食のこばなし

カボチャ

NO.39

日本かぼちゃから西洋かぼちゃへ

かぼちゃは太平洋戦争で負けて食べるものにも事欠いていた戦後問もない時代、飢えた日本人を救った最大の功労野菜です。戦争末期から食べるものがなくなった日本では、空き地があれば野菜類を植えており、かぼちゃはどこの家でもその筆頭格でした。

かぼちゃは、緑黄色野菜の中でもデンプン、タンパク質を多く含んだ栄養分の豊富な野菜であり、しかも育てやすかったのです。ウリ科の一年生結実で黄色い花が咲き、夏には実が成長していきます。

原産地は南北アメリカ大陸であり、日本には1541年、大分に漂培したポルトガル船から持ち込まれたカンボジア産のかぼちゃが最初と言われています。かぼちゃは、南瓜、南京、唐茄子、ボウブラ、ポンキンなどとも呼ばれています。

西洋かぼちゃは1863年アメリカから移入され、北海道で栽培されるようになりました。主成分の糖質は100g当り20.6g〔日本食品成分表〕で、日本かぼちゃのほぼ2倍になります。もともとは日本かぼちゃが主でしたが、「ホクホクして甘い」西洋かぼちゃが、市場の90%を占めるようになってしまいました。

ズッキーニはキュウリのように見えますが、イタリアで改良されたペポかぼちゃの一種です。また観賞用、飼料用としても栽培されているかぼちゃもあります。

カロチン・ビタミンが豊富!

女性が好む食べ物として、「イモ、タコ、ナンキン」という言葉がありますが、ナンキンとはかぼちゃのことです。

筆者は、水炊きにしたシンプルなかぼちゃが好物です。てんぷらにするとタンパク質、βーカロテンの吸収をよくするようです。栄養価が高いので、ポタージュスープやジュースにして積極的に摂れるようにいろんな工夫がされています。甘みの強い品種は、パイ、プリン、かぼちゃあんにして、お菓子作りにも向いています。

世界で一番生産益の多いのは中国で、ついでインド、ロシアと続き、日本の生産量は16番目です。日本国内では年間約23万トン〔平成15年度〕が収穫され、果菜類ではトマト、キュウリ、ナスに次いで第4位になっています。

日本産のかぼちゃは、45%が北海道産です。保存も利くので輸入も多く、ニュージーランド、メキシコなどから年間15万トン輸入されており、生鮮野菜では玉ねぎに次いで多く輸入されています。

かぼちゃの栄養分を調べてみると、カロテンが多くふくまれており、抗酸化作用、ガンの予防効果などに期待できます。

生活習慣病の予防や免疫機能を高めてガンを予防するビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを多く含一み、食物繊維もたっぷり含みます。腸内の有害物質を排泄して胃腸を整えてくれます。ビタミンCはトマトの約3倍含まれており、β-カロテンと共に働いて体内で発ガン物質の合成を阻止する働きがあるということです。

 

冬の貴重な緑黄色野菜

日本では、「冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かない」と言われています。冬は緑黄色野菜が不足しがちであり、保存の利く栄養豊富なかぼちゃを摂取して、皮膚や粘膜の抵抗力をつけ、感染症に対する抵抗力をつけてくれます。冷え性にも効果があるということです。さらにビタミンEも豊富に含んでおり、野菜ではトップクラスです。

皮、周辺部は栄養価に富み果肉の部分よりも高いので、煮物、てんぷらも皮付きのまま調理するのが普通です。かぼちゃのタネのかたまりの部分には果肉の3倍もβーカロテンが含まれているので、新鮮なうちは捨てずにスープに使うと効果的に摂取できます。

中国ではかぼちゃのタネを乾燥させて食べる習慣があります。タネを歯で器用に割り、中の実だけを食べるのですが、中国人は慣れているので非常に速い。割ったかすは、足もとに吹き出しているので、足もとはたちまちかぼちゃのタネの殻だらけになってしまいます。

世界各地で人々に親しまれているかぼちゃは、食品以外にもよく利用されています。ハロウィンやシンデレラの馬車、夏目漱石の小説には、「うらなりの唐茄子」なる人物も登場します。

文:ばばれんせい 絵:とよだゆき

 

かぼちゃの食品成分

かぼちゃの生産量の都道府県ランキング(平成30年)

順位 都道府県 収穫量 割合
1 北海道 65,500t 41.10%
2 鹿児島県 8,510t 5.30%
3 茨城県 7,960t 5.00%
4 長野県 6,480t 4.10%
5 宮崎県 4,820t 3.00%
6 千葉県 4,380t 2.70%
7 長崎県 4,080t 2.60%
8 沖縄県 3,750t 2.40%
9 神奈川県 3,290t 2.10%
10 秋田県 2,840t 1.80%
11 山形県 2,820t 1.80%
12 青森県 2,280t 1.40%
13 福島県 2,260t 1.40%
14 広島県 2,200t 1.40%
15 石川県 2,180t 1.40%
16 熊本県 2,150t 1.30%
17 岡山県 1,890t 1.20%
18 三重県 1,820t 1.10%
19 新潟県 1,710t 1.10%
20 宮城県 1,630t 1.00%
21 大分県 1,490t 0.90%
22 愛媛県 986t 0.60%
23 山口県 856t 0.50%
24 佐賀県 842t 0.50%
25 和歌山県 238t 0.10%

出典:地域の入れ物