カレーライス
NO.58
カレーライスは軍隊食だった
学校給食でも常に人気上位にランクされているのがカレーライスです。2016年の第11回学校給食甲子園大会で子ども審査員特別賞を授与されたのは埼玉県代表の毛呂山町学校給食センターの献立のカレーライスでした。腕を振るって調理した大谷木敏博調理員が思わず涙ぐみ、石井知子栄養教諭と共に喜びあった感動のシーンを思い出します。
家庭でもたまの休日、子供と連れたって外食でもしようとなって、子供たちに何を食べたいと聞いてみると、決まって答えるのが「カレーライス」。大人たちは「もっと別なものないの?」と聞いてもやっぱりカレーライス。
日本人のカレーライス好きは、世界的にも際立っています。農水省などのカレー粉消費統計から類推すると、日本人は一年間に66回もカレーを食べています。週に1回以上のカレー食です。
カレーライスの原産地はインドとされていますが、それがイギリス海軍の軍隊食となり、やがて日本へと入ってきたのです。
カレーライス誕生の地を宣言しているのが横須賀市です。明治の初期、イギリス海軍の軍隊食であるカレーシチューを移入した海軍は、カレーをパンにつけて食べていました。あるとき、このカレーに小麦粉を入れてとろみをつけ、ご飯にかけて食べるとこれがグー!。
それ以来、日本海軍は軍隊食としてカレーライスを導入し、隊員は故郷へ帰ると同じものを作って食べたため、全国へと広がっていきました。いまでも毎週火曜日になると、この伝統を受け継いで海上自衛隊の隊員は一斉にカレーライスを食べているそうです。
ごちそうから大衆メニューへ
明治時代、カレーライスは贅沢な食べ物あり、大正時代にはヨーロッパからのおみやげとしてカレー粉は珍重されました。昭和2年、東京新宿の中村屋は高級インドカレーを売り出して大評判となり、当日は高級レストランでかなり高いお金を出さないと食べられないごちそうでした。
それが大衆的な食べ物へと普及したのは、ヱスビー食品の創業者、山崎峯次郎氏が日本で最初の純国産カレーの製造に成功したからです。これはやがてインスタントカレーにつながり、いつでもどこでも簡単に作れる定番料理への定着していったのです。ちなみに日本人が作った三大洋食はカツレツ、コロッケ、カレーライスだそうです。
カレーライスに続いて出たのがカレー南蛮。明治42年、大阪のそば店主が、営業不振のためカレーにネギをあしらってそばにかけて売り出したら、これが浪速っ子に大うけ。続いて昭和3年には、東京の洋菓子店がパンの中にカレーを餡(あん)のように包んで売り出したらこれが大当たりになったのです。
一晩置くとおいしさが増すそうです
おいしいカレーの作り方。これはもう、どこの家庭でも得意のカレー調理法があるようです。
独特の味をつくるためにいろいろな材料を使っていますが、ヱスビーカレーの調査によるとベスト3は、ニンニク、ケチャップ、ウスターソースです。イカ、醤油、ハチミツ、バター、チャツネ、生クリーム、ショウガ、チーズまでがベスト10です。中にはチョコレートや砂糖を使う家も結構あるようです。
カレーライス専門店に聞いたことがあります。カレーのルウを作ってから一晩置くとおいしくなる。これは意外とよく知られています。料理のプロにその理由を聞いてみると、材料に味がよくしみこみ、材料同士がなじむこと。材料のエキスがルウに溶け出し、油滴が小さくそろってカレーの味と油脂成分がうまくなじんでおいしくなると言うことです。
ルウは、フランス語の「ROUX」からきたもので、小麦粉をバターやオリーブ油で炒めたものをルート呼んでいるところからきたようです。
ご飯の上?それとも別々?
カレーを食べると辛さによって体を冷やしてくれます。辛いスパイスを食べた直後は体温が上がりますが、まもなく下がっていきます。夏になるとカレーライスが売れるというのは、こんなところからくるのでしょうか。確かに初夏から夏にかけてカレーの売り上げは伸びるそうですが、それは販促の成果と言うことも言われています。
暑さにやられて食欲不振におちいっても、カラーライスならおいしく食べてしまうということもあるでしょう。
ライスカレーかカレーライスかで論争したことがありました。ご飯の上にカレーがかけてあるのがライスカレー、ご飯とカレーが別々の容器に入っているのがカレーライス。これが通説ですが、ま、どちらでもいいようです。カレーは辛くても塩分は少ないので減塩食としても優れているのです。
文:ばばれんせい 絵:とよだゆき
カレーの食品成分
出典:食品成分データベース
順位 | 都道府県 | 金額 | 箱数 | |
1位 | 宮城県 | 仙台市 | 482円 | 2.47箱 |
2位 | 青森県 | 青森市 | 533円 | 2.38箱 |
3位 | 北海道 | 札幌市 | 494円 | 2.37箱 |
4位 | 新潟県 | 新潟市 | 528円 | 2.34箱 |
5位 | 秋田県 | 秋田市 | 543円 | 2.31箱 |
6位 | 石川県 | 金沢市 | 534円 | 2.26箱 |
7位 | 佐賀県 | 佐賀市 | 487円 | 2.20箱 |
8位 | 長野県 | 長野市 | 454円 | 2.17箱 |
9位 | 高知県 | 高知市 | 445円 | 2.17箱 |
10位 | 鳥取県 | 鳥取市 | 490円 | 2.14箱 |
11位 | 富山県 | 富山市 | 514円 | 2.10箱 |
12位 | 山形県 | 山形市 | 476円 | 2.08箱 |
13位 | 香川県 | 高松市 | 461円 | 2.08箱 |
14位 | 宮崎県 | 宮崎市 | 493円 | 2.04箱 |
15位 | 群馬県 | 前橋市 | 450円 | 2.04箱 |
16位 | 徳島県 | 徳島市 | 450円 | 2.02箱 |
17位 | 愛媛県 | 松山市 | 463円 | 2.01箱 |
18位 | 山梨県 | 甲府市 | 425円 | 2.00箱 |
19位 | 京都府 | 京都市 | 456円 | 2.00箱 |
20位 | 熊本県 | 熊本市 | 455円 | 1.99箱 |
21位 | 福島県 | 福島市 | 439円 | 1.97箱 |
22位 | 茨城県 | 水戸市 | 409円 | 1.91箱 |
23位 | 鹿児島県 | 鹿児島市 | 440円 | 1.91箱 |
24位 | 福岡県 | 福岡市 | 432円 | 1.90箱 |
25位 | 神奈川県 | 横浜市 | 418円 | 1.90箱 |
26位 | 静岡県 | 静岡市 | 455円 | 1.90箱 |
27位 | 三重県 | 津市 | 485円 | 1.88箱 |
28位 | 岩手県 | 盛岡市 | 415円 | 1.85箱 |
29位 | 栃木県 | 宇都宮市 | 444円 | 1.85箱 |
30位 | 滋賀県 | 大津市 | 398円 | 1.83箱 |
31位 | 東京都 | 東京都区部 | 416円 | 1.82箱 |
32位 | 長崎県 | 長崎市 | 449円 | 1.81箱 |
33位 | 奈良県 | 奈良市 | 443円 | 1.79箱 |
34位 | 福井県 | 福井市 | 468円 | 1.78箱 |
35位 | 岡山県 | 岡山市 | 382円 | 1.76箱 |
36位 | 和歌山県 | 和歌山市 | 396円 | 1.74箱 |
37位 | 山口県 | 山口市 | 411円 | 1.71箱 |
38位 | 岐阜県 | 岐阜市 | 382円 | 1.69箱 |
39位 | 大分県 | 大分市 | 433円 | 1.69箱 |
40位 | 大阪府 | 大阪市 | 398円 | 1.68箱 |
41位 | 広島県 | 広島市 | 389円 | 1.68箱 |
42位 | 愛知県 | 名古屋市 | 367円 | 1.59箱 |
43位 | 千葉県 | 千葉市 | 349円 | 1.58箱 |
44位 | 島根県 | 松江市 | 416円 | 1.52箱 |
45位 | 兵庫県 | 神戸市 | 333円 | 1.50箱 |
46位 | 沖縄県 | 那覇市 | 331円 | 1.45箱 |
47位 | 埼玉県 | さいたま市 | 339円 | 1.44箱 |
出典:地域の入れ物
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