NO.155
スイフヨウ
9月2日
ゆっくりとした風情のある踊りで有名な富山市八尾の「越中おわら風の盆」は9月1日から3日まで行われますが、台風の多い二百十日の頃、強風による稲穂の被害が無いようにという願いを込めてゆっくり静かに踊るのだといいます。風鎮めのお祭りなのです。伝統的な木造建築が立ち並ぶ街で、町中を練り歩く“町流し”、辻々の広場での“輪踊り”、そしてお寺などでの“舞台踊り”が繰り広げられます。
その祭りを背景にした高橋治の小説「風の盆恋歌」にスイフヨウ(酔芙蓉)が登場します。
フヨウ科の落葉中低木であり、花はムクゲやハイビスカスに似ていますが、朝方咲いた白い花は時間が経つほどに赤みが増し、女性がお酒に酔って顔を赤らめている風情を連想させることから、名前が付けられたといいます。
数年前、激しい風雨の中を車を走らせ、宇奈月温泉に行った翌々日には風も鎮まり、風の盆踊りをゆっくり楽しむことが出来ました。その時の俳句を一句。
〇 豪雨やみ 胡弓流れて 風の盆