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若手栄養士の給食奮戦記(3)

直営から民間委託への変更

鷲田岬(東京都板橋区立志村小学校 学校栄養職員、3年目)

 

今回より連載に参加します、学校栄養職員3年目の鷲田岬と申します。私自身、食べている時が一番幸せで、給食中の子どもたちの笑顔が何よりも大好きです。失敗もあり落ち込む日もありますが、子どもたちの笑顔を見ると一気に元気になります。パワーの源である子どもたちのために、毎日奮戦しています。私の体験が、少しでも皆さまの参考になればうれしく思います。

 

給食室の立ち上げ

今年度より本校の給食調理業務が民間委託化され、調理員さんが区職員から民間委託業者の方に代わりました。新任の学校栄養職員として志村小学校へ配属となり、2年間お世話になったベテランの調理員さんたちは、全員異動。栄養士である私だけが残り、立ち上げを行うことになりました。

 

食育の日献立【ご飯、ひじきふりかけ、赤魚のにんにくみそ焼き、八戸せんべい汁、牛乳】
2学期よりポリプロピレン食器から強化磁器食器に変わり、
デザートスプーン、デザートフォークが加わります

 

板橋区は民間委託校が増えているため、調理員さんたちは“いつか立ち上げをするのでは” と考えていたようで、私が一人でもやっていけるようにと、たくさんのことを教えてくださいました。子どもたちが好きな味、よく食べる調理の工夫、作業工程や作業負担を考えた献立作成、栄養士としての在り方。厳しくも温かい方々の中で、基礎から育てていただきました。同期の栄養士の中でも直営校に勤務している栄養士は少なく、直営の調理員さんと仕事ができたことは、私の中で大きな経験です。

4月からは民間委託業者の調理員さんが入り、新体制となりました。まずは給食室についての説明から始まり、ガスや水道の元栓の位置、調理機器の使い方や特徴、ゴミの回収日や処理方法、さらに試作会で調理機器や作業動線の確認を行い、何度も何度も打ち合わせを行いました。新体制であっても、“初日から安全で確実に給食を提供しなくてはならない” というハードルの高さを感じました。

 

新体制での給食が始まって

同じ学校で、直営からの民間委託化を経験したことで、変化だけでなくあらためて双方の良さを感じています。直営の調理員さんは板橋区の献立を熟知し異動も少ないため、学校のことを知り尽くしています。頼り過ぎてしまうこともありましたが、同じ教職員として子どもたちに関わってくれたことは、とても勉強になりました。

民間委託に変わって一番に感じたのは、チーフをはじめ調理員さんのノウハウが素晴らしいということです。古い施設での作業に悩みがありましたが、チーフのアイデアから給食室内を模様替えし、調理機器などの配置、器具や物の使い方まで変わり、より衛生的になりました。さまざまな自治体や施設での経験、企業内の情報共有がなされているからこそのアイデアに、刺激を受ける毎日です。

民間委託になり給食室内だけでなく、出勤時間が早まることによる納入業者の納品時間の変更、消耗品予算の使い方、機械警備の導入などの変化もありました。夏休みには、工事や修繕、調理機器等の増設なども控えています。忙しくもうれしい変化なので、しっかり準備して臨みたいです。

 

昔ながらの給食室ですが、
ドライ運用を頑張っています

 

「先生」と呼ばれ、私の指示通りに作られていく給食。大きなやりがいを得ているのと同時に、“責任” の重さから不安も感じています。今までは、ベテラン調理員さんの意見を参考にできましたが、これからは全てを自分一人で考え、指示書に記していかなくてはいけません。

 

その日の盛り付けが全員に一目でわかるよう、
食器と食具を写真に書き込みます

 

正直、この3ヵ月の中で指示不足のために調理中に困惑が生じたこと、予想と少し離れた形になったこともありました。新しい環境で、私が指示をしなければ伝わらないのは当然。「言わなくてもわかってもらえる」というのは、今まで自分がいかに調理員さんに頼っていたかを痛感しました。

根拠や思いを持って指示書を作成し、作り方や必要なことを事前に打ち合わせる大切さ。基本ですが、当日に焦ってお願いすることのないよう見通しを立て、調理員さんたちが安心して安全に専念できる環境づくりをすることが、私の今一番の課題です。

チーフをはじめ調理員さんたちが本当によい方々で、つくづく「人に恵まれているなぁ」と感じます。まだまだ知識や指示能力など、未熟なところが多くありますが、今が頑張りどき。志村小学校の給食の良さを大切に守りながら、子どもたちのために調理員さんと共に進化していきたいです!

 

新規採用の調理員さんも多いため、
立ち上げならではの工夫として、
熱風消毒保管庫には庫内の収納写真を貼っています