あなたの誕生樹

あなたの誕生樹NO.142

テイカカズラ

8月20日

テイカカズラは、鎌倉時代初期に活躍した歌人・藤原定家にちなむものです。我が国の三大和歌集の一つといわれている「新古今和歌集」の撰者ですが、和歌の編集に満足がいかず、今なおカルタとして広く親しまれている『小倉百人集』を自ら編集した人です。

定家は、後白河天皇の皇女・式子内親王に思いを寄せますが、内親王は斎宮の職につき、清らかに死んでしまいます。二人の死後、定家の墓から生えてきたカズラに定家の想いが乗り移り、現世で一緒になれなかった式子内親王の墓に絡みついたという内容の能『定家』にテイカカズラが登場するとのことです。定家の妄執をあらわしているようです。

キョウチクトウ科のつる性の木ですが、花期は5~9月頃でジャスミンに似た強い芳香のスクリュー形の白い花をつけます。

定家は仁治2(1241)年8月20日に亡くなっていることから、この日を「定家忌」とされています。

 

〇 こぬ人をまつほの浦の夕なぎにやくもしほの身もこがれつつ(定家)

〇 玉のをよ絶えなば絶ね永らへば忍ぶる事のよわりもぞする(式子内親王)