あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.213

ヘリオトロープ

10月30日

 

10月30日は「香りの日」になっています。これは、昔から香炉、茶器など香りに縁の深かった石川県七尾市で、平成4(1992)年10月30日に「世界の香りフェアIN能登」が開催されたことを記念してのことです。

日本語で「香水木」とも呼ばれるヘリオトロープは南米・ペルー原産の灌木で、フランスに持ち込まれ後、世界に広まったとのことです。ムラサキ科キダチルリソウ(木立瑠璃草)属の名前のごとく独特な紫色の花をつけます。

バニラのような甘い香りがして、フランスではこれを原料にした香水が開発され、明治の終わりごろに香水として初めて日本に入ってきました。

夏目漱石の『三四郎』で、ハンカチに滲みこませた鋭い香りの香水を三四郎にかがせ、静かに“ヘリオトロープ”と女が囁くいう場面があります。

こういう経験をしたかったなとも・・・

ヘリオトロープというのは、季語にもなっています。

 

〇 ヘリオトロープ咲き極まりて強き香を(古川 芋蔓)