No.1 「まび産直」さんとの交流 岡山県立倉敷まきび支援学校
「食べて学んで元気印」
~学校給食リレー報告~
4月から給食甲子園Blogに新しいコーナー「食べて学んで元気印」~学校給食リレー報告~がスタートします。ここでは全国の学校給食関係者、教員、保護者、生産者、行政関係者、児童・生徒、大会サポート企業・団体からリレーで学校給食・食育をテーマに自由に報告をしていただくコーナーです。全国から届くわくわく「元気印」をご期待ください。
トップバッターは岡山県立倉敷まきび支援学校の栄養教諭・横山宏子先生からの報告です。横山先生はブログ「今日の給食」Facebook、Twitterを使い献立を日々発信されています。
No.1 「まび産直」さんとの交流
岡山県立倉敷まきび支援学校 栄養教諭 横山宏子
平成30年7月西日本豪雨で、倉敷市真備町は甚大な被害を受けました。
町域の4分の1が浸水し、5,700棟を超える住宅が浸水し、災害直後は約4,800人が避難をしました。学校のすぐそばを流れる小田川、その支流高馬川、末政川の6カ所が決壊し、最高水位が4.8m にもなり、洪水は校舎の2階の床上5㎝まで達し、1階にある教室、校長室、事務室、保健室、体育館、ランチルーム、厨房もすべて水没しました。
真備産直さんの被災状況は、水が引いた後、田畑に水と一緒にがれきも流れ込み、ビニールハウスは倒壊し、「まび産直さん」の呼び名で倉敷まきび支援学校の台所(給食室)を支えてくださっている生産者の皆さんも大変な被害と心に負担を抱えられました。
その後、激甚災害に指定されたことから、補助金の交付を受けてビニールハウスを再建され、同年11月から稼働、翌年1月から出荷を再開された山田美幸さんは、生産者のお一人で、産直の窓口役としてお世話くださっています。
しかし、皆さんが同様に再建できたわけではなく、高齢のため離農された方もおられ、
現在は15人、約30種類の野菜果物を季節に応じて出荷されています。特に真備町の特産品である生の竹の子やピオーネを味わえることは本校の自慢の一つでもあります。
そんな皆さんに毎年、学校給食週間には、お礼のお手紙を送っていましたが、今年は、生産者の皆さんも「倉敷まきび支援学校の子どもたちが、自分たちの作った野菜でできた給食を笑顔で食べている姿を見たい。」と代表の方4人が来校されました。コロナ禍なので、子どもたちと一緒に会食はできませんでしたが、まび産直さんのキャベツとねぎを使ったサイコロステーキ丼、牛乳、フレンチサラダ、みそ汁というメニューの給食を食べていただきました。サイコロステーキ丼の牛肉は、農林水産省の補助事業でコロナ禍によって消費が落ちこんだ岡山県産の黒毛和牛を使ったものです。
給食時間に食べている様子を見学してもらい、途中、中学部の代表から感謝の手紙を受け取っていただいたり、被災前は畑をお借りして産直のメンバーさんと作物を育てていた高等部生徒と「また一緒に活動ができたらいいですね。」などとお話もできたりして有意義に過ごしていただきました。
「みそ汁は、だしがよくきいていて、家庭的な味で本当においしかったです。学校も明るく、子どもたちが食べている様子も見ることができてよかったです。これからも末永くお付き合いができることを願っています。」と喜ばれていました。来年は、子どもたちと一緒に会食ができ更に交流が深まることを願っています。