NO.327
ボケ
2月21日
２月２１日は「漱石の日」と言われていることから、この日の誕生樹はボケ（木瓜）にしました。明治４４（１９１１）年のこの日、文部省からの文学博士号授与を断った日に因んでのこと。
正岡子規と予備校の同級生ということもあって二人の親交は厚く、”漱石”というのは子規のペンネームを譲り受けた俳号で、石で口を漱（すす）ぐというほどの変わり者という意味だそうです。亡くなった１２月９日が俳句の世界では”漱石忌”という季語となっているくらいに俳句の世界でも漱石は評価されています。
その漱石はボケを「愚にして悟ったもの」、「拙を守るという人の生まれ変わり」と評し、「余も木瓜になりたい」というぐらいにボケに入れ込んでいたんですね。その変わり者を自称する漱石は、下戸の方で、大の甘党。イギリス留学の経験もあり、パンにバターを塗り砂糖をつけて食べたり、紅茶にどっさり砂糖を入れて飲んでいたり、甘いものが大好物だったようです。４９歳で胃潰瘍のために亡くなっているのですが、過ぎたるは猶及ばざるが如しだったのでしょうか。
「木瓜咲くや漱石拙を守るべく」（漱石）