あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.67

ガクアジサイ

6月6日

 

アジサイは日本の梅雨を代表する花ですが、地味な集合花の周りに大きな花弁(装飾花)が”額縁”のような花になるガクアジサイ(額紫陽花)、そして丸い集合花のシーボルトが愛人・お滝さんの名前を学名に入れたというアジサイが一般的です。どちらも日本原産の落葉低木で、庭木によく使われます。酸性の土壌では青色に、アルカリ性の土壌では赤紫色が多いようですが、咲き始めは白で、だんだん変化することから、俳句の季語では「七変化」とも言われています。白い花のアジサイもよく見かけます。

万葉集にも出てくるというアジサイの漢字は日本では“紫陽花”という字を当てますが、これは白居易の漢詩に仙人の世界の花に白居易自身が“紫陽花”と名付けたのを平安時代の日本の学者がアジサイのことと誤解して名付けたといわれます。確かに、梅雨時のアジサイに「陽」というのを使うのは変と言えば変ですね。

詩人・三好達治の「乳母車」の中に“紫陽花いろのもののふるなり”というフレーズがありますが、その紫陽花色というのは“淡くかなしいきもの・・”とあります。

中国にもガクアジサイに似た「八仙花」というのがあるそうで、763年6月6日に来日した鑑真和上が建立した奈良・唐招提寺に中国から贈られ、毎年この日を「日中友好の日」の頃、咲いているとのことです。こちらの方が白居易の名付けた“紫陽花”に近いのかも知れません。