あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.73

ニッケイ

6月12日

 

京都の代表的なお菓子である「八つ橋」は、米粉、砂糖、ニッキ(ニッケイのが別の呼ばれ方)で作られた堅焼きの煎餅で、独特の香りと甘みがあります。これは、近代筝曲の開祖といわれている八橋検校が貞亨2(1685)年6月12日(旧暦)に亡くなった後、その日を「八橋忌」として弟子達が集まっていたわけですが、その会に出されたお菓子が「八つ橋」と名付けられたという説があるようです。少し湾曲した形はお琴の胴体をイメージしたものと言われています。

そして1960年代に入ると、堅い煎餅ではなく柔らかい生地でつぶあんを巻いた三角形の生八つ橋が生まれ、今では色々な味の餡や抹茶生地のものが売られていて、よく京都のお土産に買うことがあります。

日本にも自生するニッケイ(肉桂)のあの独特の味がするのは根の部分だけで、苗を植えてから収穫するまで15年ぐらいかかるそうです。子供の頃、他所の家のニッキの木の根を友達と掘りに行き、持ち主から苦情がきて学校の先生に正にビンタを食らった思い出があります。確かに、15年もかけて育てたものをイタヅラ小僧にやられたのではたまったものではなかったのでしょう。そうした思い出から、ニッキの苗を買って鉢植えにしているのですが、果たして美味しくいただけるのか今は心配な年齢になってしまいました。