NO.340
コブシ
3月6日
韓国・済州島にも自生しているようですが、日本の各地に自生していて日本特産といってもいい樹木です。名前の由来には諸説があるようで、蕾が子供の握りこぶしのようだからという説や、果実がちょうど手の拳のゴツゴツに似ていることからという説もあります。
早春、春を待ちわびたように白い花をいっせいにつけます。枝や葉などを折ったり噛んだりすると香気があります。
千昌夫が歌う中国でもヒットした世界的歌謡曲の「北国の春」には、このコブシの花が咲く丘の風景歌われています。これはこの歌の作詞家・いではく氏の故郷の信州・南牧村の風景がベースにあるのではないでしょうか。若い頃、南国インドネシア・ジャカルタに長期赴任をしていた折に、故郷・日本を思い出しながらこの歌を大声を張り上げて歌ったものです。
このコブシによく似た花を咲かせる樹木にハクモクレン(白木蓮)があります。公園などでは同じ時期に花を咲かせますので、その見分け方はといえば、花弁の数がコブシ6枚に対してハクモクレン9枚、花の咲き方はコブシはあちこち向きで、ハクモクレンは上向き、そしてコブシは花の基部に若葉が1枚付くというのが特徴です。
3月6日は春の訪れに色々な生き物が動き出す「啓蟄」。
〇 花辛夷信濃は風の荒き国 (青柳 志解樹)