あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.68

ビヨウヤナギ

6月7日

 

中国原産のビヨウヤナギ(未央柳)は約300年前に我が国に渡来したといわれますが、この花自体も、アジサイと同じ白居易(白楽天)に関係するものです。玄宗皇帝と楊貴妃のことを歌った『長恨歌』では、玄宗皇帝の寵愛を一身に受け、国を傾けるまでの美人として有名な楊貴妃は、身内が重用されすぎたことから近衛兵が動かなくなり、やむなく皇帝は楊貴妃殺害を指示するものの、長く綿々と楊貴妃のことを偲んでいるというストーリーですが、我が国の源氏物語とか色々な分野で影響を残しています。

「帰り来たれば池苑みな一日依る 太液の芙蓉(蓮の花) 未央(ビヨウ)の柳 芙蓉は面の如く 柳は眉の如し 此に対して如何ぞ 涙垂れざらん」

この一節の未央宮殿の柳の葉が楊貴妃の眉にたとえられていることから、ビヨウヤナギ(未央柳)と名付けられたといいます。顔が蓮の花、眉が未央柳の葉ということからすると楊貴妃は天平美人的であったのかもしれないなと想像します。

でも、ビヨウヤナギの特徴は何といっても黄色いか細い雄しべではないでしょうか。

北原白秋の”君を見てビヨウヤナギ薫るごと胸さわきをおぼえそめにし”の歌のように、淡いはかない花を梅雨ごろに咲かせます。