NO.203
サネカズラ
10月20日
サネカズラは、つる性のマツブサ科の常緑低木で、学名がKadsura japonicaなのですが、日本以外にも中国、台湾などにもあるようです。雌雄異花で雌花は秋にはきれいな赤い実をつけることから、「実が美しい蔓」という意味で「実蔓(サネカズラ)」または「真葛」と名付けられたといいます。
古くから和歌などに歌われています。中でも”名にしおはば逢坂山のサネカズラ人に知られで来るよしもがな”は百人一首にもあって有名ですが、これは蔓が伸びて別れてまた後に絡まり合うという意味の枕詞として使われています。また、サネは“小寝”の掛けことばで恋歌です。
茎や枝を水に浸しておくと糊状になり、それを男性の整髪料として使われていたことから、「ビナンカズラ(美男蔓)」という別名があります。また、伊藤三十四の俳句に「さねかづら昔男に琴の音」というのがありますが、この中の“昔男”は美男子の誉れ高い在原業平を連想させます。
日本毛髪科学協会が「とう(10)はつ(20)」という語呂合わせから10月20日を「頭髪の日」と決めているので、この日の誕生樹としました。