NO.291
ヤブコウジ
1月16日
1月16日の誕生樹にしているヤブコウジ(藪柑子)は万葉の頃から和歌に謳われている植物で、大伴家持の和歌「この雪の消え残る時にいさゆかな山橘の実の光るも見む」の中の山橘のことです。まだ雪の残る早春の自然を詠んだものでしょうが、何か恋歌のようにも思われます。
山橘の一般名は“藪柑子”あるいは“藪橘”と呼ばれるようですが、橘(タチバナ)や柑子(コウジ)も柑橘類です。ヤブコウジの実は小さなサクランボ大の大きさで実は真っ赤で、むしろ小さなリンゴを連想させます。ヤブコウジの実は少し酸っぱいのか、あまり食用にはされませんが、可憐なイメージから和菓子のモチーフになっているようです。子どもの頃、裏山で見たヤブコウジは背丈も小さく常緑の葉に赤い実の姿は可憐だったなというといった印象が残っています。
古くから縁起物として植えられていて、万両、千両、百両などとも似ていることから十両とも言われていて、一両の「蟻通し(ありどうし)」とセットで、金運木のひとつです。
落語の演題で「寿限無」という超長い目出度い名前つけるというのがありますが、この中に”藪(やぶら)柑子の藪柑子(やぶこうじ)”というのが超長い苗字の一部に入っています。