NO.264
ブンタン
12月20日
17世紀末頃、中国船が難破し鹿児島県西部・阿久根市に漂着した中国船の船長の謝文旦から種(たね)をもらい、生えたのがブンタン(文旦)です。呼び名もボンタン、ザンボア、ザボン、漢字では文旦、謝文、朱欒、香欒など色々ありますが、日本に持ち込まれた経緯からすると、文旦(ブンタン)が一番いいのかなと。
学名が Citrus maxima (最も大きなミカン)とあるように、柑橘類では最大の実がなり、大きいもので直径25センチメートル、重さ2,000グラムにもなるようです。確かに実際、木になっているのを見ると枝が裂けずによくもっているなという感じがします。
果肉は少し硬くシャキシャキとした感じがあり、皮の部分は砂糖漬けにもなります。
鹿児島の名物である「ボンタン飴」もここからきていて、オブラートに包まれたキャラメルは素朴であとを引く味わいです。
伝来の地である鹿児島県阿久根市では、ボンタンが一般的呼び名であって、全国で唯一、市の木に指定しています。
淡い黄色の丸い大きなブンタンは何となく、温かい気持ちにさせてくれます。
〇 ふりそそぐ日に戯れて朱欒もぐ (石田波郷)