あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.38

サツキ

5月8日

 

ツツジ科のサツキは、旧暦の五月(皐月)頃に咲くことから名付けられているように、まさに五月を代表する花木です。4月20日の誕生樹にしているツツジより1ヶ月ほど遅い5月頃から花が咲きますので、季語としてはツツジは春の季語、サツキは夏の季語となっています。ウノハナと同じく、ホトトギス(杜鵑)との相性がいいのか、杜鵑花という漢字をあてられています。

いわゆるツツジとサツキは同じツツジ科の植物ですが、花の咲く時期が違うということ以外に、ツツジは花が先で葉が後、サツキは葉が先で花が後、そして葉はツツジは毛があって柔らかく、サツキは光沢があって硬いと一般的に言われています。

サツキを自治体の花・木にしているのは数多くあるのですが、栃木県鹿沼市もその一つです。鹿沼と言えば、園芸用の土の“鹿沼土”を思い出される人が多いと思うのですが、盆栽にもよく使われているサツキにはなくてはならない材料が鹿沼土ということから市の花にしているのではないかと思います。昔、浅間山の噴火で鹿沼市一帯に堆積した軽石で、保水性・通気性・酸性のこの鹿沼土は、サツキにはぴったりということです。

「庭石を抱きてさつきの盛りかな」(三宅しょうざん)という俳句がありますが、サツキは川岸の岩場に自生もしますが、盆栽以外の庭園にも彩を添えてくれます。

 

文:椋 周二