Blog食育交歓

2023夏休み第7回食育ワークショップを開催しました

テーマ:「学校給食甲子園入賞献立を作ってみよう!食育も学んだよ」

主 催:認定NPO法人21世紀構想研究会 全国学校給食甲子園

対象者:小学3年生から高校生(保護者同伴)

日 時:2023年8月5日(土)午前11時00分~午後2時00分(3時間)

参加費:無料

食材について:ひじき、乾燥わかめ・麩、粉だし(かつお)、一味唐辛子は事前送付、その他の食材の準備と食材費はご負担願いました

講 師:下川洋子さん(長崎県五島市三井楽学校給食センター栄養教諭・2022第17回全国学校給食甲子園決勝出場)

講 師:臼井洋子さん(長崎県五島市三井楽学校給食センター調理員・2022第17回全国学校給食甲子園決勝出場)

第7回食育ワークショップ・レシピPDFはこちら

 

8月5日(土)、第7回食育ワークショップをオンライン(ZOOM)で開催しました。

講師は昨年第17回決勝大会に出場した長崎県五島市三井楽学校給食センター・栄養教諭の下川洋子先生と調理員の臼井洋子さんです。この日は長崎県五島のキッチンスタジオと東京・渋谷の事務局スタジオをつなぎ、参加者は富山、東京、神奈川、大阪の6チーム13名が参加しました。

長崎県五島市三井楽学校給食センターの下川洋子先生(左)調理員の臼井洋子さん

 

午前10時55分からオンラインの接続が始まりました。この日は小学3年生3名、4年生1名、5年生2名、6年生1名と保護者の参加です。調理前にひじきを水に戻す、調味料計量の事前準備をお願いしました。

開始時間11時には6チームがご自宅のキッチンに立って笑顔で勢揃い。事務局から1チームずつ紹介をして、いよいよ調理開始です。

調理スタート!

五島キッチンスタジオの下川洋子先生から最初に調理前の注意事項が説明されました。「お米2合を炊きます。炊飯器のスイッチを入れてください。」

 

きゅうりのピリッと漬け

最初はきゅうりのピリッと漬けを作ります。「きゅうりは洗って5ミリくらいに切っていきましょう」「庖丁を切るときの反対の手は猫の手です。こんな風に」と調理員の臼井さんが画面で見本を見せてくれました。

 

画面からは子どもたちが庖丁を使ってきゅうりを切っていきます。作業が終わった人から手があがっていきます。「次はきゅうりをさっとゆでます。給食では野菜を加熱します。普通は塩もみするところですが湯を通すことで、きゅうりの水分を飛ばし塩分を控えることができます」ふつふつ鍋の周りが再沸騰したらザルへ入れ水で冷ましましょう。

調味料とあわせて、食べる直前まできゅうりは冷蔵庫で冷やします。

擬製(ぎせい)豆腐に挑戦

「擬製豆腐へ入れる豚ひき肉を炒めます。使う調理道具で火加減が違ってきます。テフロンフライパン、鉄のフライパン、玉子焼き器、おうちはどんな調理道具を使ってますか?見せてください」

フライパンを画面越しに見せて油の量、火加減を調整します。

「次はにんじん、長ねぎを切ります。にんじんはうす切りにして長めに切って向きを変えて粗みじんに切ります」調理のポイント部分では下川先生の手作りイラストが登場します!!

野菜を切る、刻むは子どもたちにとっても調理スキルを要します。ここではたっぷり時間をとって調理を進めました。

木綿豆腐をボールへ入れスプーンの背を使ってつぶしていきましょう。擬製豆腐の具が揃ってきました。調理員の臼井さんが平らなところで卵の割り方を見せてくれました。子どもたちも上手に卵をボールへ割り入れていきます。調味料を入れて混ぜ合わせます。

卵液を玉子焼き器へ入れて弱火でゆっくり焼いていきます。卵液の熱が均等になるように少し混ぜながら火を通していきます。

擬製豆腐を焼いている間に、みそ玉作りです。味噌汁の具材は乾燥わかめと麩と長ねぎ。

4人分のみそ玉の材料を混ぜ合わせて、4等分に分けてお湯を注ぎます。

そろそろ擬製豆腐が固まってきましたね。こんがり、いい香りがしてきました。

さぁ!ラストは擬製豆腐をひっくり返す技アリ!大きめの平らなお皿を載せてくるっと回転、どのチームも失敗せずに完成!!

 

「さぁ!みなさんうつわに盛り付けをしましょう。」おうちの方々とのリレーションです。ぞくぞく写真データが送られてきます。おいしい出来上がり写真が揃いました。表現することは作るよろこびにつながります。今回は大阪から参加の5年生Yさんの「いただきます」のあいさつで1時間の試食会に入りました。当日は長崎県五島の郷土食「かんころ餅」の説明もいただきました。

 

 

食育のおはなし

午後1時30分からZOOMを再開。一人ずつ試食の感想を聞くと「おいしかった!」「擬製豆腐がおいしかった」「全部食べたよ」おいしい笑顔があふれていました。

共有画面に切り替え、下川先生から「五島列島の魅力と擬製豆腐の由来、料理の名前」をテーマに食育のおはなしです。まず先生が暮らす五島列島についての紹介からはじまりました。

 

 

長崎県の西に浮かぶ大小約150の島々からなる五島列島。

雄大な景観、美しい浜辺など手つかずの自然がたくさん残っています。島へは長崎から飛行機で約30分、ジェットホイルでも約1時間30分。温暖で、一年を通して過ごしやすく魅力がたくさんあります。

 

学校給食のはじまり

さて、みなさんの給食は学校で作っていますか?センターから運ばれてきますか?一番好きな給食は何でしょうか?子どもたちとの対話で好きな献立はラーメン、カレー、白ごはん、フローズンヨーグルト・・・とこたえてくれました。

給食が最初に始まったのはどこでしょうか。という質問には全員が②山形県と正解だったのにはびっくりしました。

下川先生からは給食は今は空腹を満たすためだけでなく、栄養バランスの取れた食事の学習や体験の場として給食があります。

給食は教育の一環 教材の1つ

給食は教育の一環 教材の1つです。国語や算数を勉強するときに教科書やドリルを使ったり、理科で実験をしたりしますが、給食もそんな教材の1つとお話がありました。

これは地元郷土料理やの地元産・県内産の食材をいっぱい使った昨年度の全国学校給食甲子園で決勝大会に出場させてもらった時の献立です。

SDGsって聞いたことがありますか?「世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう!という計画や目標のことです。SDGsを考える&地元の特産品を使う・・・ということで乾物にスポットを当てて中学生が献立を立てることになりました。そこで、こんな献立もできるんじゃないの?ということで作ったのがこの献立です。

主食はさつまいもを蒸してから干した「かんころ」を入れた「かんころめし」

主菜は町内の養鶏場の卵や五島の豆腐、豚肉、乾物のひじきを入れた「擬製豆腐」 今日皆さんと作った献立です。

副菜は、五島の特産物切干大根を使った「五島産切干大根の酢の物」

汁物は五島豚と野菜、干しシイタケなどのうまみをたっぷり詰め込んだ「具だくさん汁」です。

 

料理の名前を調べてみる

 

今回作った「擬製豆腐」ですが、精進料理のひとつで、お坊さんが肉や卵を堂々と食べられなかったので、豆腐や野菜と混ぜて作ったそうです。

崩した豆腐を基に戻すことから「擬製豆腐」という名前が付いたという説や、義省(ぎせい)という名前の尼さんが考えたという説などがあります。具だくさんの卵焼き!ですね。料理は名前を調べてみるのも面白いですね。

 

「食」を積み重ねて力を発揮できる体と心を作る

 

 

 

参加してくれた皆さん、保護者の皆さんの体も私の体も、私たちの体は食べたものでできています。

これから先、なりたい自分、出したい力があると思います。運動だけ、勉強だけしても土台がしっかりしないとかなわないことがあります。

それをかなえられるよう「食」を積み重ねて力を発揮できる体と心を作っていってください

本日はありがとうございました。

 

子どもたちへチャレンジ参加証

今回の食育ワークショップは夏休み自由研究の課題にしたり、7名の子どもたちへは主催者より「全国学校給食甲子園調理チャレンジ参加証」をおおくりしました。

 

まとめ(今後もICTを活用した食育事業を展開)

オンラインでは4回目のZOOMを使った食育ワークショップを開催しました。参加者からは楽しい企画をありがとうございました。実際に日本の給食を作ったり、学んだりすることで、より普段食べている給食の素晴らしさを実感できました。など感想が寄せられました。

子どもたちはコミュニケーションをとり、おうちの方々と協力して調理をしました。また発言するとき、他の人の発言を聞くときのオンライン・マナーができていて、ミュートやチャット機能を上手く使いこなしていました。

子どもも大人もおいしく楽しく食育を学んだ一日でした。

来年度も栄養教諭の先生、調理員の方々自治体関係者ともご協力いただきICTを活用した食育事業に取り組んでまいります。

講師の下川洋子先生、調理員の臼井洋子さん参加者の皆様ありがとうございました。

 

報告:全国学校給食甲子園事務局 峯島朋子