食のこばなし

シメジ

NO.13

ホンシメジは希少価値

「香りマツタケ味シメジ」。この言い伝えを知らない人はいないでしょう。まったくその通りだなと思うことがありますが、最近のマツタケは輸入品が普及してきたせいか、香りがイマイチというものもあります。味シメジの方はどうでしょうか。

味シメジと言われるシメジは、いま普通に流通しているシメジとは違ってホンシメジのことを指します。市販されているシメジは、ホンシメジとは違った栽培ものであり正式には「ブナシメジ」と呼ばれています。買ってきたシメジの袋には、確かにその名称が表示されています。ホンシメジよりはグアニル酸グルタミン酸アスパラギン酸などのうま味成分がやや劣るそうですが、それでも筆者はおいしく食べています。ホンシメジは、アカマツなど生きている樹木の外生菌根菌であるため栽培するのは非常に困難であり、天然物のホンシメジは大変珍しいものになっています。

シメジにはいろいろ種類があるようで、ハタケシメジ、シャカシメジ、センボンシメジなどと呼ばれるものもありますが、こうしたものは天然ものであり一括してホンシメジと呼ばれています。味がいいホンシメジの人工栽培も長い間試みられてきましたがかなり難しく、最近になってようやく栽培ができるようになったようです。「大黒ホンシメジ」などの名称で店頭に並んでいるのを見かけるようになりました。

                                                             

お酒やワインのお供にぴったり

現在流通しているブナシメジが本格的に市場に出回るようになったのは、1970年代以降です。ブナシメジは、北半球の温帯地域以北に広く分布し、日本でも古くから自生していました。しかし昔から一般の人々に食べられていたキノコではなく、人工栽培が確立されて大量生産が可能になってから普及したキノコでした。以前はブナシメジもホンシメジの名称で販売されていた時代もありましたが、林野庁がこの呼称を改めるように通達を出し、ブナシメジの名称が定着したものです。しかし今ではブナシメジを一般にシメジと呼んでおり、ホンシメジだけは別格の呼称になっています。    

シメジを使った料理法を、栄養士の先生に教えてもらいました。というのもシメジ料理は簡単に作れるものが多く、お酒やワインのお供にぴったりだというのです。その一つは、筆者がよく作っているナスとひき肉とシメジの炒め物です。加熱しすぎないことが唯一のコツということでした。この材料をあげれば、誰でも作る方法は思い浮かぶでしょう。醤油味が合いますが、これをクリームに合わせてパスタにするのも教えてもらいました。余ったものをご飯にかけてみましたが、これはこれでおいしかったことを思い出します。

食物繊維が豊富で低カロリー

教えてもらったことでもう一つ大事なことは、保存法でした。使いきれないシメジは、そのまま袋に入れて冷蔵庫というのが普通ですが、シメジの場合は冷凍もできると知ってびっくりしました。石づきを切り落とし、小房に分けて袋に入れて冷凍庫へ。使うときは凍ったまま調理してもいいということですから本当に便利です。保存する場合は、水で洗わないでそのまま保存ということも習いました。

ともかくシメジは、シャキシャキした食感もいいしクセもない、炒め物、煮物、鍋物、天ぷら、キノコご飯など和洋中どんな料理にも合うので使い勝手のいい食材です。シメジに限らないのですが、キノコ類は一般にカロリーが低いのでダイエットに向いています。食物繊維が豊富なので血中や肝臓のコレステロールを下げる効果もあります。動脈硬化の予防になるのです。グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸が多く含まれているので味がいいのもシメジの特長です。豊富に含まれているカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧の予防に効果があります。またビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きもあります。さらに紫外線を当てることでビタミンDに変換されるエルゴステールも含まれています。血行をよくして冷え症を予防するナイアシンやエネルギー代謝に役立つパントテン酸も多く含まれています。栄養成分を改めて調べてみるとシメジの特長がわかってびっくりでした。

断トツ産地は長野県

農水省の統計によると、シメジ栽培の産地は長野県が断トツであり全国の栽培の40パーセント以上を占めています。続いて新潟県、福岡県がビック3で、この3県で70パーセント以上を栽培しています。

山形県西川町の「道の駅にしかわ」で、有毒キノコの「ハイイロシメジ」が誤って「シロシメジ」として販売されたことがありました。ハイイロシメジは生焼けのものを食べたり、多量に食べたりすると食中毒を起こすことがあるそうですから要注意です。キノコは毒のあるものが少なくないのです。

 

文:ばばれんせい 絵:とよだゆき

 

日本食品標準成分表(七訂)準拠 可食部100gあたりの成分値

しめじ(ぶなしめじ)

カロリー18kcal / タンパク質2.7g / カリウム380mg / リン100mg / 食塩相当量 0g

 

しめじの収穫量ランキング(2017年)

順位 都道府県 収穫量
1 長野県 4万9,733トン
2 新潟県 2万1,366トン
3 福岡県 1万3,596トン
4 香川県 4,978トン
5 茨城県 3,040トン
6 静岡県 3,039トン
7 広島県 2,998トン
8 宮城県 2,997トン
9 北海道 2,975トン
10 富山県 2,650トン
11 山形県 2,388トン
12 高知県 1,433トン
13 石川県 1,200トン
14 長崎県 1,109トン
15 岐阜県 858トン
16 沖縄県 516トン
17 秋田県 499トン
18 兵庫県 441トン
19 三重県 340トン
20 奈良県 250トン
21 鳥取県 243トン
22 埼玉県 194トン
23 千葉県 185トン
24 群馬県 174トン
25 宮崎県 150トン
26 鹿児島県 133トン
27 大分県 48トン
28 大阪府 40トン
29 栃木県 38トン
30 島根県 37トン
31 岡山県 26トン
32 熊本県 20トン
33 和歌山県 13トン
34 佐賀県 4トン
35 愛知県 1トン
36 山口県 1トン

 

出典:野菜ナビ https://www.yasainavi.com/graph/category/ca=38