NO.108
アジサイ
7月17日
アジサイという名前は”青い花が集まり咲く”という意味の「あづ(集)+さい(さあい:真藍)」からきているといわれています。この木の学名の付け方について面白いエピソードがあるようで、『日本植物誌』を書いたことで有名なツンベルグが最初に macrophylla と命名した後、シーボルトが「お滝さん」と呼んでいた日本での愛妻・榎本滝の名前を引用して otaksa と学名をつけたのですが、その後の分類上の整理で macrophylla に戻っているようです。
牧野富太郎博士は「お滝さん」が遊女であったことから学名に使ったことを非難したとのことですが、牧野さんご自身は奥さんの名前から「スエコザサ」と命名しており、このあたりは倫理観の違いなのかも知れません。
ユキノシタ科の落葉低木で、咲き始めてから時間が経つにつれ色を変えることから「七変化」という別名もあります。また土壌のアルカリ性が強くなると花の色は紅色が増すようです。
ところで、石原裕次郎は、1987年7月17日に亡くなっていますが、裕次郎が映画化もされた「アジサイの歌」(滝田順作詞、斉藤高順作曲)を歌ったこともあり、また裕次郎自身がアジサイが好きだったことから、その命日を「あじさい忌」として、今も多くのファンが裕次郎を偲んでいます。
文:椋 周二