あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.336

ウメ(紅梅)

3月2日

 

平安時代中期、村上天皇が御所・清涼殿の梅が枯れたので、代わりの梅を探させ、折都のはずれに立派な紅梅を見つけて御所に移植したところ、その紅梅の持ち主である紀貫之の娘が「勅なればいともかしこし鶯の宿はと問はばいかが答へん」という歌を枝につけ、天皇を品よく咎めたところ、返してもらったという故事が「大鏡」にあります。

この故事に由来するのが「鶯宿梅」と伝えられています。

梅と鶯は関係が深く、花札の「梅に鶯」の絵柄からしてもこの鶯宿梅は紅梅であろう思われます。梅の果肉の『鶯宿梅』を販売している万玉が経営していた福岡市の料亭の中庭にはそれは見事な紅梅がありました。

紅梅と白梅との違いについては2月25日の誕生樹の白梅の時にふれています。左遷された菅原道真が京を立つとき詠んだ梅は紅梅で大宰府に飛んできた飛梅は白梅と。一般的には紅梅は白梅より遅く咲くようです。

毎年、3月の第一日曜日に、太宰府天満宮では梅の木の下で曲水の宴が開催されます。

 

〇 紅梅の紅の通える幹ならん (高浜虚子)