あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.202

クコ

10月19日

 

昔、奈良県の吉野の山中で空を飛べる神通力を会得していた久米仙人が、飛行中、川で洗濯をしていた若い娘の足の脹脛(ふくらはぎ)の白さに気を取られて墜落し神通力をなくすのですが、クコの実を食べてまた飛べるようになったという伝説があるそうです。この仙人は186歳まで生きたという言伝えがあり、クコの実の不老長寿、滋養強壮の効果がすごいことを物語っているのかも知れません。江戸時代の本草学者の貝原益軒も「最高の妙薬」と言っているそうです。

ナス科の落葉低木で、道ばたなどに叢生しており、花は6~7月に咲き、紫色。実は9~10月ごろグミのような実をつけます。

中華料理でも乾燥させたクコの実がよく使われますが、デザートの杏仁豆腐に2,3粒のクコの実がのっているのはおなじみではないでしょうか。

茶目っ気もあり、あやかりたいと思う人も多いのではないかと思われる久米仙人に縁のある奈良県橿原市の久米寺では、毎年、10月16日から22日の間の日曜日に、仙人祭りが開催されます。仙人に扮した男性が踊り手の女性の浴衣の裾を杖の先で引っかけ回すというユーモラスな踊りだそうです。