コンニャク
NO.51
古い時代に日本へ入ってきた食物
サトイモ科に属する多年草のコンニャク芋に、石灰乳を混ぜ、ゲル化して固まらせたものがコンニャクです。筆者の好物は、冬の寒い時期に、ふうふうしながら食べる熱々の味噌田楽ですが、ほどよい甘い味噌に歯ごたえのあるコンニャクがおいしくて、 いくらでも食べられるように思ってしまいます。
コンニャクの原産地はインドシナ半島と言われています。日本へ渡来したのは、古墳時代と言います。そんな古い時代に朝鮮か中国から入ってきたもので、鎌倉時代には仏様の供物にした記録があり、室町時代には高級な食べ物として珍重されたようです。しかし品種改良が進んで加工方法や料理法も開発されて庶民の食べ物へと普及していきました。コンニャク田楽は、江戸初期の元禄時代に創作され、江戸っ子の人気を博したということです。
幕末期の重要な歴史に関与したコンニャク
コンニャクを栽培して苦しい財政をうるおした藩もありました。水戸藩はコンニャク栽培を奨励し、コンニャクの原料は、江戸、大阪にある藩の専売所で販売してもうけました。品質を落とす栽培をすると罰則まで科すほど力を入れました。
万延元年(1860年)3月、井伊大老が桜田門外で水戸藩士らに襲われましたが、そのときの資金は、コンニャクを販売していた商人達が支援したとものと言われています。コンニャク芋を乾燥して粉にし、貯蔵や輸送を可能にしたうえ品質を高めて産業化したのは水戸藩でした。明治以降にこの方法が全国に普及していったのです。
腸を整備し掃除する役割
コンニャク粉を水でといてできたのり状のものを、細い穴に通して糸状のコンニャクにしたものを白滝と呼んでいます。これは江戸時代に創作されたものです。
すき焼きには白滝がよく合いますが、栄養学的にみても、酸性食品の肉にアルカリ分の白滝をとり、酸性アルカリ性のバランスをとったものであり、健康の知恵だったのです。おでんに欠かせないコンニャクは、「体の砂払い」 と呼ばれ、おなかの中にたまった砂を払うと言われています。コンニャクは食物繊維の固まりですから、動脈硬化の原因になるコレステロールを正常に保つ役割もあります。ダイオキシンなどの毒性物質を腸内から掃除してくれたり、大腸がんの発生を抑制してくれるとも言われています。
また、便秘しがちの人には整腸作用をしてお通じをよくする役割をしてくれるのです。ダイエットにもコンニャクを利用する方法がはやっています。でも、食べ過ぎないようにというアドバイスも受けました。栄養のバランスを考えてコンニャクダイエットをすることが大事だということです。
コンニャクは大部分が水分ですが、カルシウムをたくさん含んでいるヘルシー食品であり、健康食品としてモテモテなのです。
知っていますか赤いコンニャク
お店で売っているコンニャクには、黒いコンニャクと白いコンニャクがあります。これって違いは何でしよう。コンニャク芋を製粉にして作ったコンニャクは色白だそうですが、生の芋から作ったコンニャクは、皮などが混入するので黒っぱくなってしまうのです。
江戸時代以降、西日本では芋から作った黒コンニャクが、東日本は粉からの白が主流になりました。ところが滋賀県近江八幡市では赤い色素を入れた 「赤いコンニャク」が名物になっています。この地方の人々は、コンニャクと言えば赤いものと思っているそうです。
日本人のコンニャク消費量は 1 日あたり大体6グラム程度です。共栄蒟蒻(コンニャク)というコンニャク会社によると、 一世帯あたりのコンニャク消費額のトップ5は、山形、岩手、福島、新潟、静岡県で、逆に少ない県は宮崎 福岡 長崎、山口、岡山県だということです。コンニャク料理は全国各地に郷土料理として広がっています。コンニャクの刺身から寒い冬に軒先につるした凍コンニャクもあります。
最後にユニークな話をご紹介しましょう。「精根つきた」ときには、「コン」のつく食べ物を食べるといいそうです。コンニャクがその筆頭であり ダイコン、コンブ、レンコン、ゴンボウ(ゴボウのことをこうも言います)などだそうです。是非試してみてください。
こんにゃくの食品成分
出典:食品成分データベース
順位 | 都道府県 | 収穫量 | 割合 |
1位 | 群馬県 | 55,300t | 93.6% |
2位 | 栃木県 | 1,360t | 2.3% |
出典:地域の入れ物
順位 | 都道府県 | 金額 | 数 | |
1位 | 佐賀県 | 佐賀市 | 779円 | 12.8丁 |
2位 | 青森県 | 青森市 | 926円 | 12.6丁 |
3位 | 山形県 | 山形市 | 1,035円 | 11.3丁 |
4位 | 秋田県 | 秋田市 | 725円 | 11.2丁 |
5位 | 岩手県 | 盛岡市 | 777円 | 10.7丁 |
6位 | 北海道 | 札幌市 | 685円 | 8.4丁 |
7位 | 宮城県 | 仙台市 | 776円 | 8.3丁 |
8位 | 奈良県 | 奈良市 | 724円 | 8.2丁 |
9位 | 福島県 | 福島市 | 690円 | 8.2丁 |
10位 | 群馬県 | 前橋市 | 550円 | 8.1丁 |
11位 | 島根県 | 松江市 | 637円 | 8.1丁 |
12位 | 京都府 | 京都市 | 736円 | 7.9丁 |
13位 | 宮崎県 | 宮崎市 | 488円 | 7.7丁 |
14位 | 新潟県 | 新潟市 | 595円 | 7.6丁 |
15位 | 沖縄県 | 那覇市 | 337円 | 7.5丁 |
16位 | 長崎県 | 長崎市 | 654円 | 7.5丁 |
17位 | 福井県 | 福井市 | 656円 | 7.5丁 |
18位 | 大阪府 | 大阪市 | 697円 | 7.2丁 |
19位 | 茨城県 | 水戸市 | 617円 | 7.2丁 |
20位 | 広島県 | 広島市 | 525円 | 7.2丁 |
21位 | 山梨県 | 甲府市 | 560円 | 7.0丁 |
22位 | 長野県 | 長野市 | 691円 | 6.8丁 |
23位 | 静岡県 | 静岡市 | 650円 | 6.6丁 |
24位 | 福岡県 | 福岡市 | 470円 | 6.6丁 |
25位 | 富山県 | 富山市 | 503円 | 6.4丁 |
26位 | 三重県 | 津市 | 656円 | 6.1丁 |
27位 | 高知県 | 高知市 | 679円 | 6.1丁 |
28位 | 香川県 | 高松市 | 636円 | 6.0丁 |
29位 | 神奈川県 | 横浜市 | 616円 | 6.0丁 |
30位 | 栃木県 | 宇都宮市 | 674円 | 5.9丁 |
31位 | 岡山県 | 岡山市 | 450円 | 5.9丁 |
32位 | 愛知県 | 名古屋市 | 528円 | 5.9丁 |
33位 | 鳥取県 | 鳥取市 | 564円 | 5.8丁 |
34位 | 岐阜県 | 岐阜市 | 567円 | 5.8丁 |
35位 | 愛媛県 | 松山市 | 587円 | 5.7丁 |
36位 | 東京都 | 東京都区部 | 628円 | 5.7丁 |
37位 | 鹿児島県 | 鹿児島市 | 658円 | 5.6丁 |
38位 | 兵庫県 | 神戸市 | 549円 | 5.6丁 |
39位 | 滋賀県 | 大津市 | 588円 | 5.5丁 |
40位 | 大分県 | 大分市 | 567円 | 5.5丁 |
41位 | 石川県 | 金沢市 | 496円 | 5.3丁 |
42位 | 熊本県 | 熊本市 | 469円 | 4.7丁 |
43位 | 埼玉県 | さいたま市 | 489円 | 4.5丁 |
44位 | 徳島県 | 徳島市 | 462円 | 4.5丁 |
45位 | 和歌山県 | 和歌山市 | 470円 | 4.5丁 |
46位 | 千葉県 | 千葉市 | 528円 | 4.3丁 |
47位 | 山口県 | 山口市 | 495円 | 3.7丁 |
出典:地域の入れ物
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