あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.260

コウゾ

12月16日

 

コウゾ(楮)は、別名「紙の木」と呼ばれているようですが、日本書紀によると610年に製紙技術とともに大陸から我が国に持ち込まれたといわれています。繊維も麻に次いで長く、取り出しやすいので良質の和紙ができます。カジノキとヒメコウゾとの雑種で、日本各地の山間地域で栽培可能で、日本で一番多く和紙の原料として使われています。

私の生まれ故郷の島根県西部の石見国も万葉歌人・柿本人麻呂の頃から作られている石州和紙はこのコウゾを原料とした手すきの和紙で品質の高さで有名なのですが、子どもの頃、近くの広場で刈り取ったコウゾの枝を大きな桶を逆さにして蒸していたのを記憶しています。蒸した後は皮をはいで乾燥させ、その後、すり潰して和紙を漉くわけです。

クワ科の落葉低木で、淡い赤紫色の花をつけ、イチゴに似ている果実はジャムや果実酒になります。

12月16日は「紙の記念日」です。明治8(1875)年12月16日に、渋沢栄一が大蔵省紙幣寮から王子製紙の前身となる製紙会社独立させて営業開始したことによるそうです。