NO.271
ムクロジ
12月27日
ムクロジの学名は Sapindus mukurossi で、「インドの石鹸・ムクロジ」という意味ということですが、日本の通称のムクロジがその一部に使われています。東アジアに広く分布するようですが、日本の山地に自生しています。
落葉高木の木ですが、秋にはギンナンの実の大きさ位の実がなり、この皮をこすり合わせるとサポニンという成分の泡が出て、石鹸になるといいます。まだ石鹸の無かった時代には大事だった訳で、英語名でも Soapnut-tree で、「セッケンノキ」という別名もあります。
この木は邪気を払うとも言われて、無患子という漢字を当てられますが、よくお寺の境内に植えられています。こうしたことから黒い実は数珠としても使われているのでしょう。
また、この種は正月遊びの羽根突きの追羽根に使われる。東くめ作詞、滝廉太郎作曲の「お正月」に”もういくつ寝るとお正月・・・追羽根突いて遊びましょ・・・”となんとなく、正月が待ちどおし時期です。
〇深大寺無患子拾ふ十あまり(柴崎忠雄)