりがマーケットに並ぶ商品群に出ているからです。
ヨーロッパの国のマーケットには、実に多くのチーズが並んでいます。酸味、コク味、やさしいミルキーな味、フルーティな味、スモークしたもの、香りの強い刺激的な味のものなど幅広い種類のチーズがあります。
日本人の消費量は欧州人の10分の1
日本人一人当たりのチーズの年間消費量は、約2キロであり、なんとヨーロッパの10分の1です。ピザ、ハンバーガーなどの消費の増加に伴い、ここ数年は増加傾向にあると言ってもこの程度なのです。
チーズはワインやビールのお供、子どものおやつにもなっていますが、料理の素材、味付け、お菓子の材料として広く利用されています。最近は料理だけでなく煎餅やスナック菓子にも使われるようになりました。
ミネラル・ビタミン豊富な栄養食品
チーズは栄養価に優れた良質のたんぱく質、脂肪だけでなくビタミン、ミネラルの含有が多く栄養バランスの良い食品です。ナチュラルチ
ーズのカルシウムは100g当たり約600mg、多いもので1500mgも含んでいます。しかも良質のタンパク質と結合し吸収されやすい状態で含有されています。
乳製品のカルシウムはタンパク質と結びつき、消化吸収率がよく小魚、海藻類の約2倍の吸収力があります。またビタミンAが豊富で粘膜を丈夫にして風邪などに対する抵抗力をつけます。チーズに含まれる乳酸菌や酵素は消化を助けます。
チーズの脂肪は胃の粘膜を保護し、アミノ酸のメチオニンも多く含まれていて、肝臓の働きを助け、アルコールの分解を助けます。ガン予防効果も期待されています。
文:ばばれんせい 絵:とよだゆき
チーズの食品成分
重量:100gあたり
出典:食品成分データベース
順位
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都道府県
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出荷量
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出荷額
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割合(%)
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1 | 北海道 | 47,631t | 533.2億円 | 21.2 |
2 | 兵庫県 | 51,280t | 505.7億円 | 20.1 |
3 | 神奈川県 | 46,095t | 375.1億円 | 14.9 |
4 | 長野県 | 25,106t | 338.1億円 | 13.4 |
5 | 千葉県 | 9,610t | 102.6億円 | 4.1 |
6 | 大阪府 | 12,152t | 102.0億円 | 4.1 |
7 | 栃木県 | 2,395t | 24.6億円 | 1 |
8 | 京都府 | 1,998t | 19.9億円 | 0.8 |
9 | 東京都 | 1,808t | 18.3億円 | 0.7 |
10 | 埼玉県 | 1,587t | 18.3億円 | 0.7 |
11 | 岩手県 | 69t | 1.1億円 | 0 |
12 | 岐阜県 | 135t | 1.1億円 | 0 |
13 | 群馬県 | 100t | 0.8億円 | 0 |
14 | 静岡県 | 31t | 0.4億円 | 0 |
令和2年(2020年)における、都道府県別のチーズの生産額(出荷額)とその割合を掲載しています。
※合わせて、出荷量も掲載しています。
出展:地域の入れ物
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