NO.306
ボダイジュ
1月31日
「歌曲王」と呼ばれているオーストリアの作曲家・シューベルトは1797年の1月31日に生まれたことに因んで、この日の誕生樹はボダイジュ(菩提樹)にしました。「泉に沿いて茂る菩提樹 したにゆきてはうまし夢みつ・・・」と訳されて日本でも有名な歌曲「菩提樹」の樹は西洋シナノキのことで、初夏のころ、淡い黄色の花をつけますが、香りも良く、蜜源にもなるといいます。以前、ベルリンに行ったとき、ボダイジュの花の香りが漂う大きな公園を家内とレンタサイクルで走った思い出があります。
最近、「音楽家の食卓」(野田浩資著)という興味深い書籍が発売されていますが、人それぞれに好きな食べ物があるわけですから、例えば、ショパンは白身魚のホワイトソース仕立てと白ワインが好物だったといのはそれはそれなりに興味深いですね。
さらに、料理するのが大好きという音楽家の一人にシューベルトがいます。「シューベルト風鍋」というのがあるくらいですから。小柄で温厚な性格のシューベルトは、経済的には恵まれていませんでしたが、安い肉やクズ野菜などを買い出して鍋料理を作り友人たちに振舞っていたということです。兎に角、グツグツと煮てひたすらアクを取り除き、野菜の形が分らなくなる鍋料理、これが「シューベルト風鍋」なんですね。