NO.323
クロベ
2月17日
富山県の黒部市はクロベ（黒檜）が多くあったことから名付けられたということで、当然のことながら黒部市の木に指定されています。クロベはヒノキ科の針葉樹で、ヒノキに比べて幹や材が黒いことから名付けられたといわれています。
その黒部で有名なのは黒部ダム。そのダム建設には壮絶な苦労があった訳ですが、『黒部の太陽』という映画製作も石原裕次郎のこれまた壮絶な努力があったとのことです。私がその映画を見たのは黒部ダム建設と愛知万博に携わった建設会社の自主放映会でした。何故、映画館などではなく建設会社の自主放映会かというと、石原裕次郎はこの映画を企画した頃は映画界にもいわゆる業界の掟があって、それを打破して色々の系列に属していたまさに錚々たる俳優さんを集めて、映画を作ろうとしたことから、系列化している映画館では長く上映できなかったそうです。
自主放映のチケットは関西電力や関係した建設会社の人たちが買い、サポートしたとのことです。今でこそ黒部渓谷沿いを走るトロッコやトンネルがありますが、確か映画にも一つ足を踏み外せば命を落とすような人ひとりが歩ける崖を荷物を背負っていたシーンがありました。まさに、ものづくりをする男のロマン溢れる映画で、この映画が上映されたのが昭和４３（１９６８）年２月１７日でした。