No.12 第16回全国学校給食甲子園応募メニューと玖島中学校での関わりについて 長崎
「食べて学んで元気印」
~学校給食リレー報告~
ここでは全国の学校給食関係者、教員、保護者、生産者、行政関係者、児童・生徒、学生、大会サポート企業・団体からリレーで学校給食・食育をテーマに自由に報告をしていただくコーナーです。全国から届くわくわく「元気印」をお届けいたします。
第12回は長崎県・大村市中学校給食センターの栄養教諭・佐田マキ先生から元気印が届きました。
No.12「第16回全国学校給食甲子園応募メニューと玖島中学校での関わりについて紹介します。」
長崎県 大村市中学校給食センター・大村市立玖島中学校 栄養教諭 佐田マキ
全国学校給食甲子園で第15回は優秀賞、今回の第16回で特別賞をいただき、6中学校、3150食をまかなう大規模給食センターでも、成果を残すことができたことを、とても嬉しく思っています。
今回の受賞は、給食センターの調理員さん、学校の先生や生徒、地域の農家の方のご協力のおかげで、いただくことができました。給食センターの受賞とはいえ、学校でも身近に感じていただけたようです。
学校と離れた給食センターではありますが、これからも、学校とのつながりを大切にしながら、給食作りに励みたいと思っています。
玖島中学校での教育活動と給食との関わり
①技術科「栽培活動」で育てた「バジル」を給食に使用した経緯について
技術科の栽培活動~種から種へ~で生徒が育てたのは「バジル」です。中学校で生徒が「種から育て、また、種をとる」という教育活動はSDGsの「持続可能な生産活動」につながるということを、私自身も勉強することができました。
ぜひ、この生徒が育てた「バジル」を給食に取り入れたい!という思いから、レシピを考え、試作を繰り返し、ミートローフにかける「バジルトマトソース」が完成し、第16回学校給食甲子園応募メニューとしました。
バジルたっぷりのソース「ジェノベーゼ」にすると、バジルは強調されますが、大量調理の給食センターで、生徒は好んで食べてくれるだろうか?慣れている味というわけではなさそうで、好き嫌いが分かれる味だとしたら、せっかく作っても多く残されてしまう。など、新メニューを取り入れる上で、大人においしくても生徒にはどうなのかという視点で考えていくことであり悩ましいところでもあります。
バジルは使いたいけれど、生バジルではなく、ジェノベーゼでもなく、トマトと合わせて、ほんのり香るバジルにしようと思いました。長い長い?!検討の結果、「バジルトマトソース」に決定、調味料の配合の検討に移りました。
検討の途中で、農家の方の取材に行った際、なんと大村の地場産「トマト」を給食に使うことができるようになったこともラッキーなことでした。
さて、バジルの旬は7月から8月です。夏の暑い時期に、鮮やかな緑の葉が生い茂ります。寒さに弱く、冬は越せないといわれるバジルですので、給食センターで大量に使う量の確保はどうしたらよいのかという課題があがりました。そんな中、「バジルは冷凍できる便利なものである」という情報が入りました。たくさん収穫できる時期に冷凍しておくということは、SDGsの食材を無駄にしないという安定した食料供給につながることもプラスになりました。
試作を重ねるうちに、冷凍したものをすぐにミキサーにかけた方がより細かなバジルになることがわかりました。トマトソースとはいっても、調味料の中に、バジルを入れただけでは、香りがあまり出ないこと、水を加えることで、バジルの風味が感じられることがわかりました。
最初は10人分の試作から始まり、最終的には、給食センターでの試作を調理員さんと行ったことで、給食当日には、一番おいしい「バジルトマトソース」が完成しました!!
②「バジル」が育った後の活動の様子
バジルの葉をとった後は、たくさんの種ができますが、一粒一粒種を取る作業が大変!!です。生徒が、真剣に作業をして、「玖島バジル」の種袋が完成しました!!
大変な種取り作業を紹介します。
③最後に、生徒の給食標語を紹介します。
全校生徒が給食センターに向けて標語を書いてくれました。その中から優秀作品を選び、校内に掲示しています。
来年は、どのような教育活動とコラボした献立ができるか、模索中です。ぜひ、学習内容と関連させ、生徒のがんばりを取り入れた献立を計画しようと思っています!