NO.234
ヤマナシ
11月20日
バラ科ナシ属のヤマナシは、栽培種のナシの原種になったものです。春には地味ではあるが桜に似た花をつけ、秋には4~5センチメートルの甘い香を放つ実をつけますが、味はよくありません。日本ナシには果肉に石細胞があり、かじるとサクサク、あるいはシャリシャリします。
古い時代に中国から入って、野生化したのではないかという説がありますが、『日本書紀』の中に、693年に「桑、紵(からむし)、梨、栗、蕪菁(かぶ)」を植えるようにとの勅令が出されたという記述があり、日本の固有種といってもいいのではないかと思います。
山梨県の名前の由来については、山を成らしたとか、山が無く平らな地形だとかあるようですが、奈良時代には「山梨郡」というのが甲斐の国にあったという記述もあるので、ヤマナシが多くあったからだという説を支持したいと思います。1871(明治4)年11月20日に甲府県から山梨県に改称されたことから、11月20日は「山梨県民の日」となっています。
〇梨もいで青空ふやす顔の上(高橋悦男)