食のこばなし

そば

NO.40

日本のそばは3000年前から!

大みそかに食べる年越しそばは、江戸時代から日本に根付いた習慣のようです。そばのように「細く長く元気で暮らすように」との願いをこめて食べると言われています。他には、そばは切れやすいので、1年間の苦労を切ってしまって翌年まで持ち越さないように縁起をかついで食べるとも言われています。

そばの原産地はシベリアからインド周辺と言われていますが、中国の雲南省という説もあります。日本でそばが栽培され出したのは、およそ3000年前の縄文晩期と推定されています。

そばはタデ科の一年草で、痩せた土地にもたくましく生長し、50~75日という短期間で収穫できる穀物です。飢餓を救い、戦後も主食のコメの代用食として栄養摂取できるので、うどんと共に重宝されました。

品種は「キタワセソバ」が主流です。主要生産地は1位が北海道、次いで茨城県、長野県などです。良質な農産物の主用地に共通する、1日の寒暖の差が激しい土地です。ただし、日本の消費量の80%は輸入品で中国84%、アメリカ12%、カナダー1.2%など外国に頼っています。

中国・四川省の山奥に旅行したとき、山の斜面にそばの花が一面に咲いており、花の上にはおびただしいチョウが飛び交っていました。土地の人に開いたところ、農薬をまかないからチョウが来るということで、収穫物のほとんどが日本に輸出されるということでした。

 

「そば切り」ができたのは寛文年間

そばは古くは粒食でしたが、米や粥のように炊いたり、挽いた粉をそばがき、団子、おやき、すいとんなどにして食べるようになりました。しかし何といってもそば切り、つまり私達がいつも食べている麺状に切ったそばがもっともポピュラーな食べ物になってしまいました。

そばに汁をつけて食べる「そば切り」ができたのは寛文年間で、約280年前と言われています。そば屋が繁盛して、1700年代後期に江戸で醤袖の消費量が増えたそうです。

「年越しそば」や「引越しそば」の風習も江戸時代に江戸の町で生まれたと言われています。

そばは栄養価が高く、蛋白質10~13%、脂質2~3%、粗繊維が1.2~2%、灰分0.7~1.5%の割合です。

また、機能性成分も豊富です。特に注目されるルチン(ビタミンP) は、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用、コレステロールを下げ、血圧や血糖降下作用、毛細血管を強化する作用があります。

ルチンは10~25mg/100g中程度含まれています。そばは、甘そば、苦そば、花そばの3種類に分けられます。苦そばは「髄靱そば」とも呼ばれ、甘そばの10倍以上のルチンが含まれています。

肝機能促進のコリン、記憶細胞を活性化するポリフェノール、美肌効果や糖質・脂質代謝に働くナイアシン、貧血予防の鉄も含まれています。ビタミンB1、B2はコメや小麦の2~4倍あります。このビタミンは水溶性なので、そば湯に溶け出してピタミンCを一緒に摂取すると効果的です。薬味のネギや大根おろしをそば湯に入れて飲むのがベストということです。

そば切りを食べた後、たれにそば湯を入れて飲む風習は、江戸時代から出てきた文化のようです。そば切りを食べた後のスープ状のたれはことのほかおいしいし、そばのゆで湯に溶けだした栄養素を取り込む知恵から生まれたもののようです。

そばを原料にしたそば焼酎をそば湯で割った飲み物は、そばの香りが香ばしくて口当たりがよく、ついつい飲みすぎるということを聞いたことがあります。

「江戸ソバリエ」

「江戸ソバリエ」という認定講座があります。

耳学(江戸そばなどに関する学習)、手学(そば打ち体験)、舌学(そば屋さんの食べ歩き)、脳学(そばに関するまとめのレポート作成)を受講して認定を受けるものだそうです。

美味しいそばは、挽きたて、打ちたて、茄でたて、穫りたての麺で、コシのあるもちもちした食感、香り、かすかな甘み、のど越しの良さなどがあげられます。

その他、クッキーなどのお菓子類、そば茶、そば焼酎、ビールなどにも利用されます。またそば殻は枕の中身に利用されます。

 

文:ばばれんれい 絵:とよだゆき

 

そばの食品成分

食品成分データベース (mext.go.jp)

そばの生産量の都道府県ランキング(令和元年)

順位 都道府県 収穫量 割合
1 北海道 19,700t 46.20%
2位 長野県 3,350t 7.90%
3位 山形県 2,580t 6.10%
4位 栃木県 2,340t 5.50%
5位 秋田県 2,070t 4.90%
6位 茨城県 2,010t 4.70%
7位 福島県 1,910t 4.50%
8位 岩手県 1,460t 3.40%
9位 福井県 1,250t 2.90%
10位 青森県 1,010t 2.40%
11位 鹿児島県 946t 2.20%
12位 群馬県 546t 1.30%
13位 熊本県 485t 1.10%
14位 新潟県 484t 1.10%
15位 滋賀県 296t 0.70%
16位 富山県 225t 0.50%
17位 宮崎県 183t 0.40%
18位 宮城県 182t 0.40%
19位 岐阜県 166t 0.40%
20位 島根県 157t 0.40%
21位 埼玉県 138t 0.30%
22位 鳥取県 112t 0.30%
23位 千葉県 108t 0.30%
24位 山梨県 108t 0.30%
25位 広島県 103t 0.20%
26位 大分県 103t 0.20%
27位 岡山県 99t 0.20%
28位 兵庫県 82t 0.20%
29位 石川県 65t 0.20%
30位 長崎県 61t 0.10%
31位 三重県 51t 0.10%
32位 福岡県 47t 0.10%
33位 京都府 38t 0.10%
34位 沖縄県 33t 0.10%
35位 佐賀県 22t 0.10%
36位 静岡県 19t 0.00%
37位 愛媛県 19t 0.00%
38位 山口県 17t 0.00%
39位 徳島県 17t 0.00%
40位 香川県 15t 0.00%
41位 神奈川県 9t 0.00%
42位 愛知県 9t 0.00%
43位 奈良県 8t 0.00%
44位 高知県 2t 0.00%
45位 東京都 1t 0.00%
46位 大阪府 1t 0.00%
47位 和歌山県 0t 0.00%

出典:地域の入れ物