NO.287
桜島コミカン
1月12日
鹿児島県の錦江湾に聳える桜島はわが国でも最も活発な活動火山の一つですね。1914年1月12日に大正大噴火があり、それまで完全な島であったものが、東側が垂水市と地続きとなったり、ほとんど鳥居が埋没するような大きなものだったとのことです。
桜島の火山活動には波があるようですが、35年前の昭和60年に鹿児島県に赴任した頃は非常に火山活動が盛ん時期で、しばしば轟音とともに原爆のキノコ雲を思わせる噴煙が立ちあがったものでした。夏の時期には南東の季節風に乗って火山灰が海を隔てた鹿児島市に降り、降り積もった火山灰を掃き集め、ゴミを出すようにしたものでした。
その桜島には特産品として、世界一大きな大根の「桜島大根」と世界一小さいミカンの「桜島コミカン」があり、両方ともギネスに認定されているようです。「桜島大根」は大きいものは30㎏、直径40~50㎝にもなり、格好は有名な絵本の『大きなカブ』のような感じですが、れっきとした大根だそうです。水分が多く、さらっとした品のいい味で、オデンなどの煮物や大根おろしとして食べられること多いです。
一方の「桜島小ミカン」は柚子ぐらいの大きさで、しっかりとした甘みがあり、なんだか食べるのがもったいない感じがしてしまうほどです。栄養分の少ない火山土壌で育つ世界最大と世界最小の特産品ですね。
「火の山はうす霞せり花大根」(鳳作)の俳句の花大根は「桜島大根」の種取り用だったのではないでしょうか。