Blog食育交歓

北海道美唄市が地域活性化として食農教育に取り組む

農業体験学習と副読本の発刊

北海道美唄市が地域活性化として食農教育に取り組む

 

北海道中部に位置し、かつては日本を代表する石炭産地として栄えた美唄(びばい)市(人口19,244人、2023年5月末現在)が、いま地域振興の一環として農業を小中学校の学習に積極的に取り入れ、地域と密着した食農教育に取り組んでいます。学校給食・食育と平行しながら展開する活動の一端を紹介します。

農業の体験学習こそ生きた教材

美唄市では、「地域に根ざし、暮らしに学ぶ」の視点から、市の基幹産業である農業の教育的効果に着目し、平成22年度から「小学校農業体験学習」をスタートさせるとともに、「小学校農業体験学習副読本」を作成しました。

昨年、「アルテピアッツァ美唄30周年」の講演会にお呼びした中村桂子先生(生命誌研究者、JT生命誌研究館名誉館長)が、平成22年から美唄市で農業体験副読本を作成していたことを知り、大変、驚かれ共鳴してくれました。

というのも中村先生は、福島県喜多方市の小学校農業科を応援されていたからです。今年度、副読本を改訂した際には、第1章に「あなたが生きものであることを学ぶ農業」の文章を書いていただきました。

今年から総合的な学習の時間の中に、農業科を位置づけ、子どもたちに、環境や生きものにたいする謙虚な姿勢や感謝の気持ちを、給食や食の指導をからめて育てていきたいと願っております。

ちなみに、給食は生きた食の教材と位置づけ、令和4年度から小学校中学校の給食費を無料としています。(小中合わせて約1000食)

今年度から、市内の小学校では、総合的な学習の時間に「農業科」を組み込み、継続的に「農業で学ぶ」取り組みを進めるとともに、新たに「美唄市小学校農業科読本」を発行し、「農業科」の学習において、活用されています。

また、学校給食については、地産地消による安全・安心な給食の質の充実に努めるとともに、地域の特色ある食農教育の生きた教材として位置付け、農業科と関連付けた授業を進めています。

美唄市教育委員会 教育長 石塚信彦

北海道中部は稲作も盛んであり、子どもたちは毎年、田植えを行います。

   JAびばいの職員による出前講座「アスパラガスの学習」

アスパラガスの栽培はこの地域では盛んにおこなわれています。

ミニトマトの栽培

 農業科読本を活用した学習