食のこばなし

タマネギ

NO.65

札幌黄というタマネギ知っていますか?

2020年に開催された第15回全国学校給食甲子園の食育授業コンテストで、優秀賞を授与された北海道札幌伏見支援学校もなみ学園分校の大橋望・栄養教諭の献立に登場したのは「札幌黄のかき揚げ丼」でっした。「札幌黄」は「さっぽろき」と読み、日本のタマネギの「原種」に近いものとされています。

肉厚で甘く、北海道産のジャガイモと合わせた肉じゃがなどは絶品です。しかしいま札幌黄を栽培する農家は限られており、市場に出ても値段がちょっと高めなので使われなくなってきているということです。

タマネギは西洋料理のベースになっており、「西洋のカツオ節」とも呼ばれているようです。サラダなどで、生で食べると独特のピリリと辛い味が特長ですが、炒めたり煮て食べると独特の甘みがあってこれもおいしい。

赤玉、黄玉、白玉、子玉など種類がいろいろあって、様々な調理法があります。産地特有の呼び名もあり、泉州黄、愛知白、札幌黄などと呼ばれています。

 

エネルギーを生み出すタマネギ

タマネギの原産地は中央アジアであり、古代エジプトでは大量に栽培されていました。ピラミッドを造った労働者が、大量に消費したと言われています。旧約聖書や千夜一夜物語には精力剤として利用された話が出てくるそうですから、労働者のエネルギーの源泉と考えられていたのでしょう。

ヨーロッパに広がったのはずっと後のことで、16世紀ころと言われています。サラダによし、肉料理に合うので、たちまち野菜料理の主役になっていきました。

日本へタマネギが来たのは、明治維新後であり、ヨーロッパから大量の種類が持ち込まれました。しかし、気候や土壌が違うためか栽培の失敗が続き、明治13年になって初めて札幌の中村磯吉さんが栽培に成功しました。また、同じころ、大阪の今でいう岸和田市あたりでもアメリカから入手したタマネギの栽培が始まり、栽培に工夫する多くの先駆者の努力によって、大阪府泉州一体でタマネギが普及していきました。これが泉州タマネギの元祖であり、タマネギ発祥の地として今に伝わっています。

 

 

タマネギは葉っぱだった!

タマネギを切ると涙が出てくるのは、硫化アリルという物質が発散されるからですが、強い殺菌力があります。血液をサラサラにしたり、交感神経を刺激して体温を上昇させたりするということです。玉ねぎの皮に近い部分に含まれている色素成分で、ケルセチンというポリフェノールの一種もあります。これは抗酸化作用があるので、老化防止や健康保持に役立つ成分なのです。

またビタミンB1の体内での吸収を高めたり、食欲不振を改善したり疲労回復にもいいとされています。豚肉などビタミンB1の多い肉類と組み合わせて料理するのが栄養のバランスに効果的と言われています。

知人に聞いた話ですが、タマネギを切る時に涙を予防するには、タマネギと包丁をしばらく冷蔵庫に入れて冷やしておくといいそうです。冷やすと刺激する成分の揮発が抑えられるからでしょう。

ところで私達が食べているタマネギは根っこでしょうか、それとも葉っぱでしょうか。あるいは茎でしょうか。答えは葉だそうです。葉の下ある葉鞘という部分が成長にしたがって厚みを増し、重なり合って玉状になったものです。

料理の大好きな男友達に教えてもらった電子レンジでの簡単タマネギみじん切り炒めをご紹介しましょう。みじん切りしたタマネギを耐熱容器に入れ、バターを少々入れてラップなしで電子レンジで3分程度チンするとできあがり。焦げさせない簡単炒めものでした。

 

「味の箱舟」に認定された札幌黄

話は札幌黄に飛びます。2007年にイタリアのスローフード協会国際本部は、札幌黄を食の世界遺産と言われる「味の箱舟」に認定しました。味の箱舟とは、固有品種のなかで消えてしまう可能性のある世界の希少な食材を後世に残すために、世界的に進めている食の多様性を守ろうというプロジェクトです。国際的な保護活動の中でこのタマネギが見直されての認定でした。北海道のレストランでも札幌黄の食材を使った料理を売り物にするところも出てきたそうです。

知人がしゃれたハンカチを送ってきました。色はベージュのやや明るいものと薄い色の2種類です。手紙に「タマネギの皮で染めてみました」とあり、びっくりでした。早速、染め方を聞いてみました。白い木綿のハンカチとタマネギの皮と触染剤として酢と重曹を用意したそうです。

タマネギの皮と水を鍋にいれ、15分ほど煮ます。タマネギ3個の皮に対して2リットルの水が目安とのこと。煮汁からタマネギの皮をすくって取り去ると染液の出来上がり。ハンカチを水につけたあと、染液につけます。このときむらにならないように、十分に広げて動かすのがコツということです。

文:ばばれんせい 絵:とよだゆき

 

たまねぎの食品成分

出典:食品成分データベース

たまねぎの生産量の都道府県ランキング(令和2年)

順位
都道府県
収穫量
割合(%)
1位 北海道 892,100t 65.7
2位 佐賀県 124,600t 9.2
3位 兵庫県 98,500t 7.3
4位 長崎県 32,800t 2.4
5位 愛知県 27,600t 2
6位 熊本県 12,900t 1
7位 静岡県 12,500t 0.9
8位 栃木県 12,300t 0.9
9位 愛媛県 9,220t 0.7
10位 香川県 8,360t 0.6
11位 群馬県 8,100t 0.6
12位 富山県 7,850t 0.6
13位 千葉県 6,790t 0.5
14位 岡山県 6,340t 0.5
15位 茨城県 5,930t 0.4
16位 埼玉県 5,840t 0.4
17位 山口県 5,650t 0.4
18位 和歌山県 4,890t 0.4
19位 福岡県 4,520t 0.3
20位 長野県 4,290t 0.3
21位 大阪府 3,860t 0.3
22位 岐阜県 3,150t 0.2
23位 三重県 2,890t 0.2
24位 島根県 2,710t 0.2
25位 宮崎県 1,530t 0.1

出典:地域の入れ物

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