NO.266
ユズ
12月22日
一年中で最も昼の時間が短い「冬至」には、カボチャ(南瓜)や小豆を食べ、柚子(ユズ)湯を使う慣わしが日本各地にあります。この時期ビタミンC豊富なユズが最盛期であり、お湯にユズの精油分が溶け出し、疲労回復、神経痛等にも良いことからといわれています。
「桃栗三年、柿八年」ということわざがありますが、この続きがいろいろある中で「柚の大馬鹿十八年」とあるように実が食べれるようになるまでに長い時間がかかるという意味です。
私もユズ(実)が大好きで、苗木を四国の方から取り寄せて狭い庭に植えたところ翌年には実がなりました。諺と違うなと思ったのですが、どうも十八年もかかるのは実生で育てた場合で、通常の苗木はカラタチなどの台木に接ぎ木をして育てるのでもっと早く実がなるようです。その代わりと言ってはなんですが、実生で育ったユズは200~300年の寿命があるようですが、接ぎ木の場合は台木の寿命に左右されて20~30年の寿命といわれています。桜のソメイヨシノの寿命が短いのは同じように接ぎ木の台木(多くはマザクラ)の寿命に左右されてのことなのかもしれません。
皮も香りが良く、繊細な日本食あるいは和菓子に重宝されています。ユズのジャムもなかなかのものです。
俳句の世界では「柚子の花」:夏の季語、「柚子」「柚子の実」「柚子釜」「柚子味噌」:秋の季語、「柚子風呂」「柚子湯」:冬の季語となっており、日本人の生活に深い関わりを感じます。